コロナ禍開業の居酒屋が快進撃!「大衆酒場あげもんや」のFCで勝負をかける元留学生オーナーを直撃
今回は、コロナ禍真っ只中の2020年7月1日にオープンを迎えた「大衆酒場あげもんや八王子店」のチョウオーナーにインタビュー。新卒でどこかの企業に就職する日本のスタンダードではなく、あえてフランチャイズで独立という選択肢を選んだ背景や、数ある飲食系フランチャイズチェーンからなぜ「大衆酒場あげもんや」を選んだのか。そして、コロナへの不安、オープン後の売上事情まで赤裸々に語っていただきました。
「大衆酒場あげもんや」はもちろん、飲食系フランチャイズで独立・開業を目指す検討者にとってはとても有益なインタビューになっています。最後までお付き合いください。
チョウオーナーが加盟を決めた「大衆居酒屋あげもんや」とは
串カツだけでなく、天ぷらやとんかつ、カラアゲの4種を看板メニューに取り揃える「大衆酒場あげもんや」。居酒屋の定番の揚げ物もラインナップし、“揚げ物の総合デパート”としてワンズトライン株式会社が、2017年4月に串カツの本場・大阪で直営第1号をオープンしました。
すると、テレビや雑誌など多くのメディアに取り上げられ、ビジネスパーソンはもちろん、ファミリーやカップルなど幅広い層がさまざまなシーンで来店。1号店のオープンから2年で5店舗を展開するまでに拡大しました。来たる2019年10月には、満を持してフランチャイズ展開をスタート。2020年7月に東京・八王子、8月に岩手、9月に三重と続々とオープンしているなど、いま大注目のフランチャイズチェーンです。
今回話を伺ったのは……
中国・上海出身。村上春樹の小説をきっかけに日本に興味を持ち、高校を卒業すると同時に日本に留学。2年間、日本語学校で日本語を学んだのち、神奈川大学に入学。卒業後は就職ではなく独立の道を選び、新卒で「大衆酒場あげもんや」のフランチャイズに加盟し、FC1号店として2020年7月1日に「大衆酒場あげもんや八王子店」をオープン。
コロナ禍のオープンでも想定以上の売上を記録
飲食店経営の経験もなく、コロナ禍開業ということでとても不安でした。
しかし、オープンした7月の売上はシミュレーションを上回る600万円超えを達成しました。閉店が24時なんですが、23時になってもずっと満席の状態が続いていましたね。
最初は人件費や材料費などで余計に経費がかかるのですが、それでも収益150万円は超えていると思います。
8月は新型コロナウイルスの感染防止策として、東京都内全域で酒類を提供する飲食店などは営業時間を22時までに短縮するよう発表されました。なので、8月3日からは22時閉店で営業していたのですが、それでも売上が450万円まで伸びました。
本部からのシミュレーションで初月450万円とはあったものの、正直、コロナ禍でのオープンでどれくらいの売上が見込めるか不安はありました。結果的には本部もコロナ禍開業での、この売上は想定以上だったみたいで、かなり驚いた様子でした。
そうですね。現在は1日15万円の売上を目標に営業していますが、9月からはランチ営業をスタートしたのもあり、毎日17万円の売上をキープしています。今のところ月商500万円超のペースで営業できていて、この調子を維持できれば9ヶ月もあれば初期投資の1000万円を回収できてしまいますね。
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日本に留学したきっかけ、そして独立の理由
日本には6年前の2014年に来ました。きっかけは、村上春樹の小説です。もともと本を読むのが好きで、中国にいた頃に中国語版の村上春樹の小説を読んだら個性的な登場人物が多く、どれも設定や描写が独特で“生きている感じ”がしたんです。それで日本に興味を持ち、高校を卒業して日本に留学しました。2年ほど日本語学校に通い、その後は神奈川大学で法律の勉強をし、2020年3月に卒業したばかりです。
日本にきたきっかけは村上春樹の小説でしたが、そもそも中国だけでなく、いろいろな世界を見てみたいという思いがあって日本に留学したんです。なので、大学を卒業しても就職や中国に戻るという選択肢はなくて、日本で起業するか、親戚のいるヨーロッパの大学院に通うかで悩んでました。でも、身内に頼るのではなく自立するために日本での起業を選択しました。
「馴染みがあった」というのが大きな理由です。食事は誰にとっても必要なことで、私自身、飲食店には数多く足を運んでいます。一方、本屋や服屋などといったほかの業種のことはよく分かりません。もともと独立することを見据え、学生時代に日本の飲食店でアルバイトも経験しました。とはいえ、飲食店を経営していたわけではないので、未経験でも独立・開業できるフランチャイズを選びました。
最初は大手喫茶チェーンも気になって事業説明会に参加しました。でも、初期投資が5000万円ほど必要ということで、資金面を理由に諦めましたね。
そして、次に思い浮かんだのが串カツでした。じつは日本に来たばかりの頃に串カツを食べて、「こんな食べ物があるんだ」と驚くほどおいしかったんです。でも、まだ関東には串カツ店が少ないので、もっと多くの人に食べてもらいたいと思い、串カツ店の開業を検討しました。
ほかの串カツチェーンはあまり検討しなかったのですが、初期投資の安さが最大の理由です。飲食店を開業するとなると数千万円ほど必要になることがほとんどですが、「大衆酒場あげもんや」はホームページに初期投資880万円の開業モデルを紹介していて魅力的に思いました。実際にここの「大衆酒場あげもんや 八王子店」は初期投資としては1000万円ほどに抑えることができました。
物件取得費も合わせて1000万円以下は珍しいと思います。通常、物件取得費だけでも500〜600万円ほどかかることもありますから。ですが、「大衆酒場あげもんや」のフランチャイズは、内装から看板取り付けまでの工事を、本部のワンズトライン株式会社のスタッフが行なうので、ほとんど原価でやってもらえるんです。こうした初期投資の安さや、フードやサービスのこだわりをワンズトラインの山内社長から聞いて興味を持ち、その後、実際に大阪にある直営店5店舗をすべて周りました。
はい。どうせなら全店舗を自分の目で見て確かめたいと思いました。串カツをはじめとした料理がおいしかったのはもちろん、全店舗で売上が良いことが分かって、「これは間違いない」と思い加盟しました。
不安なくオープンできたのは、本部の手厚すぎるサポートのおかげ
アルバイトも含めると、いまは16人ほど雇用しています。今後、コロナが落ち着いたら2店舗や3店舗目を展開したいと考えているので、「親指の心合同会社」を設立し、最初から法人化して社員も2人採用しました。
順調でした。というのも、「大衆酒場あげもんや」は採用活動も手厚くサポートしてくれて、私が大阪で開業前研修を受けている間に、東京でアルバイトスタッフの採用活動をしてくれたんです。アルバイトスタッフだけでも150人の面接をしただけでなく、社員の面接時にも同席していただけたので、採用活動をしたことがなかった身としては本当に助かりました
そうですね。ほかのフランチャイズチェーンのことがよく分からないので比較はできませんが、大阪での2週間の開業前研修をはじめ、サポートも充実していました。おかげで経営も串カツ店も未経験ながら、そこまでの不安はなくスタートダッシュを切れています。
開業前は串カツをメインに大阪にある「大衆酒場あげもんや船場センター4号館店」で2週間ほど研修を受けました。研修中はホテル住まいで、観光をする体力も気力もなくなるくらい毎日必死に研修したおかげで、一人で問題なく串カツを揚げられるまでに成長できました。
そうですね。未経験とコロナ禍というダブルで不安でしたが、幸い出店を決めた店舗の前は多くの人が通る場所で、本部の方が「7月1日オープン」と大きな張り紙を貼ってくれたこともあり、オープン前から勘違いして入店してくる方もいて不安が少し和らぎましたね。 実際オープンした7月1日は行列ができるほどお客さまがいらっしゃって、1日で25万円の売上を記録しました。
最初の1ヶ月は本部のSV(スーパーバイザー)さんが毎日お店に来てサポートしてくれるんです。大阪で2週間ほど研修を受けましたが、いざオープンするとなると緊張するじゃないですか。でも、SVさんがいてくれたので分からないことはその場で聞けたので、落ち着いて対応できました。
そうですね。初めての経営なので、PL計算までしてくれるのは本当に助かります。その分、初めの内はスタッフとのコミュニケーションや発注、シフト管理などお店の運営に集中できました。
101点です。不満はまったくなく、サポートはもちろん、オープン前の準備やオープン後の1ヶ月のSVさんの臨店、看板などの販促物もすべて本部で用意していただけたおかげでこのようなスタートを切れました。未経験でも不安なく好調をキープできているのは本部のおかげです。
そうですね。まだコロナ禍というこの状況なので先のことは分かりませんが、来年2021年の夏前にはオープンしたいと考えています。場所は神奈川の大学に通っていたこともありますので、横浜らへんでオープンできたら嬉しいですね。
将来的にはより多くの店舗展開を考えています。目標は10店舗やそれ以上ですが、「大衆酒場あげもんや」の本部と二人三脚で頑張ればきっと叶えられると思います。
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「大衆酒場あげもんや」の加盟店取材を終えて
新型コロナウイルスが猛威を振るい、飲食店は業態や業種によって明暗が分かれています。「大衆酒場あげもんや八王子店」は、コロナ禍のオープンということで苦戦を強いられていると思ったら大きな勘違い!むしろ、予想をはるかに超える売上を記録していることに驚きました。
その理由は、「大衆酒場あげもんや」にはどんな状況でもお客が集まる“仕掛け”が隠されているから。だからこそ、閉店に追い込まれる飲食店もあるなか好調をキープしているのです。
その詳しい“仕掛け”などについて、「大衆酒場あげもんや」のフランチャイズを展開するワンズトライン株式会社の山内代表に伺いました。後日取材記事を公開しますので、お楽しみに!