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2016-02-29 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表
中土井 鉄信 |
塾経営成功のカギを握っていた〇〇価格。あなたの塾は適正価格?
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このコラムのポイント
塾がはやるかどうかのカギを握るのは「料金設定」にあった―業界未経験の方には設定の方法が難しいこのノウハウについて学習塾専門の経営コンサルタント、中土井鉄信氏がわかりやすく解説します。 誰もが知っているであろう学研や公文教室の事例も出てくるのでご注目を。
フランチャイズWEBリポート編集部
学習塾経営成功のカギ。適正な「料金設定」の方法にせまる
前回は、学習塾での仕上げである受験、それも受験生ケアについてお伝えしました。今回から、3回にわたり、今まで以上に具体的なことを書きたいと思います。そして、一旦、この基本講座を修了とし、あとは、不定期に投稿させていただければと考えています。
今回のテーマは、授業料についてです。
塾が流行るか流行らないかの要因の一つは、なんと言っても料金設定にあります。
たとえ、景気がよくなっていこうとも、消費者の財布の紐は、相当固いままですから、20数年前のバブルの時のように、湯水のようにお金を出すことはなかなかありません。
ということで、今回は、適正な料金設定をどうしたら良いのか考えたいと思います。
料金設定のコツ:競合塾との比較&保護者が持つ相場観を読むこと
塾経営の中で料金設定が一番難しいかもしれません。授業料とは、何を基準に考えて良いのか皆目見当がつかない、と言う塾経営者の方が多いのです。まずは、地域の競合他塾の料金と比べて考えてみるのです。
消費者が自塾の料金をどう考えるかは、地域における自塾のポジションによって決定されます。つまり、自塾の料金を高いと見るか、安いと見るか、妥当だと見るかは、地域における評判が決定するということです。
が、しかし、それだけではありません。
当然、相場観によっても決まります。小学校の子どもを持つ親ならば、公文教室の授業料や学研教室の授業料が、相場観を形成する可能性が大きいのです。
なぜならば、数多くの小学生が通っているからです。
また、私どもの調査では、中学校の子どもを持つ親ならば、18,000円から20,000円が相場観になっています。そして、もう一つ、料金を決定する要素が、時間数=教科数との関係です。
公文教室と学研教室から見る「小学生向け料金設定」の方法
ちなみに、公文教室は1科目6,480円、2科目12,960円です。
1科目30分程度の授業ということになっていますが、各教室によって違います。
また、学研教室は、2科目で8,230円。各科目1時間程度で週2回です。
ですから、小学生の料金は、受験をしない限り、2科目で8,000円から12,000円がある種の相場観ということになります。
当然、指導時間や科目数、その内容はどうするかを考えて、料金を決定していくわけです。
個別指導で週1コマ月10,000円以上は高い!?「中学生向け料金設定」の方法
中学生ならば、週2回300分前後で、18,000円から20,000円にし、指導科目は、4科目かできれば5科目指導をすることが、一つの目安ではないかと思います。
週3回であれば、25,000円から30,000円前後が相場観ではないでしょうか。
今までの話は、集団指導での料金設定に関する相場観でしたが、個別指導ならば、どうなるのでしょうか。個別指導は、現在の相場観で言えば、週1コマ月10,000円以上では、非常に高いということです。
大手FCチャーン塾では、週1回月12,960円だったりしますので、少し授業料としては相場観からずれているということになるのです。ということは、集客的に苦戦することになるのです。
こういう行き先不透明な時代、そして、不景気を経験した時代の消費者は、非常に料金に敏感になっているものです。個別指導も集団指導同様、価格競争になっています。
授業料の決定が、集客上、非常に重要なポイントになるのです。
次回は、更に具体的に授業設定について考えたいと思います。