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2016-03-28 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表
中土井 鉄信 |
教育コンサルが伝授!塾経営者が押さえておきたい「年間42週」の授業設定とは!?
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このコラムのポイント
小中高校生が春休みに入るこの時期。長期休みを利用した季節講習を受講する生徒達も多いのではないでしょうか。学習塾の季節講習とは春休みだけでなく、夏休みや冬休みにも実施されますが、年間の授業回数をどうもっていくかで塾経営者にとって、こうした季節講習の提案のしやすさが変わるのです。 塾業界の方、必見です。
フランチャイズWEBリポート編集部
年間授業回数が月謝設定のカギをにぎる
連載の最終回となります今回は、前回の内容にあった月の授業回数のところから復習し、年間授業回数が1年の売り上げに大きく貢献する、ということを皆様にお伝えして締めくくりたいと思います。
前回、授業料の設定は講師人件費から設定するものであるとお伝えしました。そして、末文に「従来の個別指導では、季節講習という考え方が乏しかった為、年間授業回数(週)が48回(週)になっていました。(中略)私どもMBAでは、授業回数(週)を年間42回(週)という設計を考案しています。」と書きました。今回はこの続きからです。
年間授業週を48週(月4週)にする従来型と、私どもマネジメント・ブレイン・アソシエイツがお薦めする42週(月3.5週)の違いは、価格競争力と季節講習の受講の仕方にあります。
価格競争力は、前回も書きましたが、月謝の設定段階のものです。年間48週(月4週)であれば、授業単価×4週が月謝になりますが、年間42週の場合は月3.5週ですから、授業単価×3.5週になって、0.5回分月謝が安く見えます。
例えば、授業単価2,000円であれば、月4週が8,000円になり、月3.5週が、7,000円になるということです。違いは、1,000円だけに見えますが、授業単価に違いが出る場合は、さらにその差が広がるということになります。
長期休みの講習を提案するには「年間42週」のコース設計が効果有
次に、講習の売上に関することです。例えば、夏期講習ですが、月4週の場合は、常に通常授業が行われているので、意識の面で講習の授業は、通常授業のサブ(追加授業)になってしまうのです。
例えば、月4週の7月の通常授業は、7月1日~28日まで。8月の通常授業は、お盆休みが、大体8月11日~16日までの1週間として、7月29日~8月31日までになります。7月8月は、びっしり通常授業が走るので、夏期講習は、通常授業の付け足しのような状況になって、あまり講習の授業を取らなくなってしまうのです。
それに対して、年間42週の授業の場合は、8月を除いて、通常月は、39週分で8月授業は3週分として行います。
また、季節講習時は、1時限の単位を1.5倍にして行いますので、8月授業は、夏期講習期間中2週分で終了します。7月20日前後から通常授業はなくなり、8月通常授業は、8月お盆明けに2週で行うので、残りの8月の3週まではフリーになり(通常授業の空白期間が生まれます)、夏期講習としての新たな授業の提案をすることが出来ます。
学習の継続性が学習効果を高めることをしっかり伝え提案すると、講習を追加授業としてではなく、講習として生徒や保護者が受け止めるので、講習の授業時間が確保できるのです。
同様に、冬期講習でも、12月20日前後で通常授業が終了し、1月は10日前後から通常授業が始まります。約2週間、通常授業が空白になります。また、春期講習も、3月20日前後で通常授業が終了し、4月は、7日前後から通常授業は始まりますから、ここでも2週間、通常授業が空白となります。この通常授業の空白期間を季節講習の授業で埋めていきます。
塾経営を考えるときに、どうしても必要なのは、「生徒を集める設計」、「学習量を確保できる設計」、「売上の効率よく上げる設計」なのです。この幹がしっかりしていないと、学習塾経営の大きな花は実らないのです。
独立を考えている皆さん。甘い言葉に乗らず、自分の頭で考えて、学習塾経営のスタートを切ってください。