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2016-06-01 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表
田口 勝 |
起業成功を盤石にする!フランチャイズを活かした独自起業のススメ
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このコラムのポイント
自分で売るものも売り方も決められる独自起業。対して、フランチャイズ本部が開発した商材やサービスと売り方のノウハウをもとに経営を行うフランチャイズ起業。 今回のコラムではフランチャイズ起業のうまみを活かした独自起業の良さについて解説します。
フランチャイズWEBリポート編集部
独自起業か?フランチャイズ起業か?どちらかしか選べないのか?
前回のコラムでは、フランチャイズ起業のメリット・デメリットをお話させて頂きました。
多くの起業を検討されている方が、最初に独自のビジネスモデルでの起業か?フランチャイズでの起業か?を選択し、選びます。今回は、そのどちらかしかできないのか?という点でお話をしていきます。
結論から言うと、私は、両方を同時に実施することができるものと思っています。もちろんフランチャイズ本部との契約書の中で、兼業等の制約がありますので、本部次第という点は否めませんが、両方を実施することが出来ます。
『起業成功のカギ』はスピーディーなマーケティング戦略と潤沢な運転資金
独自起業の事業継続確率が低く、フランチャイズ起業の事業継続確率は比較的高いという話を前回のコラムでしていましたが、金融機関の融資面でもフランチャイズ起業は有利であることをお話しました。
私は、多くの起業家をみてきましたが、自分の事業について、『嫌になってやめる人』は見たことがありません。その仕事が好きで、起業をしているのです。
では、なぜ続かないかというと理由はたった一つ。
それは、新規の独自のビジネスモデルでは、『顧客が獲得しにくく、売上が軌道にのるまでに、運転資金が尽きる』ことが大きな理由です。
つまり、営業面と運転資金がポイントとなります。
起業前にどれだけ精度の高い『マーケティング戦略』を立案しても、あくまでも『やる前の段階の戦略』にすぎません。実際にやり出すと適宜検証を行い、『修正』『方向転換』等を行っていきます。そうすることで、『売れるマーケティング戦略』に変えていくのです。
そのスピードが速く、また運転資金を潤沢にもっている方が、当然、継続することができます。
フランチャイズは独自開業するための『実績作り』『資金確保』の手段になる
この部分を実は、フランチャイズを交えて補うという考え方があります。
例えば、自分が独自のビジネスモデルと考えている事業について、1年以上は軌道にのるまでに、時間がかかるビジネスとします。
1年以上の運転資金があればできるでしょうが、そうでない場合がほとんどであり、更に金融機関は、1年以上の運転資金を貸して下さいと言っても間違いなく、貸すことはありません。多くても6ヶ月程度だと経験上わかっています。
更に追加で運転資金を獲得するには、ベンチャーキャピタル等の投資を受ける必要があり、ビジネスプランコンテスト等で入賞するビジネスモデルでなければなかなか獲得が難しいというのが実情です。
では、独自のビジネスモデルは出来ないかというとそうではなく、最初にフランチャイズ起業を行い、会社としての売上と利益の実績をつくるのです。
銀行融資は会社の『決算書』から評価されますので、その売上を成功モデルの高い、フランチャイズ起業を活用する。
また、自身が必要な生活資金をまずはフランチャイズ起業でしっかり確保する。
その上で、独自のビジネスモデルを展開してはどうでしょうか?
成功確率が上がるということがご理解頂けると思います。
フランチャイズ起業を行いながら、独自のビジネスモデルを展開するには?
フランチャイズ起業を行いながら、独自のビジネスモデルを展開するには、どのようなポイントがあるのでしょうか?
1.本部の選定が肝となる
独自のビジネスモデルで起業をしたい方は、その事業が本当に実現したいビジネスモデルであるため、フランチャイズはあくまでも商材(サイドビジネス)のようなものでしょう。しかしその商材で事業が行き詰る要因となったり、顧客が獲得しにくい環境があれば、やる意味はないと言えます。
また、本部の兼業への方針等で、独自のビジネスモデルが展開できない本部については、除外する必要があります。事業ですので、確約された中で行うことはありませんが、成功確率の高い本部選定が重要となるのです。(契約中だけでなく、解約後の制限についてもフランチャイズ本部は設けておりますので、留意することが必要)
2.事業計画書を明確にする必要がある
独自のビジネスモデルを最終的には成長させることが目的ですので、事業計画書の作成が非常に重要です。
どの時期までに、フランチャイズの事業を軌道にのせるのか?そのためには、何を行うのか?
その中で、独自の起業モデルは、どの時間で営業や商品開発を行っていくのか?等、綿密なスケジュールや対応、経営資源の管理について検討しなければなりません。
最終的にフランチャイズ起業の事業については、独自起業のモデルを軌道にのせるのであれば、人に任せていかなければならないことになります。店長や事業責任者の採用や育成についても検討する必要があります。
3.独自のビジネスモデルと比較的親和性が高いフランチャイズを選択するのが吉
フランチャイズ起業は、フランチャイズが持っているノウハウに資金を投入して手に入れるだけでなく、ブランドや信用も手に入れることができることが比較的多いです。
例えば、フランチャイズ本部が開発したコスメ商品と合わせて、自社が開発したシャンプーと一緒に扱った美容系のショップにするなど、独自のビジネスモデルを形作ることも可能です。
また、同じ美容系の商品に限定せずとも異業種の商材とを組み合わせ販売することも可能なケースがあります。ただし、フランチャイズ本部により制約が異なるので注意しましょう。
次回はメガフランチャイジーについて取り上げます
今回は、フランチャイズ起業を商材として活かして、独自のビジネスモデルを展開することが出来ないのかという視点で考察しました。フランチャイズを起業の手段のひとつとしてご覧いただけると幸いです。
次回は、フランチャイズの複数の事業帯を活用し、一部上場を行っている会社もあるメガフランチャイジーについてお話をしていきたいと思います。