スローフード
（スローフード）

slow food←→fast food　ですし、ともするとこのスローフードはファストフードに対立したことば、あるいは対極をなしているものととられがちですが、どうもそうではないようです。

発祥はイタリアだし、運動のきっかけになったのが、イタリアのある地域にマクドナルド（言ってみればファストフードのシンボル）が出店したことでしたから、その点では対立的なのですが、そのことで、伝統的なイタリアの食文化が浸食されてしまうのではないかという危機意識が生まれたのです。自国の料理、とくにマンマの料理には誇りを持つ国民ですから。そしてその一旦芽生えた意識は、人々をしてファストフード的なものに対立するのではなく、今以上に食文化を中心とした自国の伝統的なものに目を向けさせていったのです。身近に関連したことでは、地域の伝統的な食文化に関することであり、子供への食育の問題であったりするのですが、そこから文化の多様性や地域文化のあり方にまで意識は広がっていったのでした。