美容院を独立開業するためには?必要な準備や独立の流れを解説

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年10月11日 公開 (2021年11月26日 最終更新)
美容室 開業

美容師としてのキャリアを積み、そろそろ独立して美容院を開業したいと考えていても、何から始めればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。美容院の開業には、顧客を集めるためのスキルはもちろんのこと、経営のノウハウなど美容師として以外の幅広い知識が求められます。

ここでは、美容院開業に向けて準備すべきことや独立開業の流れ、フランチャイズ加盟やのれん分けという選択肢などについて紹介します。

美容院を独立開業するメリット

美容室 独立するメリット

美容師として独立して美容院を開業する一番のメリットは、自分が理想とするお店を一から作り上げられることにあります。美容院の内装やコンセプトだけでなく、顧客に提供するサービスについても自ら決定することができます。そのため、モチベーション高く仕事に取り組み、理想的なサービスを顧客に提供することが可能です。

また、美容院の経営者となることで収入アップを目指すこともできます。美容院のスタッフとして雇用される場合は基本的に月給制であり、歩合制であっても稼げる額に限度があることが大半です。しかし、自分が経営者となる場合は頑張った分だけ稼ぐことが可能ですし、質の高いサービスを提供することでリピーターを増やし、経営の安定化を図ることもできます。

自分自身の努力次第という責任は伴いますが、業績を伸ばして収入を増やせる可能性が高いというのは独立開業の大きなメリットと言えるでしょう。

美容院開業に必要な準備

美容室 開業に必要な準備

美容院を開業する場合、どのような準備を行なうべきなのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

美容師としての腕を磨く

まず、美容師としての腕を磨くことが第一です。どれだけ内装がおしゃれでサービスや料金が魅力的な美容院であっても、カットの技術が低ければ顧客はリピートしてくれません。顧客一人ひとりの髪質や毛量を短時間で把握し、最適なヘアスタイルに仕上げるための技術を磨きましょう。

独立資金を貯める

美容院を開業する場合、大部分の資金は融資を受けて調達することになります。しかし、ある程度自己資金を貯めておけば開業後の借金を減らし、安定した経営を実現しやすくなります。

融資を受ける場合、例えば日本政策金融公庫を利用するのであれば、自己資金の1から2.5倍の融資を受けられます。開業費用に1,000万円かける場合は、500万円程度の自己資金を確保しておくと安心でしょう。

経営を学ぶ

美容師として独立開業する場合、顧客へのサービス提供だけでなく経営も自ら行わなければなりません。腕のある美容師でも経営ノウハウがなければ、数年で廃業してしまう可能性があるのです。初期投資や経営リスクをできる限り減らしながら経営するための知識を学びましょう。

スタッフを雇う場合は管理美容師の免許を取得する

開業した美容院にスタッフとして美容師を雇う場合、管理美容師という免許を取得する必要があります。管理美容師になるための条件は、美容師の免許取得から3年以上経っており、美容師としての勤務経験があることです。また、各都道府県知事が指定する3日に渡る講習会過程を修了する必要があります。スタッフを雇わず一人で運営する場合は免許が必要ありませんが、スタッフを雇うことを見越しているのであれば、早めに免許取得の手続きを進めておくとよいでしょう。

独立の流れ

美容師 独立の流れ

ここからは、実際に独立して美容院を経営していくために必要な準備について見て行きましょう。

お店のコンセプトを決める

最初に行うべきなのが、お店のコンセプトを決めるということ。これは、来店するお客さまの層にも大きく影響を及ぼすため、自身の希望はもちろん、地域性や技術面なども考慮しながら決定していくと良いでしょう。お洒落な街だからこそあえてレトロな雰囲気を出してみる、閑静な住宅街だからこそあえてカリスマ美容院のようなコンセプトにしてみるといった具合に、自分なりの近隣の店舗にはない戦略を立てることが大切です。

事業計画を考え、融資を受ける

美容院を開業するためには、一時的にまとまった資金が必要になってきます。そこで必要になってくるのが、金融機関からの融資であり、融資を獲得するために必要なのが、事業計画書の作成です。先ほどのコンセプトをはじめとして、集客や売上などの数値計画をしっかりと記入し、融資する価値のある事業であることを強くアピールするようにしてください。

物件選定

融資の目途がついたら、いよいよ物件を探していきます。美容院として営業をするためには、建物や設備について保健所からの営業許可を受ける必要があるため、その条件を満たせる物件を探すようにしましょう。

美容院として開業するために必要な条件は、「最低床面積13平方メートル以上の作業室」「施術する美容椅子1台ごとに3平方メートルの広さ」「作業室は100ルクスの明るさを確保する」「待合室と消毒設備を設ける」「髪を処分する毛髪箱やゴミ箱は、蓋つきのものする」といったものなどがあります。必要な条件については、保健所で事前に相談することが可能ですので、良い物件を見つけた段階で、確認しておくと良いでしょう。

開業手続き

保健所の営業許可を満たせる物件が完成したら、遅くともオープンの2週間前までに、保健所に対して「美容所開設届」を提出します。またそれに加えて、税務署に対して「開業」届」を提出するようにしましょう。さらに従業員を雇う場合には、管理美容師の資格が必要になったり、健康保険や厚生年金を導入するためには年金事務所へ届出を行ったりする必要があります。

開業資金の目安は700~2000万円程度

美容室 独立に必要な資金

美容院の開業に当たっては、物件に係る費用と各種設備や器具に関する費用が中心となります。特に物件に関しては、立地条件などによってかなり差が出るものなので一概には言えませんが、開業資金としてはおおよそで700~2000万円程度必要と言われています。

融資を利用する場合でも、自己資金をしっかり用意していた方が借りられる金額が高くなりやすいため、250~500万円程度は用意できると良いでしょう。自己資金ゼロでも開業できなくはないですが、その分借金額が増えてしまいますし、事業そのものに対するリスクはどうしても高くなってしまいます。

フランチャイズやのれん分けでの開業も選択肢の一つ

美容室 フランチャイズ のれん分け

一人でゼロから美容院を開業することに不安がある方は、フランチャイズやのれん分け制度を利用するのも選択肢の一つです。

フランチャイズとは

フランチャイズとは、フランチャイズ本部から看板の使用許可を得て事業を運営するシステムのことで、著名なフランチャイズに加盟すれば美容院の名前で一定の集客を見込めることになります。

のれん分けとは

のれん分けとは、長年就業した美容院から独立する際に、その美容院の屋号の使用許可を得るという制度です。地域で人気の美容院からのれん分けを受けることができれば、そのブランド力や知名度の恩恵を授かれるため、スムーズに経営を軌道に乗せられるでしょう。

フランチャイズやのれん分けを活用するデメリット

一方、フランチャイズやのれん分けは本部が指定するサロン名やメニュー構成、サービス内容などに従う必要があり、名前やブランド力を使用するためのロイヤリティを支払わなければならない場合もあります。ゼロから開業する美容院であれば、自分の裁量で全てを決定できるので、自由度という面ではデメリットがあると言えます。

集客力があるので開業時からも集客が見込める

しかし、フランチャイズやのれん分けはブランド力があるため集客力も強いです。特にフランチャイズの場合は経営やスタッフ育成のサポートを受けられるケースが多いので、開業初心者でも安定感のある経営を実現しやすいでしょう。

自分に適した開業の方法を検討しよう

美容室 独立

美容院に限った話ではありませんが、独立をして事業を安定させていくためには、相当の努力と運が必要になってくるのは間違いありません。だからこそ、コンセプト決めや事業計画の策定など、事前準備の部分には特に力を入れて取り組むようにしましょう。

経営や資金に不安がある場合は、自分一人の力で独立を目指すのではなく、フランチャイズや暖簾分けを使うという手もあります。自分にとって最もリスクが少なく、理想を叶えやすい方法を検討するのが良いですね。

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