「今、気になるビジネスは?」FCショー会場で来場者13名+本部に直撃インタビュー
2018年1月31日(水)〜2月2日(金)に東京ビッグサイトで開催された「フランチャイズ・ショー2018」。会場には、大手コンビニエンスストアや、飲食系フランチャイズはもちろん、ハウスクリーニングや塾、デイサービスをはじめとした介護系やペットビジネスなど、全227社・団体が出展。単独開催としては過去最大の規模を記録しました。
「フランチャイズ・ショー2018」を訪れたおよそ3万人の来場者は、果たしてどんな業界に興味を持っているのでしょうか――。フランチャイズWEBリポート取材班は、来場者の方々に直撃インタビューを実施。フランチャイズ加盟を検討して会場を訪れた13社の法人担当者に「気になっている業界・業種」について聞いてみました。
FCショー2018の来場者に興味のある業態を聞いてみました
「コインランドリー」ビジネスに興味あり
早ければ2018年内に加盟できればと考えています
飲食系を中心に小売業を営む法人の担当者が気になっているのは「コインランドリー」。すでに100円均一のフランチャイズに加盟しているそうですが、どうやら会社が所有している土地が空いているということで、その場所を利用して新たな事業をはじめられないかとフランチャイズ・ショーに足を運んだそうです。
人件費をほとんど必要としないコインランドリー経営に注目しています
大手コンビニフランチャイズチェーンにFC加盟し、20店舗以上を展開している法人の担当者が気になっているのはコインランドリー。従業員の高齢化に伴って人的なリソースが不足することを懸念し、マンパワーに頼らない事業を模索する中でコインランドリーに着目したそうです。「会社として長く継続していくためにも、マンパワーに依存しない事業で検討しています」。
人手を必要としない一方、初期費用をどれだけ抑えられるかがキモ
「これからは間違いなくリネンサプライ産業!(クリーニングの一分野)」と言い切るこちらの男性。不動産事業を展開する会社に勤めているということですが、新規事業として自社の空き物件を利用してコインランドリーへの加盟を検討しているとのことでした。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
空き店舗や遊休地の活用に有効なビジネスとして一躍注目を浴びたコインランドリー経営。無人経営を可能にするビジネスゆえ、人材不足とは無縁なうえ、店舗型で多くの割合を占める人件費をほとんど要しない点も大きなメリットとなっています。未だに高い関心を維持し続けているコインランドリーへの投資。2018年1月度のウェブリポのアクセスでも堂々の1位を記録するなど、まだまだ熱が冷めそうにありません。
「フード(飲食)ビジネス」に興味あり
フードコート内にオープン可能な飲食系フランチャイズを探しています
鹿児島県の沖永良部島から参加したというこちらの男性2人組。ホームセンターや100円均一、レンタカー事業などのフランチャイズに加盟している法人での参加ということでしたが、新たにショッピングモールのフランチャイズに加盟することが決定しているとのこと。そこで、ショッピングモールのフードコート内にオープンさせる飲食系のブースを中心に話を聞いているようでした。
「離島ということで商圏が狭いので、加盟できるフランチャイズチェーンは限られてくると思います。もしかしたら出店制限ですべてNGかもしれないので、頑張って探します(笑)」
12〜13個の飲食系フランチャイズブースで話を聞いてきました
郊外型の喫茶系フランチャイズに加盟している法人の担当者は、同じくフード業界が気になっているとのこと。インタビュー時点ですでに12〜13ほどの飲食系フランチャイズのブースで話を聞いたそうですが、「誰もが知っているフランチャイズチェーンではなく、あまり認知されていなくて、かつ魅力的だと思えるブランドがあれば加盟したいです」。
ブランド力で集客できるフランチャイズがあれば!
こちらの男性が勤めているのは、飲食店などが集客をするための販促物を企画、デザインする会社。取引先となる飲食店が移転や廃業をした際、空いた土地に新たな飲食ビジネスをオープンすることを斡旋するために、フード系のフランチャイズ本部から話を聞いていたそうです。
「まだまだ検討段階中ですが、飲食経営は立地に大きく影響する業界だと考えています。そんな中、立地に関係なくブランド力で集客できるフランチャイズチェーンがあれば前向きに検討させていただきます」
日本のフード系FCが台湾にもっと進出してほしいですね
「フランチャイズ・ショー」の会場には、海外からの来場者も多く見受けられました。台湾から来たというこちらの女性が勤務するのは、飲食店などの海外展開を支援するコンサル系の会社。日本食レストランやスイーツ店は台湾でも人気ということで、フード業界に興味がある様子でした。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
コインランドリー同様、多くの方が注目しているフード業界。トレンドの移り変わりが早い業界です。飲食店の約半数が2年以内に閉店するというリサーチ結果(※参照)があるように、飲食店は開業のハードルが低い一方で、閉店のリスクが高い事業と言えます。そのリスクを軽減できるのがフランチャイズのメリット。飲食業界未経験でも、本部の商標や看板、開業前後のサポート体制を享受できるので、オリジナルの店舗よりも比較的容易に軌道に乗せることができます。
※「閉店しやすい飲食店の特徴が明らかに!? シンクロ・フードが過去に閉店した飲食店の特徴を発表!」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000001049.html
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「水なし洗車ビジネス」に興味あり
実際に洗車しているところを見てみたいです
洗車は水を使うもの――そんな概念を覆したのが水なし洗車です。洗車場を営む会社の担当者いわく、「水なし洗車は、文字通り水を使わずにワックスまでコーティングできる洗車。場所を問わず洗車できるので、マンションなどの駐車場でも簡単にできる点が興味深いですね」。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
自動車保有台数が増加する一方で、洗車場が減少しているのもまた事実。そんな中、場所を問わずに洗車できる水なし洗車ビジネスは、店舗を構えることなく気軽に開業できる点も魅力のひとつです。フランチャイズショー2018には出展していない、差別化されたユニークな業態が次々と生まれています。
「スクールビジネス」に興味あり
ストックビジネスという点も魅力ですね
次に話を聞いたのは、セキュリティ関係の事業を取り扱う法人の担当者。「少子化が叫ばれていますが、その分、ひとりあたりのお子さんの教育費にお金をかけるご家庭も多い」という理由から、こちらの女性が注目しているのは塾業界でした。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
塾経営の魅力は、毎月の月謝により安定収入を得ることができる点。生徒数の増加とともに収入が上がっていくストックビジネスです。少子化の中、子供への投資は堅調。さらに、近年のスクールビジネスの多様化も注目です。
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「介護ビジネス」に興味あり
いいフランチャイズチェーンがあればすぐにでも加盟したいです
保険商品を扱う法人の担当者が目をつけているのは介護業界。どうやら保険業界でも介護にまつわる商品の注目度が高く、介護系フランチャイズのブースを中心に話を聞いていたそうです。その中でも、「法改正が著しい介護業界なので、そのニーズに沿ったブランド展開をしていけるフランチャイズチェーンであれば、ぜひ加盟したいですね」とのことでした。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
少子高齢化が叫ばれている現代、介護関係のフランチャイズが注目を浴びています。しかし、3年に1度のペースで変わる「介護保険制度」を懸念し、加盟を躊躇してしまう方も珍しくないようです。
「保育ビジネス」に興味あり
既存事業との相乗効果も狙える保育関係の事業で検討しています
こちらの男性が勤務しているのは、不動産事業を営む会社。2009年のリーマンショック以降、共働き世帯が急増しているとともに、不動産を購入する層も共働き世帯がもっとも多いとのこと。そこで、購入者が優先的に入所できる保育関係の事業をスタートさせれば、既存事業との相乗効果を狙えるのではと、フランチャイズ加盟を検討している様子でした。
加盟時期は2018年度を予定しています
はじめてフランチャイズ・ショーに訪れたこちらの男性は、プラスチックの成型などの製造業を営む法人の担当者。異業種ながらも、加盟を検討しているのは保育関係のフランチャイズチェーン。「これから成長が期待されている保育関係の事業で加盟を検討しています」。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
政府は2017年度までに40万人分の保育施設の設立を目標としています。しかし、現在でも待機児童問題が後を絶たないのが現状……。社会的にも保育園ニーズが高まっている中、自治体としても企業の参入を求めているのです。行政の後押しを受けながらも安定収入を得られる小規模認可保育園の新規参入が注目を集めています。
「高級輸入車販売ビジネス」に興味あり
高級輸入車に特化した点がおもしろいですね
店舗物件を扱う不動産業者の担当者が気になっているのは、高級輸入車販売を手掛けるフランチャイズチェーン。こちらの男性が着目したのは高級輸入車に絞った事業展開をしている点で、「飲食業でもなんでもそうですが、何かに特化している事業っておもしろいですよね。とても興味があります」とのことでした。
ウェブリポ編集部の注目ポイント
国産の中古車販売台数が2年連続で増えているなど、中古車市場が回復の兆しを見せています。しかし、10年前と比べると数十万台単位で落ちているのも事実。そんな中、中古車として仕入れた車をレンタカーとして有効利用できるフランチャイズチェーンが誕生。中古車販売業界も時代に合わせて変化してきているのです。
番外編:本部が興味のある業態/業種は?
ここからは番外編として、出展していたフランチャイズ本部の方に業界本部の目線で気になっている業種や業態を教えてもらいました。
ピンクベリーもいいけど、ファミリーマートにも加盟したい
まず答えてくれたのは、ハワイ発のハンバーガーショップ「テディーズビガーバーガー」のテッド社長。日本でも渋谷、表参道、横浜の3エリアで展開しています。そんなテッド社長が気になったのは、フローズンヨーグルトの専門店「ピンクベリー」。
「酸味があってとてもおいしかったよ。でも、本当はファミリーマートが大好きで、本部の方にハワイで開業したいって伝えたんだ。そうしたら、海外ではやらないと言われてしまって……残念でしょうがないよ(笑)」
私もペットを飼っているのでペットの葬儀が気になってます
続いては、日本で生まれた痛くない巻き爪補正の「ペディグラス」を運営する本部の女性社長。自身でもペットを飼っているという理由で、注目しているのはペット葬儀ビジネスとのこと。
「ペットが亡くなった時にどうすればいいのか分からないので、こういうビジネスモデルがあるとそれが解決できると思います。しかも、かわいい骨壷とかもあるみたいなので、大事にしているペットだったら尚さらそういうのに入れて葬ってあげたいですね」
来場者への取材を終えて
13社の法人の担当者と2組のフランチャイズ本部の方に答えていただきました。フード業界の4票に続いて多くの回答を得たのは「コインランドリー」。初期費用が高額な一方、開業してからほとんど人手を必要としない点、空いた土地を有効活用できる点で人気を得ているようです。
また、待機児童問題がいまだ解決していない背景もあり、「保育関係」の事業に着目している方が2名。その他の塾や介護、高級輸入車販売、水なし洗車はそれぞれ1名という結果になりました。
思いがけない出会いがあるのも展示会の醍醐味
本記事では全ての方をご紹介できませんでしたが、今回のフランチャイズ・ショー2018にブース出展していた、我々「ウェブリポ」ブースでも、出展している本部をしっかりと下調べしてから来場している方や、具体的な業種や業態のイメージができていない方など、さまざまな方からお話を聞くことができました。
フランチャイズショーにまだ足を運んだことのない方は、来年こそはご自身の目で会場をのぞいてみてはいかがでしょうか。
取材にご協力いただきました皆様ありがとうございました!
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