便利屋フランチャイズの開業資金は?年収の目安や稼ぐために必要な資格も解説

幸谷 亮 |2024年09月17日 公開
便利屋フランチャイズ|開業資金や収入の目安を解説

便利屋フランチャイズは自宅でひとり開業できるので、人件費や物件取得費がかからず初期費用を抑えられる点が魅力です。とはいえ、実際にどれくらいの資金を用意すべきか疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では便利屋フランチャイズの開業資金を項目別に紹介します。運転資金の内訳や年収の目安、必要な資格なども解説していますので、便利屋フランチャイズに興味がある人は最後までご覧ください。

便利屋フランチャイズの開業資金

新たに事業をスタートするときに必要なのが資金です。便利屋フランチャイズを開業するためには、開業資金として100万〜400万円ほど必要です。プランによっては、ローンを組めば初期費用を実質0円で開業できるフランチャイズもあるので、資金面に不安がある人も安心です。ここでは便利屋フランチャイズを開業するのに必要な資金を項目ごとに紹介します。

加盟金

フランチャイズに加盟するときに本部に支払うのが加盟金です。便利屋だけでなく、フランチャイズに加盟するときは基本的に加盟金の支払いが発生します。金額はフランチャイズによって異なりますが、便利屋の場合は30万から300万円とかなり幅があります。

たとえば、創業30年以上の実績を誇る便利屋フランチャイズ「ファミリー」の加盟金は30万円です。商圏人口5万人のエリアで開業するプランの場合、135万円の初期費用で開業できるので、費用を抑えて開業したい場合は選択肢に入ります。

保証金

保証金はフランチャイズ加盟時に本部に一時金として預けておくお金のことです。たとえば、ロイヤリティの支払いが遅れたときなどには保証金から充当されます。あくまでも一時金なので、一般的にはフランチャイズ契約を解除したら全額返金されます。

研修費

便利屋フランチャイズに加盟すると、開業前に10日から2週間ほどの研修を受けます。研修を受けるための費用が研修費です。研修は本部で開催されるほか、実際の現場で学ぶケースもあります。研修を受けられる人数も本部によって異なり、上限を超える場合は別途費用が必要になる場合もあります。複数人で研修を受けたい場合は事前に確認しておくようにしましょう。

たとえば、リピート率40%以上を誇る便利屋フランチャイズ「家工房」の研修費は44万円です。ハウスクリーニングや剪定(せんてい)、伐採の技術を10日間で身につけられます。

資機材費

便利屋をスタートするにはさまざまな資材・機材が必要になります。フランチャイズであれば開業時に必要な資機材をキットとして販売しているので、それを購入する形になります。ホームページの制作やユニフォームなども含まれる場合もあり、資機材費はフランチャイズ本部によって異なります。

その他開業費

これまで紹介した費用以外にも、広告用のチラシやユニフォームなどを「その他開業費」として支払うケースもあります。便利屋フランチャイズによって異なるので、加盟前にどんな費用がどれだけ必要になるか確認するようにしましょう。

便利屋フランチャイズの運転資金

資金を抑えて開業できるだけでなく、少ない運転資金で事業を営めるのも便利屋フランチャイズのメリットといえます。ここでは、開業後に必要な運転資金を項目別に紹介します。

ロイヤリティ

本部からサポートを受ける対価として支払うのがロイヤリティです。ロイヤリティもフランチャイズによって金額に幅がありますが、「安いから」という理由だけで加盟するフランチャイズを選ぶのはおすすめできません。サポート内容もフランチャイズによって千差万別で、その内容などによってロイヤリティの額が変わるからです。便利屋フランチャイズに加盟するときはロイヤリティの額だけでなく、サポート内容なども踏まえて決めるようにしましょう。

なお、ロイヤリティは基本的に「変動型」と「固定型」の2種類に大別されます。変動型は「売上の2%」などとその月によって変動する一方、固定型は「月10万円」などと毎月同じ金額を支払います。ロイヤリティについては、「フランチャイズのロイヤリティはなぜ払うの?種類や相場を正しく知ろう」の記事でも紹介しています。あわせてご確認ください。

消耗品費

ハウスクリーニングで使う洗剤や修理に使う部品など、便利屋を運営するには多くの消耗品が必要になってきます。案件によっては消耗品が不要な場合もありますが、売上全体に対する割合として数%から10%程度が消耗品費としてかかるのが一般的です。

車両関連費

便利屋フランチャイズを運営するうえで欠かせないのが車です。ガソリン代はもちろん、案件先で駐車するスペースがない場合は、別途駐車場代が必要になります。保険や車検、車の消耗品などの費用が発生することも頭に入れておくとよいでしょう。

広告宣伝費

便利屋の集客のメインは折り込みチラシやポスティングなどによる広告宣伝です。開業初期はもちろん、開業後も定期的に広告宣伝を実施して新規を集客するのが一般的です。基本的には本部が制作したチラシを使えるので制作費は必要ありませんが、印刷代や配布代は自身で支払います。

紹介手数料

自身で案件を獲得する以外にも、フランチャイズ本部から案件を紹介してもらえるケースもあります。その場合、紹介手数料として本部に手数料を支払います。

便利屋フランチャイズの収入目安

開業する前に気になるのがやはり収入です。便利屋フランチャイズの魅力は、働いた分だけ収入に反映される点です。ほぼ休みなしで働くオーナーもいれば、家族の時間を重視して週休3日や4日で働くオーナーもいます。

2019年に「家工房」のフランチャイズに加盟した大溝オーナーは、オープン初日に2万部の折り込みチラシを配布。1週間にわたって多くの問い合わせが寄せられ、多い日には1日で10件の問い合わせが寄せられる日もあったそうです。その結果、「初月から家族を養えるくらいの収入を得られた」とインタビューで語ってくれました。

その後は基本的に9時から17時を業務時間とするとともに、週2日の休みを確保して家族との時間も充実しているそうです。多いときには週休4日もある一方、「会社員時代と変わらない収入を得ることができている」と話してくれた様子が印象的でした。

また、「ファミリー」が提示している収入目安としては、自宅で開業し、スタッフを1名採用した場合の月の収入は90万円。「ファミリー」では固定型のロイヤリティを採用しているので、稼げば稼いだ分だけ収入になります。詳細な内訳は以下です。

項目 金額
売上 約 150万円
原価 約 15万円
人件費 約 20万円
ロイヤリティ 約 5万円
その他経費 約 20万円
収入 90万円

収入アップ!便利屋フランチャイズに必要な資格

便利屋を開業するときに必要な資格はありませんが、なかには資格を保持していないと受けられない案件もあります。収入アップを目指すためにも取っておきたい資格を5つ紹介します。

古物商許可

掃除や片付けの依頼を受けた場合、掃除だけなら資格は必要ありませんが、不用品の回収やリサイクルも請け負う場合は「古物商許可」が必要なケースもあります。取得の難易度は低く、数万円で取得できるので、収入をアップさせたいなら取得しておくとよいでしょう。

一般廃棄物収集運搬業許可

一般廃棄物を収集・運搬できるようになる資格です。管轄する市町村長の許可が必要となり、取得の難易度は比較的高めといわれています。

産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物を収集・運搬できるようになる資格です。「一般廃棄物収集運搬業許可」が家庭や事業所から出る一般廃棄物を対象としているのに対し、「産業廃棄物収集運搬業許可」は飲食店や工場から出る産業廃棄物を対象としています。

貨物軽自動車運送事業

軽自動車の貨物車両を使って荷主の荷物を配送する事業を「貨物軽自動車運送事業」といいます。貨物軽自動車運送事業をはじめるには、まず運輸支局長への届出が必要です。さらに、軽自動車検査協会で軽自動車のナンバー変更などといった手続きを行なう必要があります。

電気工事士

電気工事士には「第二種電気工事士」と「第一種電気工事士」の2種類があります。第二種は一般住宅や小規模な店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できるのに対し、第一種は第二種電気工事士が行なえる範囲に加え、最大電力500キロワット未満のビルや工場、大規模な店舗などの工事に従事できます。

国家資格のなかでも取得の難易度は低いといわれているため、案件の幅を広げたい場合は取得するのが望ましいでしょう。

便利屋フランチャイズのメリット

基本的には資格が不要で、フランチャイズであれば未経験でも開業できる便利屋には、そのほかにもさまざまなメリットがあります。ここでは便利屋のメリットを4つ紹介します。

1人で開業できる

便利屋の大きなメリットは1人で開業できる点です。スタッフを採用する費用を省けるので、リスクを抑えて開業したい場合にもピッタリ。教育の手間もかからないので、1人でマイペースに開業したい人にとっては選択肢のひとつになります。

初期費用を抑えられる

人件費が必要ないだけでなく、事務所を借りずに自宅で開業できるので初期費用を抑えられる点も大きなメリットです。さらに初期費用を抑えたい人は、初期費用0円で開業できる「ファミリー」の技術コースも選択肢に入ります。

「技術コース」とはフランチャイズに加盟せず、必要な技術やノウハウだけを習得したい人のためのコースです。単体での研修受講が可能で、名称や営業スタイルを自由にできるので、法人・個人を問わず、新規事業をはじめたい人には最適です。なお、ローンを利用すれば自己資金が用意できなくても開業できます。技術コースの研修費は以下です。

ハウスクリーニング:15万円
営繕・日曜大工:15万円
水廻りメンテナンス:10万円
エアコン設置・清掃:10万円
鍵・セキュリティ:15万円
遺品整理:15万円
便利屋の基礎:15万円(※単体での受講は不可)

利益率が高い

便利屋ビジネスは技術職で、売上のほとんどが利益になります。目安としては80〜90%の利益率を目指せます。資格を取得するなどして案件の幅を広げられれば、年収1000万円も夢ではありません。

手に職をつけられる

便利屋の業務は日常のちょっとした困りごとからハウスクリーニングまでさまざまです。資格を取得すればスキルの幅もグッと広がります。手に職を付けられるため、生涯現役で働きたい人にはピッタリなビジネスといえます。

便利屋フランチャイズのデメリット

多くのメリットがある一方、デメリットもあります。最後に便利屋フランチャイズのデメリットを2つ紹介します。ただ、どちらもフランチャイズ加盟することで回避できる確率は上がります。

競合が多い

自宅でひとり開業できるだけでなく、フランチャイズに加盟すれば未経験でも開業できるため、競合も多い傾向にあります。競合がいるエリアで個人開業すると、認知度が低く集客に苦戦するのは容易にイメージできるはずです。一方、フランチャイズならそれまで培ったブランド力を武器に開業初日からある程度は集客できるはずです。

さらに、いまは超高齢化社会で、厚生労働省の推計によると、2025年には75歳以上の人口が全人口の約18%になり、2040年には65歳以上の人口が全人口の35%になるといわれています。便利屋は高齢者を支えるビジネスなので、高齢社会が進むにつれて需要も増えることが予想される点はポジティブに捉えられるでしょう。

幅広い知識や技術が必要

提供するサービスの幅が広い分、さまざまな知識や技術が必要です。個人で便利屋を開業する場合は自身で技術を身につける必要がありますが、フランチャイズであればすべてのノウハウを享受できるため、未経験でも安心して便利屋を開業できます。

ただ、10日や2週間などの研修ですべての技術を身につけるのは不可能なので、開業後も継続してスキルアップが必要です。この点は覚えておきましょう。

便利屋フランチャイズは開業資金を抑えられるので低リスクで起業できる

便利屋フランチャイズは自宅でひとり開業できるため、初期費用を抑えて開業したい人にもピッタリのビジネスです。一方で、収入アップには自身で常にスキルアップする必要がある点も忘れないようにしてください。

成功するか失敗するかは、本部選びからスタートしています。「【徹底比較】便利屋の人気フランチャイズTOP5」の記事で便利屋フランチャイズ人気ランキングTOP5を紹介しています。それぞれを比較しながら、ぜひ選んでみてください。

フランチャイズWEBリポートの幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。

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