安定から拡大へ!リサイクル企業が「グリーン・ポケット」FCで多角化に踏み切ったワケ

幸谷 亮 |2025年07月24日 公開
グリーン・ポケットのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

継続的な収益が期待でき、安定化しやすいと言われているストック型ビジネス。オフィス緑化事業「グリーン・ポケット」もその1つで、2023年には顧客継続率99%という高い実績を誇っています。

この記事では2022年4月に「グリーン・ポケット」のフランチャイズに加盟し、翌5月に1号店となる「グリーン・ポケット飯能店」をオープンさせた株式会社サンワテクノスの鳥居崇代表にインタビュー。加盟の決め手や2号店オープンの経緯などを詳しく伺いました。

長期的な安定が見込めると感じて「グリーン・ポケット」のフランチャイズに加盟

グリーン・ポケットの幸谷 亮

株式会社サンワテクノス 代表取締役
鳥居 崇

株式会社サンワテクノス 代表取締役。2016年にリサイクル事業を手掛ける株式会社サンワテクノスを創業。2022年4月にグリーン・ポケットのフランチャイズに加盟し、翌5月に「グリーン・ポケット飯能店(埼玉県)」をオープン。2024年5月27日に2号店となる「グリーン・ポケット太田店(群馬県)」をオープンしている。

──新規事業として「グリーン・ポケット」のフランチャイズに加盟したとお聞きしています。まずは株式会社サンワテクノスについて教えてください。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

2016年に創業した会社で、メイン事業はリサイクルです。具体的には、自治体から回収されたゴミを資源として再利用できるものとそうでないものに分けるほか、市民の方々が持ち込む不用品の受け入れ対応や分別方法の説明などを行っています。また、グリーン・ポケット事業については、飯能店(埼玉県)と太田店(群馬県)の2店舗を展開しています。

──創業から6年後の2022年4月「グリーン・ポケット」のフランチャイズに加盟した理由を教えてください。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

既存事業であるリサイクル事業の伸びしろに限界を感じていたのが大きなきっかけです。というのも、リサイクル事業は安定した売上がある一方で、自治体の仕事がメインになりますので、どんどん新規の仕事を獲得して売上を積み重ねるような事業ではありません。このままでは会社として大きな成長が見込めないと感じ、新しい柱となる事業を探していました。

──なるほど。他にきっかけはありましたか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

私自身の状況が変化した点もきっかけの1つです。創業当初は私も現場に出ていましたが、社員が経験を積んで仕事を任せられるようになってくると、私が現場にいなくても事業がスムーズに回るようになりました。そこで、「何か新しいことを始められないか」と新規事業を本格的に考え始めました。

──最初からフランチャイズで新規事業を検討していたのでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

はい。フランチャイズであれば本部が培ってきた成功ノウハウやブランド力、サポート体制を活用できるので、未経験の分野でも比較的安心して始められますからね。

──それがフランチャイズに加盟する大きな魅力の1つだと思います。さまざまなフランチャイズがある中で、「グリーン・ポケット」に加盟した理由を教えてください。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

実は、調理師免許を所有しているので、飲食のフランチャイズも検討しました。でも飲食店だと店舗に常駐する必要があり、リサイクル事業で何か問題が起こったときに対処しづらいことが気がかりでした。また、まずはスタッフを雇用せずに私1人でできる事業を探していて、その条件にあてはまるのが「グリーン・ポケット」のフランチャイズでした。

──「1人開業」という点では、ハウスクリーニングや買取店など、ほかにもあてはまるフランチャイズがありそうです。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

確かにそうかもしれませんが、ストック型ビジネスである「グリーン・ポケット」のビジネスモデルに魅力を感じました。一度契約すれば毎月安定した売上が見込めますし、売上の計算もしやすい。単発で売り上げを立てるビジネスとは異なり、長期的な安定が見込めると感じて「グリーン・ポケット」のフランチャイズに加盟することにしました。

地域特性に応じた戦略的アプローチで新規顧客を獲得

──「グリーン・ポケット飯能店」のオープンは加盟翌月の2022年5月です。開業前後の流れや動きについて教えてください。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

開業前は想像以上に大変でしたね。まず、加盟前の20日間の研修が本当に大変だった思い出があります。植物の知識から水やりや剪定といった実作業、トラックへの積み込み方、さらには営業の基礎まで短期間で詰め込むのですが、特に大変だったのが営業研修でした。いきなり知らないビルに飛び込み営業に行ったり、テレアポで1日中電話をかけ続けたり。電話口で怒鳴られたこともありました。

──それは大変でしたね……。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

でも、そういった厳しい内容の研修があったからこそ今があるとも思っています。現場にいきなり1人で出るよりも、プレッシャーのかかる研修の中で実践できたのは良い経験になりました。オープン後は本部サポートの「業務支援制度」を利用し、既存のお客様を引き継がせてもらったので、新規営業はほとんどしませんでした。知り合いの経営者に声をかけたり、紹介してもらったりする形で月に1〜2件ずつ契約を取っていく感じでしたね。

──業務支援制度を利用したということですが、何件ぐらいの顧客数からスタートしたのでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

確か90件弱くらいだと記憶しています。1件あたり月に2回の訪問があるので、単純計算で毎月180回もの訪問が発生する計算です。3年で黒字化し、投資した800万円を回収するまでは1人でやり切ると決意していましたが、慣れない現場作業が想像以上にこたえました。体力の限界を感じ、オープンから半年ほどでリサイクル事業のスタッフに手伝ってもらい、2名体制に変更しました。

──2名体制に変更したことで、どのような変化が生じましたか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

時間的な余裕が生まれたことは大きな変化ですね。1人体制のときは私がすべての現場業務をこなしていたのですが、従業員が1人で現場を回ってくれるようになったことで、私に時間的な余裕が生まれ、新規開拓にも少しずつ手が回るようになりました。

──どういったところに営業をかけるのでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

いくつかパターンがありますが、街中で目についた企業や施設に営業をかけることもあります。車の運転中などに、「ここに植物があったら素敵だろうな」「エントランスが古くて植物が傷んでいるから、新しいものを入れたら雰囲気が良くなるのに」と感じた会社や店舗をメモし、後からインターネットで調べて電話をかけたり、飛び込みで訪問したりします。

──どれくらいの割合で新規の契約につながるのでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

本部のデータだと100件にテレアポして1件契約につながれば良いほうとお聞きしていますが、私の場合は25件にテレアポして1件の契約につながる計算です。手当たり次第に電話するのではなく、事前に絞り込んでからかけるので、意外とアポイントが取れる確率が高いんですよ。飛び込み営業も、テレアポでは断られてしまうような場合でも、直接資料を受け取ってもらえたり、担当者が出てきて話を聞いてくれたりすることがあるので有効です。

──効率良く営業活動できているのですね。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

はい。地域性も考慮して営業活動している点も奏功している理由だと思います。都心部では社員のストレス軽減や健康経営といった“社員のため”のグリーン需要が多いのですが、埼玉県や群馬県など都心部以外の地域では“お客様に見せるため”のグリーン需要が多い傾向にあります。そのため、学校や教習所、あるいはホテルなどのサービス業は特に興味を持ってもらいやすいと感じています。

効率的な顧客対応と事業拡大を目指して2号店をオープン

──フランチャイズ加盟から2年後の2024年5月には、2号店となる「グリーン・ポケット太田店」をオープンしています。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

はい。顧客対応の効率化を目的に2号店をオープンしました。もともと群馬県のお客様が多く、埼玉県の飯能から群馬県まで月に2回訪問するのは想像以上に大変でした。高速代やガソリン代はもちろん、移動にもかなりの時間がかかっていました。知り合いが実家のある群馬に戻ってきていて、ちょうど仕事を辞めようかなというタイミングだったので、「一緒にやらないか?」と声をかけたところ、興味を持ってくれて2号店の店長として加わってくれることになりました。

──そういった背景があったのですね。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

そうですね。本部とも相談して群馬のお客様をより効率的に、かつ手厚くサポートするために、太田市に2号店を出すのが最善と判断しました。飯能店と太田店でエリアを分けることで、スタッフの負担軽減と、お客様へのより質の高いサービス提供を目指している状況です。

──2号店の集客についてはいかがでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

まだ目標達成には至っていませんが、オープンから約1年で着実に伸ばしています。2号店の店長が群馬県内の集客をメインで担当しているのに加え、私自身の業務負担が減り、両店舗の営業活動に力を入れられるようになったことで、2号店も早期に軌道に乗せていけたらと考えています。

──今後の目標について教えてください。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

短期的な目標としては、今年度から来年にかけて2号店を確実に黒字化させることです。そのためにも、群馬の市場特性をさらに捉え、お客様に響くアプローチを強化していく必要があると考えています。

その先に年商3,000万円を達成したいと考えています。コツコツと積み上げていけば達成できる現実的な目標だと考えています。

──その目標を達成するためには、どのようなことが必要とお考えでしょうか。
グリーン・ポケットの幸谷 亮

鳥居代表

単に売上を伸ばすだけでなく、顧客の解約率をいかに低く抑え、新規顧客獲得のペースを上回れるかが重要だと思っています。安定したビジネスとして成長させるためには、継続的な営業活動と、お客様に長くご満足いただけるサービス提供が不可欠です。また、私自身の役割としては、現場を社員に任せつつ、より戦略的に注力できる体制を確立することだと考えています。将来的には、私が現場で動かなくても事業が回るような仕組みを構築し、会社全体の成長を加速させていきたいです。

──ありがとうございました。

取材を終えて

既存のリサイクル事業で収益が安定していながらも、新たな挑戦へと踏み出すなど、鳥居代表の経営者としてのマインドに感銘を受けました。

一度契約すれば毎月安定した売上が見込めるグリーンポケットのようなストック型ビジネスは、長期的な安定を求める方には非常に魅力的です。

しかし鳥居代表のお話からは、「安定」を追求するだけでなく、常に新規開拓やその地域に合わせた営業戦略、既存顧客の維持など、多角的な努力が不可欠であることを教えていただきました。常にPDCAサイクルを回して試行錯誤している鳥居代表なら、2号店の黒字化はもちろん、年商3,000万円も早期に達成されることと確信しています。

グリーン・ポケットの幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。