結婚相談所の仕事とは?カウンセラーの役割・年収・やりがい・独立の可否を解説

インターネットの普及により婚活・恋活などの出会いを提供するマッチングサービスが注目され、多くの人が利用するようになりました。特に、スマホの登場でいつでも連絡がとりやすくなり、インターネットによる出会いや婚活のサービスが拡大する要因になったと言えます。
このような時代背景もあって婚活ビジネスは右肩上がりに成長しています。一方で、ネット上だけでなくリアルの婚活サービスはどうなっているのでしょうか。今回は、結婚相談所とカウンセラーにスポットを当て、仕事内容や役割について紹介します。
出会いの場を提供するビジネスが活況
いつの時代も出会いの場を提供するビジネスは高い需要があります。2020年から続くコロナ禍により、人と直接会う機会が減っている一方で、マッチングサービスへのニーズは高い状態をキープしたままです。
たとえば、会員制オフライン型マッチングサービスの「ToRiCo」は、SNSに頼りがちな現代人におすすめのサービスです。単に異性との出会いを目的にするのではなく、異性に対する姿勢やコミュニケーション能力について学びながら出会いを見つけられるとして人気があります。
また、婚活ビジネスも活況で、市場規模はこの10年ほどで3倍程度まで拡大しています。
晩婚化が進み、少子高齢化が進む日本
日本でよく問題とされている少子化問題は、国を挙げて改善に取り組んでいる大きな課題です。未婚者の増加や晩婚化が、今後ますます国の少子化に深刻な影響を与えていくことが予想されています。晩婚化・未婚化には、女性が経済的に自立できるようになったことや、価値観が多様化したことで結婚よりも自分の趣味に没頭する人が増えたことなど、さまざまな原因があるといわれています。
そして、結婚したくても多忙な現代人は会社と家の往復という生活になり、出会いの場がないと感じている人も多くいます。「仕事は頑張りたいけれど、結婚もしたい!でも出会いの場がない…」そんな風に感じている人が多くなり、最近では婚活ブームが起きました。
少子高齢化の対策は、国や自治体でも積極的な動きを見せています。2007年に「少子化担当大臣」が置かれたことを契機に「婚活・街コン推進議員連盟」や「少子化危機突破基金」などの取り組みも見られます。また、地域活性化と少子化対策は日本国内の喫緊の課題ということもあり、全国各地で自治体主導の婚活支援の動きも活発です。国が地方自治体の婚活支援事業を後押しするために、2021年度予算の概算要求に20億円を計上するなど、晩婚化の抑止と少子高齢化対策への本気度がうかがえます。
婚活ビジネス市場は右肩上がり
婚活ビジネスの市場規模は、2006年には500~600億円でしたが、年々進化を続け需要も拡大し、2015年には2,000億円近くまで、わずか10年で3倍以上も成長したといわれています。また、日本結婚相談所連盟の調査よると、婚活サービスを利用して結婚した人の割合は、2009年が2.9%だったのに対し、2019年は13%と、婚活ビジネスは活況です。さらに、行政では新婚夫婦に住居費や引越し費用の補助金を出しており、婚活や結婚を官民一体でサポートする動きが見られます。
結婚相談所や結婚カウンセラーの役割について

結婚相談所とは、結婚を希望する男女に出会いを提供するサービスです。結婚カウンセラーとは、結婚相談所の中で会員をフォローして成婚に導く人を指します。 まずは結婚相談所と結婚カウンセラーの役割がどれほど重要なのかをご紹介します。
結婚相談所とは?
結婚を希望する男女に向けて、結婚を前提とした出会いを提供するのが結婚相談所の役割です。ひと昔前は、結婚相談所に入るのは結婚できない人、つまり負け組が通う場所というイメージがあったかもしれませんが、現代の結婚相談所には当てはまりません。数万人の会員を抱える結婚相談所もあるほど、利用者数の多いサービスに成長しています。
この背景にあるのは、婚活する時間がない、恋愛経験が少ないなど、現代人特有の問題です。結婚相談所は短期間で条件の合う人と出会うことが可能で、結婚や婚活に対するさまざまな悩みに応えてくれます。
結婚相談所とマッチングアプリ、街コンとの違い
マッチングアプリとは、ネット上で恋人や結婚相手をさがすサービスで、結婚相談所のような充実したサポートは受けられません。自分で条件に合う人を探したり、会う日時を決めたりする必要があります。また、結婚相談所は30代以上が主な利用者層ですが、マッチングアプリは20代がメインです。出会いが目的で結婚までは意識していなかったり、身元の確認が甘かったりする点も結婚相談所との大きな違いです。
街コンとは、全国各地で行われる大規模な合コンのことで、地域ごとにテーマを決めた街コンが開催されています。一度に出会える異性の数が多いものの、条件に合致する異性が見つかるとは言えず、また成婚率も3%と言われるほど低いのがデメリットです。結婚相談所の成婚率が10~20%といわれていることを考えると、街コンで出会って結婚までというのは至難の業かもしれません。出会いのきっかけとなる人脈づくりの1つの選択肢としてとらえるといいでしょう。
結婚カウンセラーの役割
結婚相談所はマッチングアプリほどお手軽に始めることはできませんが、本気で結婚を考えている人しか会員登録しないので、婚活を考えている人にとって最後の砦のようなものになります。そんな最後の砦である結婚相談所の仲人・結婚カウンセラーにも、もちろん大きな役割があります。どれだけ素敵な会員がいても、その人が素敵な出会いをできなければ意味がありません。結婚カウンセラーは会員の希望を聞くだけでなく、会員の魅力をいかに相手にしっかり語れるかが重要です。
結婚カウンセラーは入会者ひとりひとりに寄り添い、励ましながらゴールである結婚に進むいわば相方のような存在になります。ただ人を結びつけるだけではなく、人を本当に思いやる心や、寄り添えるやさしさが結婚カウンセラーには必要といえるのではないでしょうか。 結婚相談所の結婚カウンセラーは、異性を紹介するだけが仕事ではありません。会員が増えるように結婚相談所の宣伝や集客をするのも仕事のひとつです。Webを活用する以外に、チラシの作成や紹介などによる広報活動も行ないます。入会した会員に対しては、結婚に対する考えや希望する相手の条件などのていねいなヒアリングや、会員プロフィールの更新といった管理業務も担当します。
そして、条件の合う会員同士を引き合わせ、成婚までフォローしていくのが結婚カウンセラーの仕事です。なお、結婚カウンセラーの仕事と同様に、結婚を希望する人にサービスを提供する「仲人士」という民間NPOの資格もあります。
カウンセラーのやりがいは?
結婚カウンセラーの最も大きなやりがいと言えるのが、結婚という人生における節目に携われることです。カウンセラーの提案によって最良のパートナーを見つけられたり、成婚できたりすることで会員を笑顔にできますし、会員から感謝されることもあります。一方で、婚活について悩みを抱える会員に適切なアドバイスで背中を押してあげることができれば、会員の婚活に対する姿勢を前向きにできるでしょう。会員とともに歩み成婚が決まった際は、本人同様の感動や喜びを得られるはずです。
カウンセラーに向き不向きはある?
結婚カウンセラーに向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、コミュニケーション能力の高さです。会員の結婚観を聞き出したうえで提案をするため、特に聞き上手な人ほど向いています。会員の特徴や希望から提案するという意味では、分析能力のある人もカウンセラー向きです。
一方で、メンタルが弱い人はカウンセラーには向いていません。相手のある仕事だけに、会員からの相談やクレームに応えなければならないため、強いメンタルが必要です。
カウンセラーの年収は?
結婚カウンセラーの年収は、働き方によって大きな違いがあります。まず、カウンセラーとして独立開業した場合の年収は430万円程度が目安です。ただし、この金額は入会金や月会費、成婚が決まった際の成功報酬などで大きく上下します。一般的な相場と比べながら、各項目の金額を設定しましょう。
次に結婚相談所の社員として働いた場合は、給料収入として年間240万円、そして実績に応じた成果報酬が加算されることが多いようです。
どちらが良いのかは、働き方や価値観の違いによるところも大きいので、じっくりと検討する必要があるでしょう。
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結婚カウンセラーの独立は難しい!?

結婚をサポートする結婚カウンセラーとして仕事をしてみたい、独立をしたいと考えている方もいるでしょう。しかし、結婚相談所は独立が厳しい職種でもあります。この項目では、結婚相談所がなぜ独立が厳しいと考えられているのか、また、どんな開業方法があるのかをご紹介いたします。
どうして婚活カウンセラーとしての独立は厳しいのか
結婚相談所は登録者の個人情報をしっかり管理することが必要です。そのため、新しくできた結婚相談所だと信頼できるのかがわからず、会員者数が伸び悩むという傾向にあります。登録者が来てくれても、紹介できるような会員がいないと結婚相談所としての意味はありません。人と人を結ぶ職業である結婚相談所では、会員数と人脈が非常に重要です。独立を考えている方は、まず十分な人脈が手に入るかを考えてみましょう。
実際に独立した人の声を見ても、最初から問題なく成功したというのは少数派です。たとえば「事務所を借りて独立した当初は売上がなくて家賃を支払うのが大変だった」「予想以上に集客に苦労した」といったように、思惑通りのスタートができなかった人が多くいます。また「会員様との信頼関係を築く重要性になかなか気づけなかった」という話もあり、開業前のイメージと現実にはギャップがあるようです。
結婚カウンセラーとして独立するのはなかなか難しいようですが、ポイントを押さえとくことによって成功に近づけます。詳しくはこちらから確認してください。
人脈がなくても結婚カウンセラーとして独立する方法
人脈はないけど、どうしても結婚相談所で独立をしたいという方もいるでしょう。そんな方は、結婚相談所のフランチャイズに加盟するという方法があります。大手の結婚相談所ならしっかりとした知名度とブランド力があり、信頼性も高く、登録者が登録しやすい環境が整っています。また、既に登録されている会員と新規で登録した会員を結ぶこともできますので、最初から紹介できる人が多く、初めから1人で始めるよりはずっと成婚率が高くなります。
FAQ:結婚相談所・カウンセラーに関するよくある質問
ここでは、結婚相談所とカウンセラーに関するよくある質問を紹介します。
未経験でも結婚カウンセラーになれますか?
未経験でも結婚カウンセラーになれますし、独立開業も可能です。結婚相談所を開業する方のほとんどは、他の業界から参入しています。ただ、人と話すことが重要なので、さまざまな人生経験を積んできた方ほど成功しやすい業界です。
人の世話をするのが好きな方、事業を成功させるために努力を惜しまない方ほど結婚相談所の仕事に向いています。モチベーションも大切ですので、物事を前向きに考えられる思考の方も向いているでしょう。反対に、お金儲けに走りがちな方、人付き合いを好まない方には向かない仕事です。
結婚相談所の収益性をお教えください
どのようなビジネスであっても簡単にもうかる仕事はありませんが、結婚相談所を独立開業で営む場合、価格設定は自由に決められるので、やり方次第で収益を見込める事業ではあります。しかし、サービスに見合った価格設定でなければ会員は集まりません。まず、顧客満足度を高めることが先で、その結果収益を得られると考えたほうが良いでしょう。
結婚相談所開業後にぶつかる壁はありますか?
結婚相談所の開業後に立ちはだかる大きな壁が集客の難しさです。開業しても問い合わせがほとんどない、問い合わせがあっても入会に至らないというケースもあります。前者は効果的な宣伝ができていなかったのが原因で、後者はサービス内容と価格がマッチしていなかったのが原因です。問題が起きても対処法は必ずあるので、壁にぶつかったときほどチャンスだと考えて改善に向けて行動できる方ほど、この業界で成功しやすいでしょう。
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