「代理店展開」の仕組みや構築方法を詳しく解説!メリット・デメリットなども紹介

フランチャイズWEBリポート編集部 |2020年11月01日 公開 (2021年05月27日 最終更新)
「代理店展開」の仕組みや構築方法を詳しく解説!メリット・デメリットなども紹介

企業や店舗の事業拡大の選択肢として、代理店展開を検討することもあるでしょう。代理店があることで更なる顧客獲得や対応エリアの拡大につながるため、積極的に代理店を展開したいものです。近年では、働き方改革に伴い副業・兼業(パラレルワーク)を推進する流れが加速しており、代理店になりたいという人が増加しています。

今回は、代理店制度の仕組み・分類や募集方法について解説します。代理店展開のメリット・デメリットについても、あらかじめ分析しておきましょう。

代理店展開とはどんなもの?

代理店展開とはどんなもの?

まずは代理店展開がどのようなものかをご紹介いたします。

代理店展開とは

代理店とは商品・サービスの提供元(本部)と顧客をつなぐ仲介役で、提供元に代わって販売・営業活動を行なうビジネスパートナーです。商法では「代理商」として位置づけられており、業務の遂行にあたっては本部とは雇用関係を持たずに代理店契約を締結します。

代理店は、契約形態によって「販売店」「特約店」「取次店」などさまざまな形態があります。例えば、街中の携帯電話販売店は通信キャリアのブランド名を掲げて営業していますが、実際に営業しているのは代理店契約を結んだ法人です。なお、商材によっては個人事業主も代理店契約を結ぶことができます。

代理店契約を活用することで、本部は低コストで販路を拡大できます。営業エリアを熟知した代理店によるきめ細かな対応も期待できるため、スケールメリットを活かしながら効果的に代理店を展開している企業が多いのが特徴的です。

代理店展開は、商品開発と営業の分業化にも効果を発揮します。本部が優れた商品を開発したとしても、販売ルートが確立されていなければ売上に結びつきません。最近では、販管費を節減する目的で営業拠点を閉鎖・統合する動きもみられます。手薄である営業部門を外部のビジネスパートナーで補う事例も少なくありません。

代理店の仕組み

代理店契約とは、外部のビジネスパートナーに本部が展開する商品・サービスを販売できる権利(販売権)を与え、本部の代わりに販売・営業を行なってもらう契約です。顧客に商品・サービスを販売するのが代理店の目標ですが、本部から新規代理店(二次代理店)の開拓を求める場合もあります。

したがって本部は、単純に販売権を与えるだけでは目標に到達することができず、新たな代理店が売り上げを得るための支援と、既存代理店の業績アップの両方を行なわなくてはなりません。

副業が解禁されたことで代理店になりたいというニーズは高まっていますが、売り上げを得るには本部と代理店が歩み寄って成長することが必要不可欠です。

代理店の商材例10選

代理店が取り扱う商材は多岐にわたります。人気のある商材を10個まとめてみました。

・個人向けブロードバンド回線の加入・切り替え促進
・キャッシュレス決済システムの導入提案
・店舗向けWi-Fi機器の設置先開拓
・惣菜の定期配送サービスの契約先開拓
・個人宅や法人への新電力切り替え提案
・太陽光発電パネルの設置提案
・スマートスピーカーの設置先開拓
・プロパンガス代節減の提案
・火災保険の申請サポート
・店内BGM機器の設置提案

代理店展開とフランチャイズ展開の違い

代理店に似たような制度として、フランチャイズ、ライセンス、暖簾分け、ボランタリーチェーンなどが挙げられますが、特に似ている制度はフランチャイズではないでしょうか。ここでは、代理店展開とフランチャイズ展開の違いを紹介します。

代理店の形態

本部と顧客の橋渡し役を務める「代理店」ですが、営業活動の進め方や業務範囲の違いによってさまざまな形態に分かれています。代理店を募集する際は、代理店の形態を明確化しておく必要があります。

販売代理店

本部が取り扱う商品・サービスを顧客に提案し、顧客のフォローや売買契約まで引き受ける形態です。売買契約が成立後に、販売手数料として報酬が得られます。自動車などの高額商品や美容・健康系といった高い信頼性を求められる商品を扱う代理店を、正規代理店(認定代理店)と区分する場合もあります。

紹介店

本部が取り扱う商品・サービスを顧客に提案するまでを担当し、契約手続きは本部が担当します。契約が成立したら紹介手数料として報酬を得られますが、比較的業務負荷が軽いため副業として選ばれることが多い代理店形態です。

取次店

本部を代行して商品・サービスの受付を行ないます。宅配便やクリーニングの受付が代表的で、輸送や洗濯といった具体的なサービスは本部あるいは委託業者が実施します。顧客フォローも商品説明程度で、業務負荷は比較的軽いです。

特約店

独占販売権を得るなど、本部と特別な契約を結ぶ形態の代理店です。携帯電話や電機メーカー・ガソリンスタンドが代表例で、競合他社の商品を置けない代わりにメーカーロゴなどを使用できるメリットを得られます。

総代理店

本部機能の一部を委託された代理店で、他の代理店のとりまとめ役を担うのが特徴です。代理店募集に携わるケースも少なくありません。

フランチャイズとの違い

フランチャイズ展開と代理店展開では、本部が店舗運営に関与する度合いが大きく異なります。

フランチャイズ展開の場合は店舗経営のノウハウをはじめ、商標(ブランド)の独占使用権や取り扱う商品・サービスなどをパッケージとして提供を受けられます。本部のサポートが手厚く、業界経験がない人でも新規参入しやすいのが特徴です。商品・サービスの売上はフランチャイズ加盟店に入金されますが、売上の一部をロイヤリティ(パッケージの使用料)として本部に支払う義務が生じます。本部との統一感を強く求められる一面もあるため、経営者としての裁量が制限される場面もあるでしょう。

一方、代理店展開では本部から商品・サービスの供給を受けますが、具体的な販売方針は代理店に一任されます。商品知識の研修を受けられる場合はありますが、取り扱う商材に関する基礎知識や自己研鑽の努力が代理店に求められるのが特徴です。特約店や取次店を中心に、一定の条件で商標の使用が許諾される場合もあります。商品・サービスの売上は本部に入金され、契約で定められた割合の手数料が本部から代理店に支払われます。代理店の裁量が広い分、専門性などで差別化を図ることで高収益を目指せるでしょう。

代理店とフランチャイズの違いをまとめてみました。

代理店 フランチャイズ
初期費用 比較的少額 高額な場合がある
サポート 必要最小限 事前研修などもあり手厚い
収益性 販売スキルによって変動 ネームバリューで高収益を目指せる
自由度 高い 制約がある

初期費用やロイヤリティの違い

フランチャイズ契約では開業当初から本部からのサポートが手厚い分、初期費用は高めです。数百万円の初期費用を求められるケースも少なくありません。開業後も店舗運営を続ける限り、契約で定められた割合のロイヤリティを本部に納める義務があります。

一方、代理店契約では販売プロセスに本部が立ち入らないため、初期費用が少なくて済みます。手数料の支払いを受ける立ち位置なので、ロイヤリティは発生しません。代理店会への加入を求められる場合はありますが、ロイヤリティと比べるとわずかの負担です。

自由度の違い

フランチャイズ契約では本部からノウハウや商品・サービスに関する情報を豊富に得られる代わりに、本部の方針に従って店舗を運営する義務を求められます。営業時間や取扱商品に関する裁量は低めで、店舗独自のキャンペーンも制限されることが多いです。本部の方針に違反すると判断された場合には、契約を解除されるリスクも潜んでいます。

一方、代理店契約では営業手法や経営方針に関する判断が契約者に一任されています。代理店独自のキャンペーンを企画して商品や代理店自体の宣伝効果を高めたり、自宅の一室を事務所にしたりするなど運営の自由度が高いのがメリットです。複数の商材を取り扱う代理店も少なくありません。ただし、売上などへのノルマが課される分だけ経営努力が求められる点には留意しておきましょう。

代理店募集前に知っておきたいメリット・デメリット

代理店募集前に知っておきたいメリット・デメリット

代理店展開を行なう前に、代理店の種類やメリット・デメリットも知っておきましょう。

代理店展開のメリット

代理店展開には大きなメリットがいくつもあります。

販路拡大が可能

代理店展開の最大のメリットは販路拡大ができるということです。代理店を活用することで、自社だけでは難しいユーザー層へのアピールや販促に繋がることがあります。

固定費が上がらずに済む

企業を経営する中で固定費はなるべく抑えたいもの。そこで、代理店展開であれば固定費が上がらずに事業を拡大することができます。自社で営業できる人の採用や育成をする必要がないので、人件費を抑えることが可能です。

新たな知識を得ることができる

代理店を通して新たな知識や経験が得られることもメリットの1つです。今まで自社だけでは知ることができなかった地域性や顧客の違いによるニーズ、対応方法などを得ることができ、新たな利益に繋げられます。

代理店展開のデメリット

では反対に代理店のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

競合他社を増やす可能性がある

代理店に販売・営業を依頼することで、代理店が本部のサービスや商品と類似したものを自社製品として取り扱うようになる可能性があります。代理店は販売などを行なううちに、本部の商品やサービスの長所や短所、改善点を把握することになります

もし本部が扱っているものが自社でも開発可能だと分かった場合、類似した商品の販売が行なわれるかもしれません。商品について詳しいだけに、厄介な競合相手になることが考えられます。

代理店に依存する可能性がある

商品やサービスの販売を代理店に頼ることで、代理店に売り上げが依存してしまうことがあります。他に取り扱っている商品やサービスがない場合は本部に力がありますが、もし本部の商品を扱わなくてもいいと代理店が判断した場合、契約終了になり売り上げがいきなり減少することになります。

このような事態を避けるには、あらかじめ直販にも力を入れておくこと、有力な代理店を複数維持するなどの対策が必要になります。

代理店展開の募集方法について

代理店展開の募集方法について

副業解禁の流れや在宅勤務による通勤時間短縮に伴い、副業として代理店をやりたいという人材も増加傾向です。ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査2021」によると副業・複業ワーカーが812万人、経済規模は約6.8兆円でした。フリーランス全体では経済規模が約28兆円、営業職として働く自営業系独立オーナーは全体の2割近くにのぼっています。

代理店への関心の深まりがうかがえますが、実際に代理店募集をかける場合には、どのような方法があるのでしょうか。最後に代理店展開の方法をご紹介いたします。

代理店の募集方法

大手・上場企業でも、代理店募集サイトを活用する事例が増えてきています。

自社サイトに代理店募集を掲載する方法もありますが、検索エンジンの掲載順位などの関係で代理店になりたい人に募集情報が行き渡らない可能性があります。説明会の開催などに伴う時間や人件費などのコストもかかりがちです。

一方、フランチャイズWEBリポートBizmatchなどの代理店募集サイトを活用することで、代理店になりたい人に募集情報が伝わりやすくなります。代理店展開ではなくフランチャイズ展開に興味がある場合も、代理店募集サイトから募集をかけることができます。

代理店募集のサイトへ登録することで、以下のようなメリットが得られます。

効率よく募集できる

代理店募集サイトは代理店募集をしている企業と、代理店になりたいと考えている法人・個人とのマッチングの場です。最初から代理店になりたいと考えている人ばかり集まるため、効率よく募集活動を推進できます。

全国規模でスピーディーに募集できる

代理店募集サイトを利用すると、登録したその日から全国規模で募集をスタートできます。募集活動するための出張の手間とコストが省ける上、優れた代理店と出会える可能性が広がります。

商材の魅力を最大限にアピールできる

代理店募集サイトの例としてご紹介したフランチャイズWEBリポートでは、代理店募集をかける際、サービスや商品の売りや代理店としての魅力を最大限にアピールすることができます。複数の代理店を紹介しているからこそ、他社と比較した際のポイントがはっきりわかります。

代理店展開でコストを割きたくないなら、代理店募集サイトを活用しよう

代理店展開でコストを割きたくないなら、代理店募集サイトを活用しよう

代理店展開を行なおうとしても、実際には思うように応募が来ないと悩んでいる企業が少なくありません。自社だけの力で代理店を募集しようとしても、時間や費用など多くのコストがかかるのが現実です。

一方、独立・開業や副業に関心を持つ人も増えています。収入を増やしたい、あるいは自分の能力を活かせる場で働きたいなどのニーズが高まっています。フリーランスの経済規模も年間28兆円以上にのぼっています。

代理店になりたいという潜在ニーズを掘り起こし、優れた代理店と出会うために代理店募集サイトを有効活用してみてはいかがでしょうか。

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