株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役川上 健一郎
2015-09-28 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

現メガフランチャイジーの生の声にも密着!多店舗展開をする上で必要になる知識

 このコラムのポイント

フランチャイズオーナーになって一国一城の主になる・・そして更なる高みを目指すのなら。メガフランチャイジーになることも検討しておきたいところです。そこで、現メガフランチャイジーの本音も交え、成功するために必要な知識をお届けします。

フランチャイズWEBリポート編集部


はじめに

私もフランチャイズコンサルタントという仕事柄いわゆるメガフランチャイジーと言われる方々とお会いさせて頂く機会を多く頂きます。

フランチャイズに加盟する方とお話しする時に「将来どうなりたいですか?」と伺うとよく言われるのは「できれば多店舗展開をしていきたい」と言われます。

その多店舗展開の成功者がメガフランチャイジーと言われる方々です。
メガフランチャイジーの上場会社もあるくらいですから、メガフランチャイジーという名称を効かれた事がある方も多いかと思います。今回はそのメガフランチャイジーという方々にフォーカスして、お話させて頂ければと思います。

ではまずメガフランチャイジーとは何なのかいうところからお話して行きましょう。

メガフランチャイジーとは

メガフランチャイジーとは「加盟店部門の店舗数30店舗以上か、または加盟店部門の売上高20億円以上のフランチャイジー」の事をメガフランチャイジーと言います。

わかりやすく言うと大きく成功しているフランチャイズ加盟店のことですね。

私はフランチャイズコンサルティングと言う仕事の性質上、メガフランチャイジーになっている経営者の方々共お会いする時に良く、

「御社が多店舗展開できた大きな要因は何か?」
「店舗や従業員が増えた上でのお悩みは何か?」
「多店舗展開を行って行くにあたり必要なスキルは何があるか?」

などを多くの経営者の方々に聞いてきました。
そんな事を今回はお伝え出来たらと思います。

現メガフランチャイジーが成功できた理由

では、まず「御社が多店舗展開できた大きな要因は何か?」という事からなのですが、これをお伺いした時に多く頂いたお話としては
「1つ目に加盟した本部が優秀な本部だったという事が大きな要因だ」と言う方が多かったです。

中には「私は運がいいんですよ」と言われる方もいらっしゃいましたが、では本部を選別する段階で「どのような事を意識してそこに加盟を決めたのか?」と伺うと学習塾等で成功されているメガフランチャイジーの場合は、「学生時代に学習塾での講師経験があり、なおかつ成功体験があった」という方等もいるように過去の成功体験があるかとそれに近い業態でスタートしている方も多かったです。

現メガフランチャイジーの本部選びのポイントとは

また、「本部を選定する場合の基準は何か?」というと

1.本部の代表の考え方に共感でき価値観があうかどうか?
2.そのビジネスでの競合他社との明確な差別化があるか?
3.本部側がオーナーの多店舗展開を推奨しているか?
4.店舗数が一定基準を超えているか?

などの声が上がりました。

3などは、大手コンビニチェーン等も昔の1オーナー1店舗から、1オーナー複数店舗に方向性をシフトしたように本部によっては複数店舗展開を推奨しており、複数店舗展開する事によるメリットを提唱している本部等を選択した方が多店舗展開を目指しやすいのは間違いないと思うからなのだそうです。

多店舗展開を行うことならではのお悩みと改善方法

また、「店舗や従業員が増えた上でのお悩みは何か?」、「多店舗展開を行って行くにあたり必要なスキルは何があるか?」などの質問で多く回答を頂いたのは、スタッフのマネジメント面と業務の再現性という部分でした。

というのも、マネジメント面に関して店舗が増えれば増える程、スタッフも増える為コミュニケーションもしかり、会社の方向性や社長の考え想い等を伝える事がなかなか難しくなるということはほとんどのオーナーから上がったお悩みでした。

そう言った部分では、店舗や事業所の臨店を行い、会食を徹底していると言うオーナーも多くいらっしゃいましたが、私が印象に残ったのは録画した動画を使ったマネジメントですね。

録画した短い時間の動画を全社員に送り、社長の考えや想いを伝えて行く。
そうする事で考えや方向性を常に整えているというオーナーもいらっしゃいました。

業務の再現性の部分に関しても、非常に参考になりましたね。
多店舗展開を開始するには、業務の平準化、誰でも同じように出来るスキルが必要になります。

そう言った部分では、誰がどの店舗に配置されてもすぐに仕事にかかれるように机の中身から書類の並び方からは全て統一していたり、様々なチェックリストを作成し、業務機経験者でもそのチェックリストを見たら業務ができるようにしていたりといった誰にでもできる仕組みをもっているメガフランチャイジー企業が多いのが印象的でした。

終わりに

あと印象的だったのは、メガフランチャイジーになっている方の多くは最初から多店舗を展開するつもりでスタートしているという事です。

もちろんまず1店舗をしっかり立ち上げる事が重要ですが、どのタイミングでどのようになっていたら2店舗目を出店しようという計画は最初から自分の中であったと言われる方が多くいらっしゃいました。

そう言った部分では、なるべくしてなったと言う方が正確なのかもしれません。参考になりましたら幸いです。

株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

福岡県嘉麻市出身。久留米大学法律学部卒在学中、学費や生活費を全てアルバイト代で捻出するため、株式会社光通信関連企業にて営業職に従事し、そのまま就職。その後家業の造船業を経て、2001年長谷川興産入社。加盟店開発の統括責任者として入社当時の200店舗から800店舗までを牽引。退社後は、コンサルティング会社を経て「日本のフランチャイズビジネスの成功率を10%引き上げます!」をミッションに2008年にディライト・ジャパン設立。現在、全国様々なフランチャイズ本部の本部支援コンサルティングを実施。