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2016-01-07 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役
川上 健一郎 |
約4000店の成功と失敗を見たコンサルタントが語る!独立前に準備すること3つ
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このコラムのポイント
起業して成功するためには、様々な準備が必要です。では具体的に何を準備すべきか?ということをフランチャイズに通じた経営コンサルタント、川上健一郎氏が解説します。自身でビジネスを立ち上げたいという方も、フランチャイズを活用して独立したいという方も独立起業前にやるべきことの見直しをしておきましょう。
フランチャイズWEBリポート編集部
起業前に知っておけばよかった!と思うことをコンサルが解説
皆さんこんにちは。本日は独立する前に準備しておく事は?というテーマでお話できればと思います。
私も早いものでフランチャイズコンサルタントとして独立して、7年が経過しました。独立して5年後に継続している確率が15%、10年後は6%という現実を考えれば良く生き残ってきたなぁと思っています。
では私が、独立する前に万全な準備をしてから独立したかと言うと、残念ながらあまりしっかりした準備をする間もなく独立しました。したがって、独立当初は非常に苦労もしましたし、家族にも苦労をかけました。
そう言った部分では、今考えると非常にお恥ずかしい話ですが、よく独立したなぁと思う程です(笑)
そう言う意味では、今回どちらかと言うと、もし7年前に私がコンサルタントという形ではなく実業を始めると考えた場合、知っておく事ができれば非常に助かるなぁ、または知っておきたかったなぁという事をお伝えできればと思います。当たり前だと感じられる事も多いかと思いますが、宜しくお願いします。
独立する上で準備すべきことといえば、下記の3つにまとめられると私は考えます。
1.事業計画、キャッシュフロー計画について
2.お金に関わることについて
3.経営者としての心構えについて
1.事業計画、キャッシュフロー計画について
まずは、事業計画についてです。 独立開業をこれから行う方の事業計画を私も仕事柄拝見する事があります。かなり細かな計画を創られている方もいらっしゃいます。ここでいう計画とは事業計画やキャッシュフロー計画のことを言う訳ですが、私自身もそうでしたがなかなか計画通りにはすすまないのが商売です。
チラシのレスポンス率一つ、お客様1客単価一つとっても計画してきたものと実績は変わってきます。そう言った部分では、常に計画と実績を検証し対処方法を考えて行かなければなりません。
そこで、知っておいてほしいのはいくら準備をしても、いくら計画を立ててもふたを開けてみると違うことがあるケースが当たり前だということと、そこを如何にクリエイティブに解決できるかが非常に重要になるということです。
そのためには、常にもし計画通りにならなかったらこのカードを切って行くというように次の手を持っておくということが大切です。
この点に関して抜けがある方が非常に多いという印象があります。
例えば、フランチャイズで独立した方は、本部のSVに「こんなことが発生するなんて聞いていない。だからどうにかしてくれ!」なんて他責なことを言っているかもしれません。
ただ、フランチャイズに加盟していても最終的に責任をもつ経営者は自分自身です。なんやかんや言っても責任を取るのは自分なわけですから、他責なことを言うよりも「こういうことが起こった。私はこういう対策を考えているけどどう思う?」位は最低限自分で考えて行動していけるくらい日々数字とにらめっこするべきだと思います。
2.お金に関わることについて
次にお金まわりに関してです。
私はコンサルタントという仕事の特質上、特に事業融資を受けて準備をという事はありませんでしたが、実業を始めるのなら資金調達や助成金、補助金の受給などに関しても知識が持っておいて頂いた方が良いかと思います。
そこで言えるのは、借り入れの額に関してです。
一般的には借金というとあんまり良いイメージはないと思います。
ただし、商売を自分で始めるという事はお金を準備できる力も運営していくにあたって必ず必要になります。規模をこれから大きくして行こうと思えば必ず必要になるスキルです。
もう一度言います。必ず必要になります。
大多数の方は借金のイメージが良くないため、どちらかと言うと資金調達する際に計画ギリギリしか借りません。
そうなるとちょっと計画がずれただけでキャッシュがきつくなってきます。
ここでのポイントは、開業した後1年〜2年は当然実績にもよりますが資金調達はやり難いということです。
その為、私は「借りれるときに借りといた方が良いと思いますよ。」
とお伝えしています。
人によっては借りた金額で事業が運営できる所まで借りている方もいらっしゃいます。借りる事さえできれば、返すのはいつでも返せます。
ここは是非実行してみてください。
3.経営者としての心構えについて
あとは心構えについてです。
皆さんにお尋ねしたいのは、「長時間労働できるか?」ということです。
通常の会社員は1年で約2000時間働くそうです。
1日8時間、52週、週休2日という計算になるかと思います。
ただ、独立開業した人が上記の会社員の方々と同じように仕事をして、会社員の方々以上の結果を求めるというのは現実的ではないかと思います。
もちろん、そのような方もいますし目指すのは良いでしょう。
ただそこにたどり着く前には必ず長時間労働が必要な期間が必要になります。
ランチェスター戦略では、必勝の3200時間、圧勝の3700時間と言います。
そう言った部分では、3200時間ですと、だいたい週休1日で52週×1日10時間(8時〜19時)できると必勝。3700時間ですとだいたい週休1日で52週×1日12時間(8時〜21時)できると圧勝ということになります。
これは私も経験しましたが、「これがいつまでも続く訳がないので、今のうちに頑張ろう!」っということで乗り切ってきました。
そう言った部分では、石の上にも3年と言いますが、3年間長時間労働をする心構え、覚悟を決めて行動できるか?というのは非常に大切ではないかと思います。やるなら最初にやった方が後々楽になりますから早い方がオススメです。
まだまだお伝えしたいこともありますが、まずはこの3点意識して実践してみて下さい!