株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役川上 健一郎
2016-07-05 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

フランチャイズ研究家が語る!社員独立制度を活用するメリットとデメリット!

 このコラムのポイント

飲食店やコンビニなどで多くあるこの制度。そもそも制度の中身とはどんなものか。月収はどのくらいが見込めそう?にも触れつつ、メリットとデメリットについて解説いただきます。

フランチャイズWEBリポート編集部


近年増加している社員独立や暖簾分け制度

みなさん、こんにちは。
ディライト・ジャパンの川上です。

今回は、社員独立の制度に関してお話していければと思います。

このフランチャイズの業界でのれんわけや社員独立制度といえば、以前から有名なのはカレーのCoCo壱番屋さんや来来亭さん、日本海庄やさんなどの飲食業の企業が導入しているケースが多いですね。私が住む福岡でいうと、ラーメンチェーンの一風堂さんも社内独立制度を導入されています。

まず、社員独立制度を導入する本部はここ数年増えてきています。

では本部にとって社員独立制度、暖簾分け制度を導入する理由、いわゆるそのメリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょう。

社員独立制度、暖簾分け制度の本部側のメリット

・ 事業運営に必要な仕組み、システムを習得させる為の十分な期間ができる。
・ 独立させるにあたって自社事業の経営に必要なスキルやノウハウを教育する事が出来る。
・ 一定期間社員で雇用するため本部との間家性が作りやすい
・ 将来的には独立したいという仕事への意識が高めの方が社員として入ってくることで組織の活性化に繋がる。
・ 本当に独立させて大丈夫な方なのか見極める為の十分な期間と機会ができる。

代表的なメリットは上記になるのではないでしょうか?

そう言った意味では、自社の事業を運営するのに必要な運営スキルやノウハウの習得させる十分な期間を儲けることにより、開業後の運営をスムーズにできるというのは非常に大きな本部側のメリットでもあり、加盟側の安心材料ではないかと思います。

独立する前に本部側の考え方社風に触れることが出来るというのは安心材料ですし、実際社内に入ることで本部との関係性が構築出来るというのは大きなメリットでしょう。

では逆にデメリットとは

本部側のデメリットというのは、既存の社内のスタッフを社員独立制度で独立させていく場合は別として、新規で独立希望の方々を受け入れる場合は、やはり一定期間雇用をしていく必要がありますので、ある程度その方々が活躍出来る場を要していかなければなりません。

そう言った部分では結構経営体力がある本部でないとなかなか導入し難い仕組みであるということが一つ挙げられるます。また、独立させることが出来ない場合もででてきますのでそう言ったケースも考えて設計する必要が出てくるでしょう。

加盟する側のデメリットについても同様に、一定期間独立するまでの準備期間が必要になるというのは、捉え方によってはデメリットにあたるのではないと思います。またその期間中はいわゆる修業期間中にあたる部分になりますのでその期間中の収入面はあまり期待出来ません。修行中に収入があるというのは非常にメリットではありますが期間が長過ぎる場合はデメリットと言えるでしょう。

事業と収入のバランスが大切

ちなみに私も20歳代の頃あるチェーン店で暖簾分け制度を活用して独立したいと真剣に検討した一人ですが、私がネックに感じていたのは収入面でした。

私の場合は経済的な事情もあり、断念しました。ですが今考えると、修行して独立はしたいが収入も欲しいというのは、虫のよい話ですね(笑)

また、このような社員独立制度、暖簾分け制度を活用して大きな収益をあげられている加盟店企業も良く伺います。

そう言った意味では、将来の大きな発展の為に一定期間本部に入り込んで仕事をする事が出来るというのは加盟希望者側としても安心材料も多く、非常に良い仕組みだと思いますのでしっかり活用して頂ければと思います。

株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

福岡県嘉麻市出身。久留米大学法律学部卒在学中、学費や生活費を全てアルバイト代で捻出するため、株式会社光通信関連企業にて営業職に従事し、そのまま就職。その後家業の造船業を経て、2001年長谷川興産入社。加盟店開発の統括責任者として入社当時の200店舗から800店舗までを牽引。退社後は、コンサルティング会社を経て「日本のフランチャイズビジネスの成功率を10%引き上げます!」をミッションに2008年にディライト・ジャパン設立。現在、全国様々なフランチャイズ本部の本部支援コンサルティングを実施。