2011-09-26 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
高木仁 |
加盟契約、開業準備 ~失敗しない独立、開業~
このコラムのポイント
いよいよフランチャイズ契約を考えようという方におすすめのコラムです。これからのステップについて、開業準備に当たって気をつけておきたいことなどがまとまっています。
フランチャイズWEBリポート編集部
FC加盟契約
加盟契約までのステップ
FC加盟の意思を固め、加盟候補が絞られてきたら、事業説明会や個別相談会への参加、トップ面談へと進んでいくことになります。説明会や相談、面談を通じて、加盟契約に向けた具体的な準備を進めるわけですから、情報収集や質問事項の整理、伝えたいことの明確化など、事前準備をしっかりと行っておく必要があります。
説明会や相談会では、本部の方針や事業内容・支援体制の確認、加盟店舗の視察、開業に向けた資金計画の相談などが行われます。自身の考えや事業計画と照らし合わせ、本当に適した本部なのか、無理なく事業が進められるのか、詳細に確認していきます。
最終的にはトップ面談を行い加盟するかどうかを決定します。自身が本部を見定めていると同時に、本部からも加盟者として相応しい人物かを見られていることを意識しましょう。
契約における留意点
加盟希望者は、契約締結前にFC契約書の内容を十分に理解しておかなければなりません。しかし、FC契約書は長文で複雑なので一読してもなかなか意味を理解できません。そこで、契約締結前には必ず法定開示書面の交付・説明を受けて、契約内容を十分に理解するようにしましょう。なお、法定開示書面のポイントについては「デキル本部の見つけ方 第1回」を参考にしてください。
契約を締結する際には、FC契約書の説明、読み合わせを受けます。本部から十分な説明、読み合わせが受けられないのは論外です。必ず読み合わせを行い、少しでも不明な点は徹底的に確認をしましょう。また、冷静に判断できるように、契約書を受け取った当日に署名・捺印するのではなく、いったん持ち帰り、十分に確認・考える期間を取りましょう。事前に受け取った法定開示書面や、自身で立てた事業計画をもう一度確認し、契約内容を十分に理解、納得してから署名・捺印するようにしましょう。
開業準備
開業に向けた準備
開業日には、他の加盟店を利用したことのあるお客様から、全く初めてのお客様まで、多くの新規顧客が来店・利用します。新しく開業した店がどんな店なのか興味を持っており、ここで商品・サービスに満足すればリピート客になります。また、口コミで評判を伝えてくれて、さらに多くの客が訪れることにもなります。逆にここで失敗してしまえば、その店舗の評判を落とすだけでなく、FCチェーンのブランドに傷をつける可能性もあります。開業は非常に大事なタイミングです。絶対に成功させるために、しっかりと準備することが大事です。
開業に向けてやるべきことはたくさんあります。資金調達、店舗建設・内外装工事、備品調達・搬入、開業前研修、従業員採用・研修、プロモーション活動などです。また、開業直前にはオープニングセレモニーの準備も平行して進める必要があります。このころになると実戦さながらの超繁忙期に突入し、徹夜も覚悟の気が抜けない状況になります。体調管理にも十分注意する必要があります。
スケジュール管理
開業までの準備を滞りなく進めるためにはスケジュール管理が重要です。本部からは開業までのスケジュール案が提示され、開業に向けた支援も受けられます。しかし、自分の店舗を開店させるわけですから、自己責任において、加盟者自身で管理していかなくてはなりません。本部から提示されるスケジュール案をもとに、自身でスケジュール化し、管理していく必要があります。開業前の1~3ヶ月は慌ただしくなり、直前の繁忙期になると時間単位でのスケジュール管理も必要になります。
スケジュール管理のポイントは以下のとおりです。
- 開業に向けてやるべき項目を洗い出す
- 各項目の実施責任者、担当者を決める(特に本部と加盟者との役割分担を明確にすることが重要)
- 開業日からさかのぼって、各項目がいつまでに完了すれば良いか、どれくらいの期間が必要かを整理し、開始/終了の日付を決める
- 3. と同時に各項目間の開始/終了の関係に気をつける
- 日々、進捗状況を把握し、必要に応じて見直しを行う
スケジュールのイメージ