2012-03-05 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
山崎泰央 |
加盟店訪問から見るデキル本部の見つけ方
このコラムのポイント
フランチャイズで独立するにあたって、実際に加盟しているオーナーの店舗を訪問することは加盟検討を進める上で有効な手段です。このコラムには加盟店訪問のアポイントはどうするのか?、どのような点に気をつけて見ていけばいいのかなどの答えがあります。このコラムは、資料請求や事業説明会参加をされた方向けのコラムです。
フランチャイズWEBリポート編集部
1.加盟店訪問とは?
加盟店訪問とは、実際にフランチャイズ加盟を希望する際、営業している加盟店に訪問して、店舗状態を見て、加盟店オーナーや従業員の方に話を聞くことです。実際の店舗を見聞きすることによって、加盟後の成功の秘訣を探る大きなチャンスになります。フランチャイズ加盟を決定するにあたっては、必ずやっておきたいステップです。
加盟店訪問には、二つの場合があります。フランチャイズ本部(以下本部)から紹介された店舗に行く場合と紹介されていない店舗に行く場合です。本部から紹介された店舗に行く場合は、訪問日時の調整なども本部が行ってもらえることもあり、加盟店オーナーの協力のもと、店の裏側まで見聞きすることが可能になります。紹介される店舗は、比較的成功している店舗ですので、ぜひとも成功の秘訣を聞いてみましょう。
一方で、紹介されていない店舗にも数店舗行ってみましょう。事前に電話等で連絡して、加盟店オーナーにお会いすることもチェーンの実態を見聞きするのに有効です。本部から紹介された加盟店オーナーからさらに紹介を受けることも得策です。
また、機会があれば直営店にも行ってみましょう。直営店を見るとフランチャイジーに求めている運営面のレベルが分かります。本部の店舗運営力を検討するのにも、良い材料になるはずです。もし思った以上にレベルが低かったり、お客に喜んでもらえていなかったりする状態ならば、加盟を見合わせることも必要です。
訪問の回数ですが、同じ店に2度、3度と行くことも有意義です。繁忙時・閑散時、平日・土日など、客数の違いとその際の運営状態を観察していくことで、より一層加盟後のイメージを高めることができます。
2.加盟店訪問で見てみること
加盟店訪問時に見ておきたいことは、2つあります。ひとつは、店舗の運営レベルです。加盟前ですので、細かいことは分からなくても、お客の立場で見ることができれば十分です。繁盛度、店舗入口の状態、入店時の挨拶、店内のクレンリネス、接客、従業員の雰囲気など、お客の立場でその状態を見てみましょう。
そして、2つめは、自分がそこで働いていることをイメージできるかです。同じユニホームを着て、作業や接客ができそうですか?お店の運営によって、お客に喜んでもらえているイメージが持てますか?イメージが持てなかったり、なんらかの拒否感を感じたりする場合、ご自身には合っていないフランチャイズの可能性があります。
3.加盟店訪問で聞いてみること
加盟店訪問で必ず聞いてみたいチェック項目です。
チェック項目 | |
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売上と利益は計画通りか? | |
投資額はどの程度か? | |
黒字化するまでの期間はどの程度か? | |
原料費、人件費の率は何%か? | |
店舗や知り合いの店舗では、現在売上が伸びているか? | |
開店前のフランチャイザーの研修体制への満足度はどうか? | |
開店後のフランチャイザーの支援体制への満足度はどうか? | |
新商品、新サービスの開発に熱心であるか? | |
開業後の苦労・失敗にはどういうものがあるか? | |
仕事のやり甲斐はどこにあるか? | |
成功の秘訣はなにか? | |
今後の事業や経営の見通しはどうか? | |
フランチャイザーへの率直な感想 | |
本部紹介以外の加盟店の紹介(2〜3店程度) |
チェックしたいのは、
- 本部の加盟資料がどの程度実際に即しているかを確認する
- 本部の加盟店に対する姿勢・体制を確認する
- 加盟店の成功の秘訣、今後への期待を確認する
ことです。
これらのチェックを複数の本部で実施するとチェーンの実力差もはっきりしてきます。
店舗の開発担当者の言葉よりも、加盟店の言葉の方が真実に近い場合も多いものです。本部と加盟店の言葉が大きく違うことが多い場合、本部にその旨を問い合わせることも必要です。実際に、この加盟店訪問がうまくいくと、加盟への気持ちが相当に高まります。訪問した店舗には、加盟後の相談ができるように連絡を続けていきましょう。