「コンビニ経営はするな」と言われる理由は?コンビニ経営の実態や成功のコツも紹介
フランチャイズの代表的な業種の1つに、コンビニエンスストアがあります。しかし、加盟店オーナーとフランチャイズ本部との間でトラブルが報道されることがあり、コンビニエンスストア経営に対してマイナスのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、コンビニ経営の実態について紹介します。
コンビニ経営ってやめたほうがいいの?
コンビニ経営は、独立開業や脱サラの代名詞として知名度のあるフランチャイズですが、なぜ「辞めたほうがいい」とまでいわれてしまうのでしょうか。以下に解説します。
【結論】コンビニ経営は失敗する可能性もある
コンビニ経営に対して、「簡単に始められるビジネス」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし、どんなビジネスにも当てはまりますが、コンビニ経営は「100%成功する」ビジネスではありません。実際には、オーナーの向き不向きが大きく影響するビジネスといえます。
ただし「絶対に失敗する」ビジネスでもない
「簡単に始められるビジネス」というイメージとあわせて、「フランチャイズ本部に搾取されるビジネスである」というイメージを持たれやすいことも、コンビニ経営の特徴かもしれません。
しかし、本部から搾取されるといったイメージは、ほとんどのケースで誤解といえます。実際にコンビニの新店舗をオープンさせる際は、フランチャイズ本部も、「ブランドイメージが悪化する可能性がある」や「教育コストがかかる」といったリスクを背負うことになります。そのため、失敗する可能性が高いと判断した立地やオーナーでは、本部は開業を許可しないことがほとんどです。コンビニ経営で成功するためには、フランチャイズ本部とオーナーが二人三脚で成功に向けて努力していく、という考え方が大切といえるでしょう。
ここがツライよコンビニ経営【あるある】
以下では、コンビニ経営が大変だといわれる要素について紹介します。
人手不足が深刻?
コンビニ経営に限った話ではありませんが、少子高齢化の進行によって人手不足に陥る傾向にあります。加えて、24時間営業や複雑な業務内容などがネックとなり、採用の募集に苦労する店舗もあるようです。近年では、外国人労働者の雇用数を増加させたり、時短店舗を拡大させたりするなど、解決に向けた動きが活発化しています。
労働時間が長い?
コンビニオーナーは労働時間が長い、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際に、コンビニオーナーの労働時間は、一般的な会社員やアルバイトの方と比べて長い傾向にあります。
経済産業省がコンビニオーナーに行なったアンケートによると、週2日以上休めているオーナーはわずか7%で、1日の店頭対応時間が12時間以上のオーナーは、29%にものぼるという結果になりました(画像内)。原因としては、先述のような人手不足を補う目的や、スタッフの人件費を抑える目的で、オーナー自らが長時間労働を行なうケースなどが挙げられます。
いまいち稼げない?
コンビニオーナーの平均年収について、具体的な情報はありませんが、およそ600~700万円程度といわれています。しかし、実際には年収300万円前後のオーナーが存在することも事実です(画像内:経済産業省調べ)。ただし、年収の水準に関しては、地方か都市部かによって求められる金額が異なることもあり、単純な年収額だけで稼げる・稼げないを判断するのは早計かもしれません。
競合他社とのシェアの奪い合いが激しい?
競合他社とのシェア争いが大変なことも、コンビニ経営の特徴です。とくに地方では、コンビニの近くに別のコンビニが出店する、といったような競争が激化しています。大手コンビニ3社の出店スピードは以前に比べて緩やかになってきており、各地でコンビニが飽和状態となる可能性も否定できません。また、都市部ではコンビニ各社で共存路線が進んでいます。それぞれが弁当やスイーツ・コラボ商品などで特色を打ち出しており、目的や商品によってコンビニを使い分ける、という形で利用している顧客も増えてきているようです。
フランチャイズ本部に搾取される?
そもそもフランチャイズとは、本部からさまざまなサポートを受けられる代わりに、売上の一部をロイヤリティとして本部に支払う仕組みです。また、開業の際には数十〜数百万円のフランチャイズ加盟金が必要となります。フランチャイズ本部から受けられる主なサポートは、以下のとおりです。
◆従業員採用の支援
◆広告宣伝の代行
◆専門スタッフ(スーパーバイザー)による運営支援
これらのサポート内容が、加盟金やロイヤリティと釣り合っているかどうかは、オーナー自身の感覚や担当する本部スタッフの質にも左右されます。そのため一概に「コンビニ経営はフランチャイズ本部に搾取されることが多い」とはいえません。
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じつは魅力いっぱい!なコンビニ経営
マイナスなイメージも強いコンビニ経営ですが、一方で、コンビニ経営だからこその魅力も数多くあります。以下では、コンビニ経営の魅力について紹介します。
都市部でも地方でも安定需要!
コンビニは現代の日本人にとって、生活インフラとしてなくてはならない存在になっています。そのため、コンビニ経営が軌道に乗れば、地域密着型のビジネスとして2世代以上にわたって、店舗を運営できる可能性もあります。また、コンビニは都市部でも地方でも安定した需要があるため、比較的、経営を軌道に乗せやすいという魅力もあります。
自分のお店だから伸び伸び働ける!
コンビニオーナーは、いわば一国一城の主です。オーナーとして自ら店舗を切り盛りするため、伸び伸びとした心境で働くことができます。もちろん、商品やスタッフの管理などに関して、気を使う場面も多くあります。しかし、自らの努力や工夫が直接収益につながるやりがいは、一般的な会社員では得難いものといえるでしょう。
多店舗化で高収益を狙える!
コンビニ経営は、1店舗の運営が軌道に乗れば、そのノウハウを活かして複数店舗の展開がしやすいことも魅力です。各店舗でスタッフを共有するなど、リスクの分散を図ることもできます。複数店舗を展開するコンビニオーナーのなかには、年収が数千万円を超える方もいるなど、多店舗化によって高収益を狙いやすい業界といえるでしょう。
パートナーや家族といっしょに働ける!
コンビニのフランチャイズ本部によっては、家族での開業を歓迎している場合もあります。夫婦で店舗を切り盛りすることはもちろん、将来的に店舗を子供に引き継ぐといったことも可能です。
コンビニ経営で成功するためのポイント
実際にコンビニオーナーとして成功するためには、以下で紹介する3つのポイントについて押さえておく必要があります。今後コンビニ経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
スーパーバイザーとの関係を良好に保つ
コンビニのフランチャイズ本部には、スーパーバイザー(SV)という、店舗の運営をサポートするための専門スタッフが在籍しています。スーパーバイザーは、オーナーとフランチャイズ本部をつなぐ窓口になってくれるほか、本部からの具体的なサポートをくれる存在でもあります。そのため、スーパーバイザーと良好な関係を築くことができれば、サポート面で有利になることも多いといえるでしょう。
基本を徹底する
コンビニ経営で成功するためには、店舗を運営するうえで基本的なことを徹底することが大切です。たとえば、清掃がきちんと行き届いていたり、商品の陳列が丁寧にされていたりするほか、接客の品質が高いことも要素として挙げられます。このように、サービス業における基本を徹底することが、成功への第一歩であり近道でもあります。
コンビニは競合が多いため、「顧客に選ばれる理由を作る」こと以上に「選ばれない理由を作らない」ことが重要なポイントです。
直営店や既存店を引き継いで開業する
直営店や既存店を引き継いで開業することも、コンビニ経営で成功するための方法の1つです。近年では、全国のコンビニで後継者不足が問題となっています。店舗運営が軌道に乗って売上が安定しているコンビニでも、オーナーの高齢化によって閉店を余儀なくされる場合もあります。そのような店舗を引き継いで開業することで、既存の顧客も引き継ぐことが可能です。そのため、売上が早い段階で安定しやすく、コンビニ経営を軌道に乗せやすいといえるでしょう。実際に既存店舗を引き継いでコンビニを開業したい場合は、一度フランチャイズ本部に相談してみることがおすすめです。
コンビニオーナーに向いている人ってどんな人?
ここまでコンビニ経営におけるポイントを紹介してきましたが、実際にコンビニ経営に向いている人はどのような人なのでしょうか。以下で詳しく解説します。
経営者として自覚を持って行動できる人
コンビニオーナーは、1人の経営者として自覚を持って行動できる人に向いています。フランチャイズ本部からのサポートが受けられるとはいえ、店舗の成否はオーナーの頑張りに大きく左右されます。経営者としてしっかりと責任を持ち、正しい経営判断を下せる人がオーナーとして相応しいといえるでしょう。
マニュアルどおりに経営できる人
コンビニのフランチャイズには、数千~数万店分のノウハウを盛り込んだマニュアルが用意されています。コンビニ経営は、本部のマニュアルに沿って店舗運営できる人のほうが、成功する可能性は高いといえるでしょう。反対に、自由に店舗を運営したいという人には、コンビニ経営はあまり向きません。
まとめ
コンビニ経営は、絶対に儲かるビジネスというわけではありません。経営が軌道に乗るかどうかは、オーナーの能力に左右されるほか、運が影響することもあります。それを踏まえても、コンビニ経営はメリットも多く、やりがいのあるビジネスであるといえるでしょう。
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