介護フランチャイズでの開業・運営に必要な資金って?気になる年収も考察します

フランチャイズWEBリポート編集部 |2024年07月31日 公開 (2024年08月31日 最終更新)
フランチャイズWEBリポートのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

少子高齢化が進む日本において、社会貢献度が高い事業のニーズは今後も根強い需要があると予想されています。なかでも、介護事業は注目されており、フランチャイズ開業できるブランドも増加しています。フランチャイズは自力での開業に比べて費用面が抑えられるなどのメリットもあるので、新たに介護事業を始めたいと考えている方は検討してみてもよいかもしれません。今回はフランチャイズで介護事業を始める際の資金や年収について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

介護フランチャイズでの開業に必要な資金

フランチャイズブランドによって開業資金は異なります。ここでは、フランチャイズでの開業で必要になる資金について、3種類の介護フランチャイズの開業資金とあわせて紹介します。

開業費用はおよそ1000~2000万円ほど

介護施設には、デイサービスや老人ホームなどさまざまな種類があります。どのような介護施設を経営するのか、種類だけでなく施設規模によっても必要な資金は大きく変わります。

訪問介護を始めとした「訪問型」は一般的に500~1,000万円が相場です。一方、デイサービスなどの「通所型」は800~1,500万円がボリュームゾーンとされています。とくに高額になりやすいのが、老人ホームなどの「入所型」です。入所型は1,000~1億円以上になるケースもあり、資金的な観点から、経営したい施設の種類とじっさいに経営できる施設にはギャップがあるかもしれません。

<デイサービス:BPリハデイの開業費用目安>

項目 金額
加盟金 約200万円
内外装費 約550万円
研修費 約30万円
その他開業費 約480万円
初期費用合計 約1,260万円

※定員25名モデル

<訪問介護:樹楽・にじむすびの開業費用目安>

項目 金額
加盟金 約200万円
内外装費 約50万円
研修費 約100万円
その他開業費 約150万円
初期費用合計 約500万円

<夜間個室対応型デイサービス:ブルーミングケアの開業費用目安>

項目 金額
加盟金 約500万円
内外装費
研修費
その他開業費 約1,290万円
初期費用合計 約1,790万円

介護フランチャイズでの開業にかかる費用内訳

なぜ介護事業の開業に多くの資金が必要なのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、必要になる費用の内訳について解説します。

加盟金

フランチャイズに加盟する際に必要なのが加盟金です。介護事業の加盟金は主に開業や経営ノウハウの提供、人材確保、サポート、広告などさまざまな目的に使われており、円滑な経営に欠かすことができません。一般的に介護事業では、100~500万円が加盟金の相場とされており、フランチャイズ本部によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

物件取得費・内外装費

介護事業所はそれぞれの種類に応じて設備基準が設けられています。簡単にそれぞれの業態で必要な設備基準を紹介します。

デイサービス

・食堂及び機能訓練を行なう場所
・相談室
・事務室
・静養室
・トイレ
・浴室
・その他、機能訓練器具や送迎車等

訪問介護

・事務室
・相談室
・その他、備品・設備

居住介護支援事業所

・事務室など事業運営に必要な専用区画
・相談室及び会議室
・設備・備品

以上のように、介護事業所には必要な設備基準が設けられており、基準を満たさねば運営することができません。そのため、施設によって費用にも大きな差があります。

設備費

浴室や厨房を導入する場合、多くの資金が必要です。フランチャイズによっては物件取得に関するサポートや本部負担プランを導入していることもあるので、気になるフランチャイズブランドがある場合は確認しておきましょう。デイサービスでは500~1,500万円、訪問型介護では200万円ほどで済むなど、差が大きいので資金面から業態を選ぶことも検討してみるとよいかもしれません。

研修費

研修費は経営に必要なノウハウや、従業員への指導方法などを学ぶのに必要な費用です。フランチャイズブランドによっては、介護実習を設けていることもあります。なお、研修費は加盟金に含まれていることも多く、研修費という名目での支払いはないケースもあります。研修費の相場は50~100万円とされており、開業前だけでなく開業後に定期研修を行なう本部もあるので、研修内容を事前に確認しておくとよいでしょう。

介護フランチャイズの運営費用

介護フランチャイズには、開業後にもさまざまな費用が必要です。こちらでは、介護フランチャイズに必要な運営費用の内訳について解説します。

ロイヤリティ

ロイヤリティとは、フランチャイズブランドの使用やサポートを受ける対価として、毎月の売上から本部に支払わねばならない費用のことです。およそ売上の5~10%が相場とされていますが、毎月〇万円など固定で定められていることもあります。また、売上によってロイヤリティの割合が変動するところもあるので、加盟前に必ず詳細を聞いておくことをおすすめします。

広告分担金

広告分担金は、フランチャイズ本部が加盟店に変わって広告施策を打つために必要となる費用です。広告はインターネット広告・チラシ・SNSなどさまざまな種類があります。フランチャイズは知名度があるブランドの看板をそのまま利用することができるので、高い集客力がありますが、広告と合わせることでさらに集客力を高められるでしょう。フランチャイズによって、広告分担金が必要なかったり、ロイヤリティに含まれていたりするケースもあります。

システム利用料

フランチャイズ本部によっては、スタッフの管理や介護報酬の請求手続きなどが効率化できるシステムを導入していることがあります。当然、システムには改修や保守などのコストがかかるため、加盟店がそういった費用の一部を負担することがあります。それが「システム利用料」です。なかには、システムを導入しているにもかかわらず利用料を徴収していないケースもありますが、そういった場合は加盟金やロイヤリティに含まれています。

人件費

介護施設には設備基準だけでなく、業態ごとに細かな人員の配置基準があります。かかる人件費も業態によって異なりますので、下記の表を参考に概算してみてください。

特別養護老人ホーム

職種 人数
施設長 1人
医師 入居者数に応じて必要な人数
生活相談員 入居者数100人、またはその端数が増えるごとに1人以上
介護職員・看護師・准看護師 3人につき1人以上
栄養士 1人以上
機能訓練指導員 1人以上
その他職員 施設の実情に合わせた人数

有料老人ホーム

職種 人数
管理者 1人(兼務可)
生活相談員 要介護者等(100):生活相談員(1)
看護・介護職員 要支援者10人につき1人以上
要介護者3人につき1人以上
※看護職員は30人までは1人、30人超は50人ごとに1人
機能訓練指導員 1人以上(兼務可)
計画作成担当者(介護支援専門員) 1人以上(兼務可)

グループホーム

職種 人数・条件
管理者 常勤で専従の管理者が必要
※3年以上認知症の介護従事経験があり、厚生労働大臣規定の研修を修了していること
介護従業者 日中:3人につき1人以上
※常勤換算
夜間:ユニットごとに1人
計画作成担当者 事業所ごとに1人以上(介護支援専門員が最低1人以上)

デイサービス

職種 人数・条件
管理者 1人以上(常勤)
生活相談員 サービス提供時間に応じ1人以上
※専従
看護職員 単位ごとにサービス提供時間に応じて専従が1人以上
介護職員 ※常時1人以上の配置が必須
利用者15人以下:常勤換算で1人以上
利用者15人超:1人+利用者16人から5人につき1人以上
機能訓練指導員 1人以上

訪問介護

職種 人数・条件
訪問介護員 常勤換算で2.5人以上
サービス提供責任者 利用者40人に対して1人以上
※一定要件を満たす場合は50人に対して1人以上
管理者 1人(常勤)

賃料

賃料は通所型か訪問型かで大きな差が発生します。できれば、月の売上の5~15%程度だと安定した経営がしやすいでしょう。とくに、通所型の介護施設は利用者がどれだけ快適に過ごせるかが重要です。設備が充実しているだけでなく、十分な広さを確保することも忘れないようにしましょう。

介護フランチャイズの年収目安

具体的に介護のフランチャイズではどれくらいの年収が得られるのか、気になっている方も多いことと思います。ここでは、業界全体的な年収の目安と、開業費用の目安として紹介したフランチャイズブランドの年収事例を解説します。

月々100~200万円の安定収益を狙える可能性も

フランチャイズ本部の試算では、毎月の営業利益を100~200万円と試算しているケースが多くなっていました。介護事業は国からも重要と見なされており、売上の大部分が国からの補助金となる制度ビジネスでもあります。また、介護ビジネスは利用者さえ集まれば毎月一定の売上を確保しやすいことが特徴です。そのため、月々100~200万円と高い収入を安定して得られる可能性が高いといえるでしょう。

<デイサービス・BPリハデイの月間収益モデル>

項目 金額
売上 456万円
ロイヤリティ 29万8200円
その他経費 288万5000円
月間営業利益 137万6800円

※あくまでシミュレーションであり、開業後の収益を保証するものではありません。

<訪問介護・樹楽・にじむすびの月間収益モデル>

項目 金額
売上 270万円
人件費 150万円
光熱費 1万円
ロイヤリティ 13万3000円
その他経費 28万円
月間営業利益 77万7000円

※あくまでシミュレーションであり、開業後の収益を保証するものではありません。

<夜間個室対応型デイサービス・ブルーミングケアの月間収益モデル>

項目 金額
売上 745万2,000円
人件費 372万2,000円
賃料 60万円
光熱費 24万円
減価償却費 11万7,000円
ロイヤリティ 30万円
その他経費 119万3,000円
月間営業利益 128万円
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