パン屋の人気フランチャイズ4選!ベーカリーを開業するならどこがおすすめ?【2024年最新】
日本人の主食といえば米ですが、現代は食生活が欧米化し、パンの消費量が非常に多いことをご存じでしょうか。日本人の食に今やパンは欠かせない存在となっており、高級食パンをはじめ、さまざまな人気パンブランドも誕生しました。パンはビジネスとしても注目を集めており、これからパン屋を開業したいならフランチャイズでの開業もおすすめです。今回はフランチャイズの人気パン屋や、フランチャイズ開業について必要な知識を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
パン屋の市場規模や将来性
パン屋の市場規模
「矢野経済研究所」の調査によると、過去5年間における日本のパン市場はほぼ横ばいで推移しています。2017年以降の5年間、メーカー出荷金額ベースの売上では1.5兆円台をキープしており、コロナ禍でもっとも低い数値となった2020年でも1.51兆円と、大きな減少は見られませんでした。コロナ禍以降は再び増加傾向にあり、パン屋の市場規模は基本的には常時、安定していると言えるでしょう。
日本人は米とパンどちらを食べている?
現代では食の簡便化志向が強まり、家庭で米を炊飯する割合が低下しています。農林水産省の調査でも、米の消費量が減少しており、1962年度のピーク以降は1人あたりの118.3キロだったのに対して、2022年度にはピーク時の半分以下の50.9キロと発表されていました。また、総務省家計調査によると2010年から2013年にかけて米とパンの消費金額はほぼ同じだったものの、2014年以降はパンの消費金額がトップになっています。昭和から平成にかけてパンの生産量が急激に増加していたことからも、パンの人気が高まっていることがうかがえます。近年はパン以外にも麺類やオートミールなど、さまざまな主食にも注目が集まっており、食の多様化が進んでいくでしょう。
パン屋の将来性
農林水産省の調べによると現代の日本では、働き方が多様化したことを受け、孤食が定着しつつあるとされています。割合としては週の半分以上、1日の食事すべてを1人で食べている人は15%にも上るようです。米に比べてパンはすぐに食べられる手軽さから孤食に適しており、今後もパンには安定した需要があると予想できるでしょう。
ただし、日本は小麦の約9割を海外から輸入しています。近年は物価高に加え、円安や原油価格の高騰、輸送コストの増加による価格高騰には注意が必要です。今後はパン屋でも生き残りの激化が考えられるため、トレンドを押さえた商品開発や独自性がパン屋経営を成功に導く鍵となるでしょう。
パン屋をフランチャイズで開業するメリット
自力開業ではなくフランチャイズでパン屋を開業することに疑問を覚えている人もいるかもしれません。フランチャイズでの開業には、自力開業にはないさまざまなメリットがあります。
本部からのサポートやノウハウの提供がある
フランチャイズ店では、初心者でも経営ができるような支援制度が整っているのが大きな特徴です。未経験者でも安心して経営できるような研修制度も設けられているため、自力での開業に比べ、フランチャイズでの開業は準備期間が短く済みます。また、調理方法や接客、商品提供など、本部からの経営ノウハウやサポートがあるので、自力開業に比べて安心感も得られるでしょう。店舗によっては冷凍の生地を焼くだけでスキルが不要なブランドもあり、誰でもすぐに仕事を覚えられるような制度が整っていることもあります。
仕入先の確保
自力開業では、仕入先についても自分で開拓をしなくてはなりません。安定して仕入れができるようになるには、取引先との信頼関係を築くことも重要であり、場合によってはなかなか仕入先が見つからないこともあるでしょう。しかし、フランチャイズなら本部から仕入れ先を確保してもらえます。フランチャイズ本部である企業の信頼もあり、まとめて仕入れを行なうことで、仕入れ値を安く抑えられることもメリットです。
人気店の看板を使える
フランチャイズは人気の既存店と同じ看板を使えるので、知名度が高い状態で開業できることもメリットです。有名店であれば話題性が高く、あまり宣伝をしなくても高い集客力が得られる可能性も高くなります。また、有名店は信頼性も高く、消費者が安心できることも強みになります。
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パン屋をフランチャイズで開業するデメリット
反対に、フランチャイズ開業ならではのデメリットもあります。後悔しないよう、メリットだけでなくデメリットについてもよく考えておきましょう。
加盟金とロイヤリティが発生する
フランチャイズ開業は自力開業とは違い、本部に加盟金とロイヤリティを支払う必要があります。とくに、ロイヤリティは毎月の売り上げから一部を支払う制度を取っているブランドが多く、せっかく大きな売り上げがあっても、全額利益にならないことに不満を感じる人もいるかもしれません。しかし、ロイヤリティは本部の運営やサポートで必要なことに使われるものなので、フランチャイズには欠かせないものです。加盟金やロイヤリティの金額はブランドによって異なるため、加盟前によく確認するようにしましょう。
経営に関する制限がある
本部の方針に従って経営するのがフランチャイズです。そのため、同じ看板を使っている他の店舗と差が出ないように注意しなければなりません。勝手に新しい商品の提供をしたりサービスを提供したりすることは基本的にできないと考えましょう。そのため、自由な経営をしたい場合は制限が煩わしく感じる可能性があります。ブランドによってはオーナーが一部の裁量を任されることもあるので、気になる場合は事前に問い合わせておきましょう。
他店や本部からの悪い影響も受ける
知名度があることで、本部や他店が不祥事を起こした際の影響にも注意が必要です。たとえば、他店で不祥事があった場合、同じブランドに加盟しているだけで、消費者から悪い印象を持たれる可能性があります。フランチャイズに加盟する際は、信頼できる本部を選ぶことで、万が一の際も親身に相談に乗ってもらえるでしょう。
パン屋のフランチャイズ開業にはどれくらい資金が必要?
じっさいにフランチャイズでパン屋を開業する場合、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。こちらで開業と運営にかかる資金を簡単に説明します。
パン屋のフランチャイズ開業資金
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 300万円 |
保証金 | 50万円 |
研修費 | 50万円 |
店舗取得費 | 500万円 |
内外装費 | 200万円 |
その他備品代など | 50万円 |
合計 | 1,150万円 |
あくまでも上記は目安です。店舗の規模や加盟先によって、大きく変動します。居抜き物件や移動販売形式などの店舗では、200万円程度から開業できるブランドもありますので、詳しくは興味があるブランドの本部に確認してください。
フランチャイズのパン屋にかかる運営資金
月売上200万円の場合
項目 | 金額 |
---|---|
ロイヤリティ | 20万円 |
人件費 | 40万円 |
賃料 | 20万円 |
原材料費 | 50万円 |
その他備品等 | 10万円 |
収益 | 60万円 |
あくまでも上記は目安です。店舗の形態や加盟先によって大きく変動するので、事前に加盟したいブランドの収益モデルをよく確認してください。
パン屋の経営に必要な資格
パン屋の経営にはさまざまな資格が必要です。そこで、必須の資格についてこちらで紹介します。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を取り扱う店舗に最低1名以上の設置が義務付けられている資格です。取得方法は各都道府県が実施する講習を受講し、修了書を受領することで取得できます。試験などは受講先の都道府県によって異なりますが、それほど難易度が高いわけではありません。そのため、しっかり講習を受ければ問題なく取得できるでしょう。また、受講も1日で終わるので、早めに取得しておくことをおすすめします。
防火管理者・防火対象物使用開始届出書
収容人数30人以上かつ火を用いる店舗の場合、防火管理の責任者である「防火管理者」の設置が義務付けられています。なお、資格は「甲種」と「乙種」に区分されており、防火対象物の範囲が異なります。どちらを受講するかで講習時間や講習内容が異なるので、事前によく確認しておきましょう。なお、受講後は所轄の消防署で「防火・防災管理者選任(解任)届出書」を提出しなくてはなりません。また、開業前には、「防火対象物使用開始届出書」も必要です。
飲食店営業許可
店内にイートインスペースを設置する場合などに必要なのが、「飲食店営業許可」です。他業者が製造したサンドイッチなどを自分のお店で販売する、またはパンを切ったり卵を焼いたりする調理工程が必要なサンドイッチを販売する場合にも必要です。飲食店営業許可は保健所に申請書や必要書類を提出して申請しなくてはなりません。なお、申請には1万6,000~1万9,000円程度必要になるので、忘れないように準備しておきましょう。詳しくは所轄の保健所に確認してください。
菓子製造業許可
「菓子製造許可」は、食品衛生法で定められた営業許可が必要な営業許可業種の32業種のひとつです。パン・ケーキ・餅菓子・飴菓子などを製造し、販売や店舗営業を始めるときに必要になる許可で、取得するには管轄の保健所に申請しなくてはなりません。なお、2021年6月施工の食品衛生法改正によって、従来よりも規制が緩和されました。
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持っていると嬉しい資格・認定
必須ではないものの、あると便利な資格もあります。必要に応じて、取得を目指してみるのもおすすめです。
パン製造技能士
パン製造技能士はパン作りの高いスキルを持っていることを証明する国家検定です。パン屋の開業に必須の資格ではありませんが、所有していると高い技術力があることを証明できるので、顧客からの安心感につながるでしょう。パン製造技能士の資格は2級・1級・特級の3つに分かれていて、受験するためには次の実務経験が必要です。
・2級:2年以上の実務経験
・1級:7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
・特級:1級合格後5年以上の実務経験
その他の資格
パン製造に関する知識や技術を証明する資格や認定として、「パンコーディネーター」や「パンシェルジュ」などもあります。どちらも必須の資格ではありませんが、取得していることでパン教室やセミナー開講に必要なスキルを身に付けることができます。取得しておくことで、パン屋としての説得力を上げることができるでしょう。パンが好きな人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
フランチャイズ開業の流れ
フランチャイズ開業の流れを事前に把握しておくことで、スムーズな開業に繋がります。ここでは、開業の流れを簡単に紹介しますので、開業を目指している人はぜひ覚えておいてください。
①市場調査と情報収集
まずはトレンドやフランチャイズ加盟できるブランドについて調べます。トレンドを押さえておくことで、どのブランドが流行に敏感なのかを知ることができるでしょう。また、興味があるブランドを見つけた場合は、じっさいに店舗に足を運んで商品や接客について知ることもおすすめです。
②加盟先の決定
より具体的に加盟を検討する段階になったら、説明会などに参加して興味がある本部を絞り込んでいきましょう。直接本部の人に質問ができるので、疑問点をまとめておくと聞き忘れが生じにくくなります。本部の方針に共感できるかなど、多角的に検討していくことが大切です。
③事業計画の策定
加盟先が決まったら、事業計画を策定しましょう。事業計画書は借入をする際にも必要です。自己資金だけでまかなうのが難しい場合は、具体的かつ説得性のある事業計画を立てることが重要です。不安や疑問がある場合は、本部に協力を要請するとよいでしょう。
④店舗づくりと研修
出店先が決まったら、店舗の内外装工事が始まります。工事期間中は研修を受けて、実技や経営のノウハウを得ることになります。場合によっては、スタッフの育成も必要になるので、業務を教えられるように集中して研修に取り組みましょう。
⑤開業
準備が整ったらいよいよ開業です。開業後も本部と連携して、よりよい店舗づくりをしていきます。ブランドによっては定期的に研修会が開かれたりスーパーアドバイザーが店舗を訪れたりするので、悩みがあれば相談してみるとよいでしょう。
フランチャイズ加盟できる人気パン屋TOP4
最後に、じっさいに加盟できるフランチャイズのパン屋を4つご紹介します。これから加盟を考えている方は、気になるブランドがあればぜひ資料を請求してみてくださいね。
順位 | ブランド名 | FC開始年 | 自己資金目安 |
---|---|---|---|
1位 | デイリーヤマザキ | 1977年 | 220万円以上 |
2位 | 食ぱん道 | 2016年12月 | 400万円以上 |
3位 | 小麦の禁断症状 | 2022年8月 | 300万円以上 |
4位 | 一本堂 | 2013年8月 | 400万円以上 |
【第1位】デイリーヤマザキ
「デイリーヤマザキ」はコンビニですが、店内で焼き上げるパンや店内調理のお弁当の人気が非常に高いブランドです。日本では誰もが知っている有名パンメーカーの山崎製パンのグループなので、パン作りのノウハウは十分あり、店内調理システムは未経験者でも数日でパンが焼ける工夫がされています。また、オーナー裁量によってフランチャイズ店でありながら独自性のある店舗づくりができることも魅力です。
【第2位】食ぱん道
「食ぱん道」は、高級食パンブームの先駆けでもある有名食パンブランドの商品開発にも関わった経験がある人気食パン専門店です。開業方法は家族経営、共同経営、独立開業などさまざまな形態が認められているのも特徴です。本部の代表である高橋定之氏は長年、業務用食材を製造していた経験があるだけでなく、ホテルや商業施設、レストランでのパン製造経験があるのでパン作りについても熟知しています。カフェ併設での開業形式もあり、他店との差別化もできます。
【第3位】小麦の禁断症状
「小麦の禁断症状」は、人気YouTuberの「ラファエル」が研究開発をしたカレーパンを提供するカレーパン専門店です。わずか5坪程度の物件でも開業できるので、物件取得費を抑えられます。また、調理方法は冷凍のカレーパンを揚げるだけなので、誰でもすぐに覚えられるのもメリットです。人気YouTuberが手掛けていることもあり、話題性も十分で、多い日には700個以上も売れている実績があります。
【第4位】一本堂
「一本堂」は食パンブームの先駆けとなった人気食パン専門店です。2013年からフランチャイズ展開をしており、社長は元FCコンサルタントなので、パン作りだけでなくフランチャイズ経営のノウハウも十分あります。2週間程度で製パンの基礎を学ぶことができるよう、研修内容は効率化されており、未経験者でも短期間で開業を目指せます。小スペースでの経営ができるので、賃料を抑えた経営も可能です。