【個人事業主向け】住所変更した際に必要な手続きと注意点とは?

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年11月05日 公開 (2019年11月19日 最終更新)
住所変更した際に必要な手続き

自宅の引っ越しに伴っていくつかの手続きが必要になるように、個人事業主が事業所を移動した場合もさまざまな手続きを行う必要があります。手続きには期限が定められているものもあるため、期限を過ぎてから慌てないよう、個人事業主は必要な手続きの種類をしっかり把握しておかなければいけません。

個人事業主が住所変更する際に必要な税務関係の手続きとは?

ここでは、個人事業主が住所変更する際に必要な5つの税務手続きについて解説します。どの手続きを行なう必要があるかは人によって異なるため、自分の状況と照らし合わせ、漏れのないように対応していきましょう。

事業所の住所に変更があった場合

個人事業主が事業所の場所を変えるときは、税務署に必要書類を提出し、住所変更の手続きを行なう必要があります。事務所を移転した場合はもちろん、自宅と事業所を兼ねていて、引っ越しを行った場合も手続きの対象に含まれます。この手続きのポイントとなるのは、住所変更によって「管轄の税務署が変わるかどうか」という点です。

管轄の税務署が変わらない場合

まず、いずれにしても提出の必要があるのは、「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類です。この書類は、開業の申請をする際にすでに税務署に提出しているものですが、事業所の住所が変わる場合は、移転から1カ月以内に新住所を記載して再提出しなければいけません。

管轄の税務署が変わる場合

移転によって管轄の税務署が変わる場合、つまり納税地が変わる場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」に加えて「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出が求められます。これらの書類の提出先は、住所変更前の地域を管轄している税務署です。

提出の際にはマイナンバーカード、あるいは12桁のマイナンバーと本人確認書類が必要になるため、必ず用意しておきましょう。これらの書類は税務署の窓口で手に入るほか、国税庁のホームページからもダウンロードできます。

振替納税を利用している場合

事業所の住所が変更になり、かつ、「振替納税」を利用していた場合、引き続き振替納税を利用するためには、再度申請手続きを行なう必要があります。ちなみに、振替納税というのは、金融機関の口座から自動的に口座引き落としで納税する方法です。納税者の手間が少なく、納税漏れも防げるため、引き続き利用したいと考える人もいるでしょう。

その場合は、引っ越しあるいは移転先の地域を管轄する税務署、もしくは該当口座がある金融機関に対して「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出することで、引き続き振替納税が利用できます。この書類は国税庁のホームページからダウンロードが可能です。

従業員に給与を支払っている場合

従業員の給与を支払っている場合は、さらに「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要になります。提出は、移動前の地域を管轄している税務署に対して行ないます。この書類の提出期限は、移動後1カ月以内です。

従業員に給与を支払っている場合

従業員の給与を支払っている場合は、さらに「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要になります。提出は、移動前の地域を管轄している税務署に対して行ないます。この書類の提出期限は、移動後1カ月以内です。

区内や同一市内で住所変更する場合

区内や同一市内で事業所を移動した場合は、管轄の税務署は変わりません。そのため、納税地も以前と同様です。こうしたケースで提出が必要になるのは、事業所の移転先を伝える「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

なお、市をまたいで移動した場合は、たとえ以前の税務署が事業所から一番近くにあっても、別の税務署の管轄である可能性があります。そのため、自分の活動地をどの税務署が管轄しているのか、事前に調べておくといいでしょう。

都道府県税事務所での手続き

事業所の住所を変更した場合、税務署以外にも「都道府県税事務所」での手続きが必要になります。なぜなら、地方税を担当しているのが各都道府県税事務所だからです。提出が必要な書類は「個人事業税事業開始(廃止)等申告書」で、こちらは各都道府県税事務所のホームページからダウンロードできます。

個人事業主が税務署へ住所変更の手続きをする方法とは?

住所の変更手続きは税務署の窓口で行なえますが、期限内に窓口に行くのが難しい場合は、郵送またはe-Taxを活用する方法もあります。ちなみに、e-Taxというのはいわゆる電子申請で、インターネットを利用して必要な手続きが行えるシステムのことです。ネット回線さえあれば自宅や事業所から確定申告が行えるほか、住所変更で必要な手続きにも対応しています。

そのため、税務署が遠かったり、忙しくて窓口に行く時間がなかったりする人は、郵送やe-Taxを活用してみるといいでしょう。

個人事業主が住所変更したとき税務関係以外での必要な手続きとは

社会保険の手続き

1つ目は、「社会保険の手続き」です。この手続きは、移動から5日以内に日本年金機構に対して行います。提出する書類は、「健康保険、厚生年金保険事務所関係変更届出書」と「適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」の2種類です。

いずれも日本年金機構のホームページからダウンロードできるため、あらかじめ記入して窓口に持参すれば時短になるかもしれません。窓口での手続きのほか、郵送、電子申請にも対応しています。

労災保険の手続き

2つ目は、「労災保険の手続き」です。こちらの手続きが必要になるのは、労働保険が適用される事業の事業主の場合です。この手続きは、移動から10日以内に「労働基準監督署」または「公共職業安定所」に対して行います。提出書類は「労働保険名称、所在地等変更届」です。窓口での手続きのほか、郵送、電子申請にも対応しています。

金融機関の手続き

個人事業主は、お金の流れをきちんと把握するために事業用口座・プライベート用口座など複数の口座を持つことが多いです。それぞれの口座に対して住所変更手続きを行なっておかないと、金融機関からの重要な通知が届かない可能性があるため、利用しているすべての口座の住所変更を行ないましょう。住所変更の手続きは、インターネットや窓口でできます。

個人事業主が住所変更する際の5つの注意点とは?

必要な手続きがわからない場合は窓口に問い合わせをする

住所変更の手続きは煩雑なため、手続きを進めるうちに不明点が出てくることがあるかもしれません。そんなときは、窓口に問い合わせてみましょう。確認して必要な手続きを漏れなく行なえるようにしましょう。

提出期限に遅れないようにする

提出書類によっては、提出期限が決まっているものもあります。たとえば、事務所を移動した場合に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」は、提出期限が異動後1カ月以内と決まっています。早いものでは1週間以内に期限がきてしまう書類もありますし、提出場所もさまざまなので、余裕を持ってスケジュールを組み、書類の準備をしておく必要があるでしょう。

届出書の提出の際に必要なものは確認をしておく

各届出書類を提出する際は、マイナンバーや本人確認書類が必要になるので、窓口で手続きを行なう場合は忘れずに持参しましょう。また、郵送で書類を送る場合はコピーを取り、忘れずに届出書と一緒に送付します。本人確認書類に該当するものについては、国税庁のホームページに詳細が記載されています。

届出書の控えを保管しておく

提出した書類は控えも用意しておくと、以降記載事項の確認が必要になったときに利用することができます。そのため、書類作成の際は控え分も用意し、担当者に受付印をもらっておくといいでしょう。

引っ越し費用で経費になるものを確認しておく

引っ越しをする際は、かかった費用のうち、経費にできるものがあるか確認しておくといいでしょう。たとえば、火災保険料は「損害保険料」として経費にすることができます。しかし、敷金など経費にすることができないものもあるため注意が必要です。

個人事業主の住所変更手続きはスムーズにおこなおう

個人事業主が事業所を移転する場合は、住所変更に伴うさまざまな手続きが必要になります。変更先の住所や給与の支払事務の有無によっても必要な手続きが異なるため、自分に必要な手続きを事前に確認しておきましょう。手続きが行なう窓口はさまざまで、なかには提出期限がある書類もあるので、余裕を持ったスケジュールを組む必要があります。

住所変更した際に必要な手続き

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