納税証明書とは?融資を受けるときに必要な場合も!取得方法について解説

納税証明書は開業手続きの際に必要になる書類の一つです。しかし、実際に請求するまで、どのような書類なのかを知らなかったという人もいます。納税証明書にはいくつかの種類が存在するため、取得する際は間違えないように注意しなければいけません。
そこで、開業を検討している人のために、納税証明書の概要や種類、交付申請の方法などを紹介します。
納税証明書とはどんな書類?
そもそも納税証明書には何が記載されているのかを知らない人もいるでしょう。まずは納税証明書の概要や種類について紹介します。
納税証明書とは
納税証明書とは、簡単にいうと納税していることを証明する書類のことです。納税証明書には納付しなければならない税額と実際に納付した税額、未納または滞納している税額が記されています。
納付証明書に未納税額が記載されていなければ、法人または個人が税金を滞納していないということが証明されるのです。納税証明書は、主に融資を受けるときや、自動車の継続審査を受けるときなどに必要になります。
納税証明書は4種類
納税証明書は4種類の書式があります。
1つ目の書式は納付すべき税額と既に納付した税額、未納または滞納している税額などを証明するための書類です。
2つ目の書式は所得金額を証明するためのもので、個人と法人で記載されている内容が異なります。個人の場合は申告所得税か、申告所得税と復興特別所得税がかかっている所得金額です。法人の場合は、法人税がかかっている所得金額が記されています。
そして3つ目の書式は、未納税額がないことを証明するための書類です。なお、3つめの書式には「その3の2」や「その3の3」という書式も存在します。
その3の2:申告所得税と復興特別所得税、消費税と地方消費税など、税目を指定した書類
その3の3:法人税と消費税、地方消費税について証明する内容
4つ目の書式は、証明を受けるまでの期間中、滞納処分がないことを証明するための書類です。納税証明書の交付請求をする前に、どの書式の納税証明書が必要なのかを提出先に確認してから取得しましょう。
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課税証明書と納税証明書の違いについて
税金に関わる書類の一つに、課税証明書というものがあります。納税証明書と名前が似ていることから、混同されることも多いですが、記されている内容や発行元は異なります。
課税証明書とは、その名の通り課税されていることを証明するためのものです。一般的には住民税の課税額を証明する書類で、前年1年間の所得金額が記されています。
一方、納税証明書は、納付状況を証明するための書類です。住民税のように自治体が税金を計算しているものは課税証明書、所得税など自分自身や所属する会社が税額を計算しているものは納税証明書が発行されると考えるとわかりやすいでしょう。
どちらの書類も、保育園の入園時やローンの契約時、子ども手当をはじめとした各種手当の申請時など、あらゆる場面で提出を求められます。ただし、発行元は異なるので、交付請求の際は注意が必要です。課税税務署は各市区町村の市民税課や納税課で取得できますが、納税証明書は所轄の税務署で発行されます。
どんなときに必要?納税証明書が求められるケース
納税証明書は融資を申し込むときや車検の手続きを行うときなど、さまざまなシーンで必要になる書類です。ここからは納税証明書が必要になるケースや、納税証明書を発行する目的などを解説します。
融資の申し込み
金融機関で融資を受ける際は、税金の滞納がないことを証明するために、納税証明書の提出を求められる場合があります。これは、融資したお金が税金を支払うために使われる可能性がないことを確認するためです。
金融機関には、さまざまな目的で融資を申し込む人がいますが、中には適当な理由をつけて借りたお金で、滞納した税金を支払ってしまう人がいるのです。金融機関から融資を受けたお金は、申請時に申し出た目的以外の用途に使ってはいけない決まりになっています。そのため、事前に未納税額がないか確認する必要があるのです。
車検の手続き
車検の手続きを行う際も、納税証明書が必要になります。自動車税の納税証明書は、納税さえしていれば自動的に発行され、自宅まで送られてくるため、交付請求を行う必要はありません。
2015年4月からは国土交通省と各都道府県の自治体のシステム連携が始まり、自動車税の納税確認が電子化されました。そのため、継続検査では自動車税の滞納がなく、納税後2〜4週間ほどの期間が経過している場合に限り、納税証明書の提出が省略できます。車検当日まで納税証明書を保管したり、紛失してしまった納税証明書を再発行したりする必要はありません。
官公庁による事業の入札
官公庁から事業を入札する際も、納税証明書の提出が求められます。官公庁が行なう事業の財源は税金です。税金を利用する仕事を請け負う人が、税金を滞納していた場合、大きな問題となる可能性があります。そのため、官公庁から仕事を受注する際は、納税していることを証明するために、納税証明書の提示が必要なのです。
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納税証明書はどこで取得できる?納税証明書の取得方法
納税証明書が必要になるシーンについて理解したら、取得方法や取得できる場所についても知っておきましょう。ここでは3通りの取得方法を紹介します。
窓口での手続き
1つめは、所轄の税務署の窓口で取得する方法です。交付請求の際は、納税証明書交付請求書と本人確認書類、マイナンバーを確認できる書類、手数料分の収入印紙または現金、印鑑が必要になります。
本人確認書類は、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの顔写真が添付されている書類であれば、1枚で手続きが可能です。国民健康保険証や国民年金手帳など、写真がない書類の場合は、2枚の提示が必要なので注意しましょう。
また、家族や法人の役員、従業員など、代理人が取得することも可能です。ただし、代理人が交付請求を行う場合は、取得する人の本人確認書類や印鑑だけではなく、代理人本人であることを確認できる書類と印鑑、委任状が必要になります。
郵送での手続き
2つめの方法は、郵送で交付請求を行なう方法です。直接税務署に出向くのが困難な場合は、必要事項を記入した納税証明書交付請求書と手数料分の収入印紙、返信用封筒、切手、本人確認書類とマイナンバーを確認できる書類のコピーを同封すれば、郵送で請求できます。なお、コピーが必要なのは個人で請求する場合のみで、法人の場合は必要ありません。
e-Taxで交付請求
3つめの方法は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)で納税証明書を取得する方法です。e-Taxを利用すれば、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットからでも交付請求ができます。
まずはe-Taxの専用ページにアクセスし、必要事項を入力しましょう。受け取り方法は所轄の税務署の窓口で受け取るか、郵送、電子ファイルのいずれかを選ぶことができます。税務署の窓口で受け取る場合、通常よりも手数料が安くなるのが特徴です。さらに、直接窓口に行って請求するよりも、短い時間で発行されます。
ただし、受取日を当日に指定した場合は、時間がかかることもあるので注意しましょう。郵送を選択した場合は、e-Taxで交付請求を行なった後、インターネットバンキングなどで郵送料と交付手数料を納付しなければいけません。
電子ファイルでの発行を希望する場合も同様に、手数料の納付が必要です。なお、提出先によっては、電子納税証明書での提出を受け付けていない場合もあるので、あらかじめ確認しておいたほうが良いでしょう。
必要な納税証明書を事前に確認してスムーズに開業しよう
納税証明書には複数の種類があり、提出を求められた際は、必要な書式で納税証明書を取得しなければいけません。書式を間違えてしまうと、手続きが滞るだけではなく、交付請求にかかる時間や手数料も余分にかかってしまうため注意が必要です。
スムーズに手続きを進めるためにも、それぞれの種類で必要になる場面や交付請求の方法を覚えて、しっかりと準備を整えましょう。
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