株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役川上 健一郎
2015-08-03 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

フランチャイズの独立を成功させる!自己分析のススメ

 このコラムのポイント

起業家というのは「10年後には6%しか残らない」という事実をご存知でしょうか?独立して成功するためにも、得意分野の洗い出しをして自身の持っているリソースを把握することは大切である。その根拠について述べられたコラムです。

フランチャイズWEBリポート編集部


独立するなら今自身が持っているリソースを活かすのがやはり吉

いわゆる独立して事業を興すにあたり様々なパターンがありますよね。
例えば、わかりやすい例として3つのパターンを挙げてみたいと思います。

1. 全くのゼロからの独立
2. 今までやってた事業の延長線上での独立
3. パッケージを買っての独立(フランチャイズ)

恐らくこのコラムを読まれている方は、3を検討されている方が多いかと思います。

3のメリットは、過去にパッケージを販売している本部がその業態で成功してきたやり方を学んだ上で独立が出来るという事です。

ただし3のパッケージを買っての起業、独立を行った場合でも、当然今までのキャリア、スキルが活かせる事業を選択した場合と今までの活かす事が出来ない事業を選択した場合とでは、結果として成功を掴む事が出来る確度というのは当然ながら変わってくるものです。

そこで、私は独立起業を行うにあたって当たり前のことではありますが、自分自身が持っているリソースを十分に分析した上で、業態を決めて行くようにお話をさせて頂いています。

私にも以前経験がありますが、前職でCRM(顧客管理)のシステムを販売していたときの事です。どちらかというと私はあまり営業で苦労をした事が無かったのですが、システムのプッシュ型の営業に関しては経験が乏しかったこともあり非常に苦戦しました。

そういった経験もあり、その後はどちらかというと私はプッシュ型の営業スタイルで行わなければ行けない事業に関してはやらないようにしています。

それはなぜか?

それは
結果が出し難い=自分自身の首を絞める結果になるからです。

起業して事業主なり、そのような状況になった場合は廃業を意味します。
ですので、私は自分自身が勝てる条件を自分でわかるという事を大切にしている訳です。

自己分析に必要なもの。それは「成功体験の洗い出し」

では、実際どのような自分自身の分析を行えば良いのか?

まず、自分自身が持っている成功体験。
これは営業力だとかマネジメント力だったり、事業の立ち上げの経験などです。

先ほどもお伝えしましたが、訪問営業やルート営業、反響営業など営業にも様々な種類があります。どのような営業スタイルの成功体験を自身は持っていてどういう営業スタイルの失敗経験を持っているのか?

ここは非常に大切にされた方が良いと思います。
まれにですが「私はどんなものでも売ってきた。だからどのような営業でも出来る。」と過信されている方もいらっしゃいます。

先ほどにも述べましたが、どのような商材、サービスでも結果を出せる、どのような営業手法にも対応が出来るというような方は非常にまれだと思いますので、その中でも自分自身が特に結果を出してきた営業手法やそれに近い営業力を活かせる業態を選択された方が良いでしょう。

マネジメントも同様ですね。

どのような人を対象にマネジメントを行い成功体験があるのか?

同じ年代の起業家とを比較した時に、若い20歳代女性従業員をマネジメントして結果を残してきた方もいれば、幅広い年代の営業マンをマネジメントしてきた経験がおありの方もういる。この両者とでは、当然ながら持っている経験が違います。

例えば、整骨院や訪問医療マッサージなどの有資格者をマネジメントするといった場面でも同様な事が言えるのではないでしょうか?こういった場合、どちらかというと職人的カラーが強い方々へのマネジメントの経験等があれば活かす事が可能だと思います。

また人には、事業を

1. 0から1に立ち上げる事に強いタイプの方
2. 1になっているものを10に大きく成長させる方

と、この2パターンに分かれます。

営業で言うと
1の方は、プッシュ型営業が得意の方
2の方は、どちらかというとPULL型で仕組みづくりが得意な方
ですね。

パッケージビジネスに関わらず、一般的に起業独立というのは

1. スタートして1年経過後で40%
2. 5年経過した時点で約15%
3. 10年後には6%しか残らない

と言われています。

私の考えるところによると
1に関して残らなかった方々の大きな原因の一つとしては営業面に問題があったのではないかと思っています。
当たり前ですが、売上が立っていればわずか1年でそのような結果にはつながらないものです。

私も独立、起業をさせて頂いてから8年目になります。私が独立させて頂いた同時期にも多くの同期に近い経営者がいました。私よりも遥かに素晴らしいサービス、アイデア、能力を持った経営者もたくさんいました。

ただ、今振り返ってみるとわかるのですが、やはりお客様を見つける事の出来る営業力を自分自身がしっかり持っている経営者、または身につけた経営者しか残っていません。

当たり前ですが、事業を継続する為に必要になるのは売上です。
売上が立たない事には事業自体が継続出来ません。

先ほどもお伝えしましたが一般的に起業独立というのは

1. スタートして1年経過後で40%
2. 5年経過した時点で約15%
3. 10年後には6%しか残らない

と言われています。
数宇を見て頂いてもわかるように甘い世界ではありません。

それはフランチャイズのようなパッケージビジネスの場合だと、確かに確率が大きく変わってくるとは思いますが、運営するのは各起業家の皆様ですので、そう言った部分では自分自身の過去の成功体験、得意不得意な分野を明確にし、自身が勝てる業種、業態を選定して下さい。

フランチャイズビジネスは現在1300以上の本部が存在します。
それだけありますので必ず起業家の皆様に合った業種、業態があるはずです。

自己分析をすることは必ずやフランチャイズビジネスで成功する確度を高めるための必要な準備につながるでしょう。

株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

福岡県嘉麻市出身。久留米大学法律学部卒在学中、学費や生活費を全てアルバイト代で捻出するため、株式会社光通信関連企業にて営業職に従事し、そのまま就職。その後家業の造船業を経て、2001年長谷川興産入社。加盟店開発の統括責任者として入社当時の200店舗から800店舗までを牽引。退社後は、コンサルティング会社を経て「日本のフランチャイズビジネスの成功率を10%引き上げます!」をミッションに2008年にディライト・ジャパン設立。現在、全国様々なフランチャイズ本部の本部支援コンサルティングを実施。