一般社団法人キャリア35 理事土川 雅代
2015-10-24 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
一般社団法人キャリア35 理事 土川 雅代

決断できる女性起業家になる方法

 このコラムのポイント

家族との関係、自分の夢、ジェンダーの問題…。女性が自らの夢を追い求めようとする時に養っておきたい感覚とは「決断力」である。女性起業支援に携わる土川氏にそんなロジックを語ってもらいました。

フランチャイズWEBリポート編集部


こんにちは!女性のローリスク起業を支援する、一般社団法人キャリアの理事、土川雅代です。今回は、「決断できる女性起業家になる方法」について、お伝えさせていただけたらと思います。

起業すると、決断の連続!あなたが決断力を高めるためには?

私は、2010年3月から、会社経営を行っております。2009年11月に、夫の転勤のため、大阪から東京に越してきて、引っ越し後半年、人脈もほとんどない状態で、東京で起業をしたのですから、今考えれば無謀な挑戦をしたものだなと感じますが、これも「決断の時期」をキャッチし、それに乗った結果です。

もともと決断力のある私ですが、周囲の人からは驚かれることや「どうしてそんなにすぐに決断できるの?」と女性から質問されることは多いです。

『チャンスの女神は前髪しかない』これはレオナルド・ダビンチの言葉ですが、私が見聞きした中でも、ちょっと考えていて「返事が遅くなっただけでチャンスを逃してしまった」「チャンスが別の人の手に移ってしまった」という話を何度か聞いたことがあります。

これを読んで「ぎくっ」としている人はいないでしょうか?

では逆に「なぜチャンスに乗らないのか」を、自分の内面に聞いてみてください。
・失敗をしたくないから
・損をしたくないから
・自分一人だけかっこ悪い目にあいたくないから
などなど、「悪いこと」をまず考えてしまったから、ではないでしょうか?

物事に、失敗や損はありません。すべて「経験」です。どんな成功者・経営者でも、失敗がゼロの人なんて、この世にはいないのです。
「失敗をしたくない」「損をしたくない」という気持ちが、自分から経験する機会を奪っていっている、と考えてみてください。
とにかく、目の前にきた話がよほどむちゃくちゃなものじゃない限り『トライしてみる』というやり方を私はお勧めします。

母のスパルタ教育が、決断力を高めた!

私の母は4年前に亡くなりましたが、高校を卒業後 大企業で人事総務・経理などを経験し、立派に働いていた職業人でした。
自分にも他者にも厳しい母でしたが、ある意味、娘の私にはメンタル面や思考に関しては徹底した教育を行っていて、そのおかげで今の私があると思っています。

まず母は、私が幼い頃から「決断力」をつける訓練をしていました。2人でデパートに服を買いに行くと、一度出た店には、二度と戻らないのです。『欲しいと思った時に欲しいと言わないなら買わない。いちいち比較対象する時間がもったいない』というのが母の持論で、私は子どもながら『やっぱりあの時に買ってと、言えばよかった』と後悔することが何度かありました……。

そして「直感力」と言いましょうか、『これ!』というものを瞬時に見抜く力、集中することで未来をも見通す力を、人間は得ることができるのではないか、とある時から思うようになりました。(服の購入から、ここまで考える私もどうかとは思いますが・笑)おかげで、私は、欲しい時にはすぐに言う、後悔をしないという人間に、育っていったのです。

自分が事業を始めると、決断の連続です。
『A社のウォーターサーバーを使っているけれど、コスト面で抑えられるからB社に乗り換えようかどうしようか』という些細なことから、『C社とD社、同業他社とどのくらいの比率で、どう付き合っていくのがこちらの利益になるか』という判断、『人の雇用』など…とにかく決断の毎日です。

いちいち考えるより「直感力」を大事にすることをお勧めします。ファーストインプレッションで『これがいい』『これはやめとこう』そういう判断が、起業家には大事かなと思います。

「判断を減らす」という意識にシフトする!

有名な話なので、ご存知の方も多いかもしれませんが、故スティーブ・ジョブズや、オバマ大統領、FacebookのCEO マーク・ザッカーバーグなど、一流のビジネスパーソンは、「毎日同じ服を着ている」というのを、聞いたことがありますか?

これは「一つでも、判断することを減らすため」と言われております。

さすがに女性は、毎日同じような服装を着ていると『ダサい』と思われたり、『おしゃれにも、もっと気を配ったら?』と言われそうなので、毎日同じスタイルの服はお勧めできませんが、「着るものをパターン化する」「シーンに合わせて着る服を決めておく」というパターン化を、私は周囲の方々には勧めています。
心理学でも「判断の数が増えると、疲れてしまう」「精度が下がる」という結果が出ているそうで、少しでも、考えなくてもいいことは考えないようにするというのは、自分でビジネスを興していく人にとっては大事なことでしょう。

霊能力者より占い師より、経営者の方が正しい判断をする!?

弊社は仕事で、占い師や霊能者などのマネージメントやイベント企画業務なども行っていますが、私がいろいろな「できる」経営者や事業者と会って感じるのは、「できる経営者の方が、占い師や霊能者より、未来予見をする力に優れている」ということです。
彼ら、彼女らは、特別なスキルを使わずとも、「経験」「勘」「行動力」でさまざまな問題を解決したり、また「先手を打つ」人間関係をうまくやりこなすことができます。
なぜかと言えば、自分が主体となり人生を生きているので、本気度が違うのです。

人間、真剣に生きる・真剣に仕事をすれば、おのずと空気の流れが見えてくる・匂いを感じる、というのを、見ていてこちらも感じます。
二流の占い師や霊能者より、できる経営者や事業者の方が、何倍も決断力や未来予見の力がある、と私は考えておりますよ。

つまり、どれだけ本気で自分の人生を生きるか、自分が主体となって自分の人生を生きるか、それが、『決断力のある起業家になれる』最大の秘訣だと、私はお伝えしたいと思います。

一般社団法人キャリア35 理事 土川 雅代

大学では心理学を専攻し、卒業後はアパレル業界、情報誌の編集を経験後、2009年にライター・プランナー として独立起業。2010年3月5日に株式会社イエティを設立。占い師、カウンセラー、スピリチュアリストなどの、セラピストのマネージメント及びイベント運営を行っている。「みずから望み、叶える女性に」を理念に掲げ、「夢」や「目標」を見つけるサポート、叶える サポートをしている。主な著書に『好きを仕事に』(ビーケイシー)