ホテルのフランチャイズ一覧!FCで開業するメリットや開業の流れも徹底解説

宮原 史知 |2024年05月31日 公開 (2024年10月24日 最終更新)
ホテルのフランチャイズ一覧!徹底解説!開業のメリットは?開業の流れは?

ホテル業界において、フランチャイズを活用した開業は、リスクを減らして参入できる手段として注目されています。既存のブランド力と運営ノウハウを活用できるため、初めてのホテル経営でもリスクを抑えつつ、安定した収益を見込むことが可能です。

本記事では、ホテルのフランチャイズについての基本知識から具体的な運営形態、そしてフランチャイズ契約のメリット・デメリットや開業手順までを徹底解説します。これからホテル業界に挑戦したいと考えている方や、フランチャイズについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

ホテルのフランチャイズとは

フランチャイズの仕組み

ホテル業界でもよく活用される「フランチャイズ」とは、ある企業が作り上げたネームバリューやシステム・運営ノウハウなどを第三者に提供し、対価としてロイヤリティを受け取る仕組みのことです。フランチャイズを提供する事業者のことを「フランチャイズ本部(フランチャイザー)」、提供される事業者を「フランチャイズ加盟店(フランチャイジー)」といいます。

フランチャイズでは、フランチャイズ本部が長年培ってきたブランド力やノウハウを活用することで、フランチャイジーはイチから事業を立ち上げるよりもリスクを抑えつつ、効率的に事業を展開できます。一方で、フランチャイザーは加盟店から得るロイヤリティによって安定的な収益を確保できるというメリットがあります。

リスクを抑えられるならホテルのフランチャイズ

ホテル業界は参入障壁が高く、多額の初期投資が必要となります。また、ホテル経営には接客や集客のノウハウが不可欠ですが、独自で習得するには時間もコストもかかってしまいます

しかし、フランチャイズに加盟することで、本部が長年培ってきた運営ノウハウを活用できるため、経験の浅い事業者でもスムーズに参入することが可能です。ブランド力のあるフランチャイズであれば集客面でも有利に働くでしょう。

つまりホテルのフランチャイズは、リスクを抑えつつ効率的にホテル経営に乗り出せる仕組みといえます。ただし、ロイヤリティの支払いや本部の方針に従う必要があるなど、完全な自由経営とは異なる点に注意が必要です。

ホテルの種類や運営形態

ホテルの運営形態は大きく分けて4つあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

所有直営方式

所有直営方式は、ホテルブランドと建物の所有・運営を同一の企業が行なう方式です。帝国ホテルやリーガロイヤルホテルなど、高級ホテルではこの形式が多く見られます。所有者が直接経営に関与することで、ブランドイメージを守りつつ、長期的な視点で品質の維持・向上に取り組めます。一方で、多額の初期投資が必要となるため参入障壁は高くなります。

リース方式

リース方式は、オーナーが建物を貸出し、運営会社が賃借して経営する方式です。東横インやホテルルートインなどが代表的な例として挙げられます。オーナーは安定的な賃料収入を得られるうえ、運営リスクは負いません。運営会社は自社の運営ノウハウを活かしてホテル経営を行なうことができます。ただし、物件オーナーとの契約期間が限定される点に注意が必要です。

MC方式(管理運営受託方式)

MC方式は、ホテルの土地および建物を所有するオーナーが、運営を外部の企業に委託する方式です。星野リゾートやオークラホテルズ&リゾーツなどが有名です。オーナーは運営リスクを負うことなく、ホテル収益の一部を受け取ることができます。一方、運営会社は自社のブランドとノウハウを活かしてホテル経営を受託することで、少ない投資コストで事業拡大が可能となります。

フランチャイズ方式

フランチャイズ方式は、所有者とホテルブランドがフランチャイズ契約を結び、ホテルブランドから運営ノウハウを提供してもらう代わりに、売上の一部を支払う仕組みです。ホテル運営は所有者側で行なうケースと、ホテルブランドに委託するケースがあります。フランチャイズ方式では、加盟店はブランド力を活用しつつ本部のサポートを受けられるメリットがある一方、ロイヤリティの支払いや本部の方針に従う必要があるなど、一定の制約があることに留意が必要です。

以上のように、ホテルの運営形態にはそれぞれ特徴があります。経営者は自社の強みを活かせる方式を選択することが重要です。

ホテルのフランチャイズ一覧【5選】

ホテルのフランチャイズに加盟すれば、ブランド力や運営ノウハウを活かしつつ、リスクを抑えて開業できます。ここでは、代表的なホテルフランチャイズを5つ紹介します。ぜひフランチャイズ探しの参考にご活用ください。

アパホテルズ&リゾーツ

アパホテルズ&リゾーツは、全国最大779ホテル(2024年2月時点)を構える大手ビジネスホテルチェーンです。低価格で利用でき、社長の元谷芙美子をあしらった広告や「アパ社長カレー」「アパ社長ラーメン」などのオリジナルメニューでも知られています。新規ホテルの開業や既存ホテルのリニューアルなど、積極的に投資を行なっているのが特徴です。

スーパーホテル

スーパーホテルは、J.D.パワー「ホテル宿泊客満足度」調査のエコノミー部門で9年連続No.1を獲得している実力派ホテルチェーンです。「Natural, Organic, Smart」をコンセプトに、健康的でサステナブルなサービスを提供しています。国内172店舗(2023年11月時点)を展開中です。

ワシントンホテル

ワシントンホテルは、ビジネス街や観光地近くの出店に強みを持つホテルチェーンです。駅チカで行動拠点にピッタリの「ワシントンホテル プラザ」と、リーズナブルな価格帯やインターネット無料完備などビジネス利用に嬉しい「R&Bホテル」の2ブランドを展開しています。

ABホテル

ABホテルは、無料朝食バイキングや大浴場設備完備などが強みのホテルチェーンです。質の高い眠りにこだわった客室設備も特徴の1つ。全国34店舗(2024年5月時点)を展開中です。

相鉄ホテル

相鉄ホテルは、「ホテルサンルート」「相鉄フレッサイン」「グランドフレッサ」など、立地や客層に合わせて異なるブランドを展開しているのが特徴です。ビジネスからレジャーまで、幅広いニーズに対応可能なラインナップを揃えています。

以上、代表的なホテルフランチャイズを5つ紹介しました。いずれも特色があるので、自身の目指すホテル像に合ったフランチャイズを選びましょう。開業前には複数のフランチャイズの資料を集め、冷静に比較検討しておくのが重要です。

ホテルのフランチャイズに加盟するメリット&デメリット

【メリット】リスクを抑えて開業できる

ホテルを開業するには、建物の建設や設備・備品の調達など、多額の初期投資が必要です。また、運営ノウハウが不足していると、事業が軌道に乗るまでに時間がかかったり、最悪の場合は失敗に終わったりするリスクもあります。

しかし、フランチャイズに加盟すれば、本部が長年培ってきた運営ノウハウを活用できます。本部から設備や備品を安価で入手できたり、サービスの質を担保するための指導を受けられたり、効果的な集客施策のアドバイスをもらえたりと、さまざまなサポートを受けられます

ホテル開業において、リスクを抑えつつスムーズに開業したいのであれば、フランチャイズは検討すべき選択肢といえるでしょう。

【デメリット】ロイヤリティが必要で自由度も低い

一方で、フランチャイズ加盟にはデメリットもあります。まず、加盟店は毎月の売上からロイヤリティを本部に支払う必要があります。また、加盟店は本部の経営方針に従う必要があるため、経営の自由度が制限されます。たとえば、客室の内装や備品、提供するサービスなどは、本部の指示に従わなければなりません。

それでも多くの事業者がフランチャイズを選ぶ理由は、独自で事業を展開するよりも失敗のリスクが低いから。ただしフランチャイズには向き不向きがあるので、自身がどのようにホテルを運営していきたいのかをよく考えたうえで、加盟を決める必要があるでしょう。

以上のように、ホテルのフランチャイズ加盟にはメリットとデメリットがあります。メリットを最大限に活かしつつ、デメリットを理解したうえで加盟しましょう。

ホテルをフランチャイズで開業する手順

ホテルをフランチャイズで開業するには、いくつかの手順を踏む必要があります。この章では、開業までの流れを簡単に解説していきます。

まずは気軽に資料請求から

最初は興味のあるフランチャイズ本部に資料請求をしましょう。複数のフランチャイズの資料を取り寄せ、ブランドコンセプトやサービス内容、契約条件などを比較検討していきます。この段階で、自分の目指すホテル像に合ったフランチャイズを絞り込んでいきます。

気になる本部の説明会に参加

資料だけではわからない詳細な情報を得るため、とくに気になるフランチャイズ本部があれば説明会に参加しましょう。説明会では、フランチャイズ本部のスタッフから直接話を聞くことができます。事業の将来性や本部のサポート体制など、具体的な内容を確認する良いチャンスです。

契約内容の確認&FC契約締結

フランチャイズ本部と加盟条件について合意できたら、フランチャイズ契約書の内容を入念に確認します。ロイヤリティや契約期間、本部のサポート内容など、すでに把握していることも改めて契約書で確認しておきましょう。内容に納得できれば、フランチャイズ本部と正式な契約を締結します。

立地調査と選定、物件確保

フランチャイズ契約が締結されたら、ホテルの立地選定に入ります。ホテルの成否は立地によって大きく左右されるため、慎重に検討する必要があります。フランチャイズ本部の豊富な経験やデータを参考にしながら、集客が見込める場所を選定していきましょう。本部によっては、好立地の物件を紹介してくれる場合もあります。

開業準備~オープン

立地が決まったら、いよいよ開業に向けての準備です。内装工事や備品の調達、スタッフの採用と教育など、やるべきことは多岐にわたります。フランチャイズ本部からは、工事業者や仕入れ業者の紹介を受けられる場合もあります。また、オープン前の研修で接客やオペレーションのノウハウを学ぶことができます。本部の支援を受けながら、万全の態勢を整えてオープンに臨みましょう。

ホテルフランチャイズで成功するためのポイント

自分に合うフランチャイズを選ぶ

フランチャイズ加盟は、本部とオーナーの長期的なパートナーシップです。互いの信頼関係が重要となるため、フランチャイズ本部の実績や評判をしっかりと確認しましょう。また、本部の経営理念や価値観が自分の考え方と合っているかどうかも大切なポイントです。相性の良いフランチャイズを選ぶことが、円滑な運営につながります。

立地を妥協しない

ホテル経営において、立地は極めて重要な要素です。集客力を左右する観光地やビジネス街の近く、交通アクセスの良い場所を選ぶことが理想的です。競合他社よりも集客に不利な立地での開業を余儀なくされる場合は、ホテル自体の魅力を高める工夫が必要不可欠。たとえば、特徴的なコンセプトや充実した設備、高品質なサービスなどで、立地の不利を補うことが求められるでしょう。

サービス品質の向上に努める

ホテルにおいて部屋やアメニティの充実は大事ですが、ホテルの評判を決めるのは何よりもサービスの質です。ホスピタリティ精神に溢れた心のこもった接客は、ゲストの心に強く印象づけられます。満足度の高いサービスを提供できれば、リピーターの獲得や口コミ・ネットレビューでの高評価につながり、新規顧客の獲得にも良い影響を与えます。従業員の教育・研修を通じてサービススキルを高め、モチベーションを維持することが重要です。

まとめ

ホテルのフランチャイズに加盟して成功するには、自分に合ったフランチャイズを選ぶこと、立地を妥協しないこと、サービス品質の向上に努めることが欠かせません。しかし、その分リスクを抑えて開業できるのもフランチャイズだからこその魅力です。

ホテル業界への参入を検討している方は、フランチャイズという選択肢を視野に入れて検討を進めてみてくださいね。

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フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

フランチャイズメディア 編集者兼ライター
宮原 史知

大阪府堺市出身の編集者・ライター。これまで100以上のフランチャイズ関連コンテンツの制作に携わる。Webプログラミングや動画編集・SEO分析をはじめとした、幅広い業務経験を活かした記事制作が強み。既知のテーマに対して新しい視点を提供し、読み手が「ワクワクする」ようなコンテンツ作りを信条としている。

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