レンタカーフランチャイズの失敗事例3つ!失敗を防ぐ5つのポイントも解説
レンタカー店を開業しようとしている人のなかには、フランチャイズ加盟を検討している人もいるのではないでしょうか。失敗するリスクを軽減できるといわれているフランチャイズですが、必ずしも成功するとは限りません。
この記事では、レンタカーフランチャイズにおける失敗事例を3つ紹介します。失敗を防ぐ5つのポイントも紹介しています。避けられる失敗ばかりなので、この記事を読んで成功へのヒントにしてください。
レンタカーフランチャイズの失敗事例
“失敗は成功のもと”ということわざがあるように、失敗から改善点をあぶり出して改良することで、次なる成功につながるのはいうまでもありません。
犯すべき失敗もありますが、なかには避けるべき失敗もあります。ここでは事前に知っておくことで、避けられる失敗を3つ紹介します。
大手と差別化できずに失敗
成功するためのキーワードとなるのが大手との差別化です。たとえばGoogleで「レンタカー 渋谷」などと検索すると、大手をはじめとしたレンタカー店が上位に表示されます。大手のレンタカー店は資金が潤沢なため、多くは駅前や空港内の好立地に店舗を構えています。
大手以外の企業や個人のレンタカー店が大手と同じ価格帯、車種で勝負してしまうと、ほとんどのお客様は“安心感”などを理由に大手のレンタカー店を選ぶはずです。資金面で劣る企業や個人がレンタカー店をはじめる場合、価格帯や車種はもちろん、客層などにおいて大手とは異なる戦略で勝負する必要があります。
たとえば、「ガッツレンタカー」は24時間2000円(税込2200円)というリーズナブル価格を武器に、中長期のレンタルに特化したレンタカー事業を展開しています。また、「エコカーマーケット」では、レンタカーの収益だけでなく、レンタカーとして使いまわした車両を販売するなどして収益を上げることも可能。複数の収益の柱があることで、安定経営を目指せるのが強みといえます。
法人需要を獲得できずに失敗
駅前などに店舗を構える大手レンタカー店の場合、多くは観光客などがメインのターゲットになります。コロナ禍による外出自粛によって観光需要が大幅に落ち込み、それに伴ってレンタカー需要が大きく低下しました。なかには、事業を継続するために車両台数を減らすなどの措置をとった事業者もいたほどです。
その一方で、コロナ禍にも安定してニーズを獲得したレンタカーフランチャイズがありました。レンタカーは一般の利用者だけでなく、法人が社用車としてレンタルするケースもあります。
「ガッツレンタカー甲府駅前店」では、コロナ禍に一般の利用者からの売上が落ち込むなか、法人のレンタルが増えたことでコロナ禍に売上が伸びたそうです。詳しくは「二代目社長候補が自らFCオーナーに挑戦!その狙いと異業種ガッツレンタカー開業の手応え」の記事で紹介しています。法人需要を獲得できるかできないかが、成功と失敗の分かれ道になりうるのです。
運転資金が足りなくなって失敗
レンタカーフランチャイズで失敗する理由のひとつが運転資金の不足です。レンタカー事業は常に在庫を仕入れる必要がないものの、急激に売上が減少して利益を確保できず、運転資金が不足する場合があります。また、キャッシュフローをしっかりと把握しておらず、車両を大量に仕入れてしまって運転資金が不足するケースも考えられます。
一例として、「エコカーマーケット」なら、『Hulk-ハルク-』というITシステムを使うことで、レンタカーはもちろん、中古車販売・買取、車検獲得などを同時に行なえます。レンタカーで使い古した車両を販売することもできるので、資金が不足しそうな場合は車両を販売して運転資金を補填できるなど安定した経営が見込めます。
レンタカーフランチャイズで失敗を防ぐための5つのポイント
避けられる失敗なら誰もが避けたいはずです。ここでは、レンタカーフランチャイズで失敗を防ぐためのポイントを5つ紹介します。
収益シミュレーションを鵜呑みにしない
フランチャイズの事業説明会などに参加すると、収益シミュレーションを使って説明されることがあります。しかし、この収益シミュレーションは加盟検討者にイメージを膨らませてもらうことが目的です。
シミュレーションに提示されている数字を鵜呑みにせず、気になる点があれば、どのような根拠のもと算出している数字なのか聞くようにしましょう。
本部のサポート体制をしっかり確認
フランチャイズに加盟する大きなメリットのひとつが本部によるサポートです。サポートを受けられるからこそ経験がなくても成功しやすいといわれています。しかし、サポートの内容や頻度は本部によって大きく異なります。本部サポートの例は以下です。
・物件調査
・融資サポート
・開業前研修
・車両仕入れサポート
・システム提供
・SVによる臨店(経営アドバイスetc.)
・集客支援 etc.
これらは一般的な本部サポートですが、たとえば物件調査においては物件の選定から同行する本部もあれば、最終チェックだけを行なう本部もあります。また、SVによる臨店も本部によって頻度は大きく異なるので、受けられるサポートの内容をしっかり確認し、納得のいく状態で加盟するようにしましょう。
個人開業・法人開業は事前に熟考
脱サラしてレンタカーフランチャイズ加盟するときに悩むのが、個人事業主として開業するか、もしくは法人として開業するか。結論としては、個人事業主でも法人でもレンタカー店を開業できます。
ただ、レンタカー店を開業するとなると、国土交通省から「自家用自動車有償貸渡業(レンタカー業)」の認可を受ける必要があります。認可を受けると、その後に業務形態を変更できないので注意が必要です。たとえば個人事業主として認可を受け、法人化したいからとその認可を引き継げません。個人事業主として開業するべきか、法人として開業するべきか、開業前に熟考するようにしましょう。
フランチャイズのなかには「加盟は法人のみ」などと限定している場合もありますが、「ガッツレンタカー」では個人での加盟を可能としている一方、税金対策を考えて法人での加盟を推奨しています。
先輩オーナーから話を聞く
気になるフランチャイズがあったらまずは資料を請求しましょう。より詳しく話を聞きたい場合は事業説明会に参加し、その後に加盟契約を結ぶのがおおまかな流れになります。
事業説明会だけでは疑問や悩みが解決しない場合は、先輩オーナーから話を聞くのもひとつの手です。本部からは得られないさまざまな情報を教えてくれるはずです。しかし、収益や満足度はオーナーによって千差万別なので、ひとりの先輩オーナーの話を鵜呑みにしすぎるのもNG。可能であれば、複数人の先輩オーナーに話を聞きにいくのがよいでしょう。
ただ、本部への許可はもちろん、先輩オーナーのアポイントも取らずにいきなり会いにいくのは両者にとって迷惑になります。本部を通して事前にアポイントを取ったうえで先輩オーナーから話を聞きにいくようにしてください。
開業できるエリア(商圏)を事前に確認
多くのフランチャイズでは、客の奪い合いを防いで継続的に利益を確保することを目的に商圏を保証します。これを「テリトリー制」といい、市町村単位で商圏を決めているケースもあれば、「人口5万人」などと住んでいる人口の数によって決めているケースもあります。
しかし、テリトリー制の中身まで詳しく公開していないこともあり、確認せずに加盟してしまうと「商圏が狭く、近隣に同じフランチャイズの店舗がオープンしてしまった」といった事態に陥ることもあります。加盟前に開業できるエリア(商圏)についてもしっかりと確認しておくようにしましょう。
レンタカーフランチャイズのメリット
オリジナルの事業でレンタカー店を開業する選択肢もありますが、なかでもフランチャイズで開業する場合のメリットを3つ紹介します。
未経験でも開業できる
レンタカー店を開業して十分な収益を得るには、物件の選定から車両の仕入れ、集客までさまざまなノウハウが必要になります。なかにはレンタカー店の経験がなくとも独自の経営センスで事業を軌道に乗せられる人もいるでしょう。
しかし、多くの場合は経験がないとどういったエリアにどんな物件でレンタカー店をオープンすれば良いのか想像すらつかないはずです。また、レンタカーに適した車両や台数はもちろん、どういったところから仕入れたら良いのかわからないはずです。なかには、マーケティングの経験があって集客できる人もいますが、多くの場合は未経験だとどう集客すべきかわからないでしょう。
フランチャイズでは成功はもちろんさまざまな失敗も経験し、成功パターンだけをパッケージ化して加盟店にノウハウを提供しているので、未経験でも早期に軌道に乗ることができるのです。
オープン初日から集客が期待できる
フランチャイズの強みのひとつはブランド力です。なかには、「知っているブランドだから」「安心感があるから」という理由でチェーン店を利用したことがある人もいるのではないでしょうか。
個人でレンタカー店を開業しても、思うように集客できずに早期に閉店してしまうことも……。フランチャイズであれば、これまで築いたブランド力を武器にオープン初日からある程度の集客が期待できます。
店舗の運営に集中できる
レンタカー店を開業すると集客増に向けたキャンペーンを考えたり、ウェブサイトを改善したり、普段の店舗運営以外にも多くの業務が発生します。
フランチャイズであればキャンペーンの考案はもちろん、チラシやポップ作りなども本部が担ってくれます。たとえば「ガッツレンタカー」では、月間PV150万を誇る“検索に強いWebサイト”を使って集客できるので、ITが苦手なオーナーでも集客は本部に任せてOK。店舗運営に専念できるのもフランチャイズのメリットといえます。
レンタカーフランチャイズのデメリット
メリットもあれば、なかにはデメリットになりうることもあります。
ロイヤリティを支払う必要がある
フランチャイズに加盟すると、本部に対して毎月ロイヤリティを支払います。このロイヤリティをデメリットに感じ、フランチャイズ加盟を嫌がる人もいます。
しかしロイヤリティは本部からサポートを受ける対価として支払います。だからこそ未経験でもレンタカー店を開業でき、最短で軌道に乗せられるのです。デメリットに感じてしまう気持ちもわかりますが、ロイヤリティを支払うことと受けられるサポートを天秤にかけ、それでもロイヤリティを支払うことがデメリットになるなら、オリジナルの事業でレンタカー店を開業するのが得策でしょう。
オリジナリティを出しにくい
フランチャイズチェーンは良くも悪くもサービスが均一化されています。これが安心感につながり、店舗を訪れたりサービスを受けたりするきっかけにもなります。
一方、加盟店にとっては自由にメニューを追加したり値段を変更したりできないだけでなく、営業時間や定休日も統一されていることが多く、なかにはデメリットに感じてしまう人もいるようです。
たとえば「エコカーマーケット」の場合は、地域の特性に合わせて加盟店側で料金などもある程度自由に設定できるほか、営業時間なども変更できます。オリジナリティを出したい場合は、「エコカーマーケット」のフランチャイズが選択肢に入ります。
契約終了後に同じ業態で開業できない
多くのレンタカーフランチャイズでは、契約書に「競業避止義務」の項目が設けられています。「競業避止義務」とは、フランチャイズ契約中および契約解除後に競業となる業種での営業を禁止することをいいます。
たとえばノウハウだけを得て、フランチャイズ契約を更新せずに最低限の期間で契約を解除したのち、自身でオリジナルのレンタカー店をオープンしようとする人も少なからずいます。しかし、「競業避止義務」によって禁止されているケースがほとんどです。
[PR]カービジネス特集
レンタカーフランチャイズで失敗しないためにも本部選びが最重要
レンタカーフランチャイズのよくある失敗事例と、失敗を防ぐためのポイントを紹介しました。経営していくうえでは経験するべき失敗もありますが、避けるべき失敗もたくさんあります。最短で事業を軌道に乗せるためにも、本部選びが重要になってきます。
「レンタカーフランチャイズ人気ランキングTOP7!開業に必要な費用や失敗パターンも解説」の記事でレンタカーフランチャイズ人気ランキングTOP7を紹介しています。それぞれを比較しながら、ぜひ選んでみてください。
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10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。