高級和牛からB級肉グルメまで!ブームを超えて定着した、日本の肉料理の魅力と伸び続けるインバウンド需要

肉寿司、肉バーガー、ステーキに焼肉…。「何よりもお肉が好き!」な肉食系の人たちが思い立った時にふらっと入れるお店もずいぶん増えてきました。そんな日本の肉グルメは、実は海外の人達にも人気もの!串カツや鶏の唐揚げ、牛丼といった日本のB級肉グルメや、居酒屋スタイルなども、海外の人達は好きなのだとか。
コロナ禍で厳しい状況が続く飲食業界ですが、「食の楽しみ」は万国共通です。そこで今回はアフターコロナを見据え、お客様の胃袋をしっかり掴み、繁盛店に成長させる秘策を考察していきます。
日本人の味覚を変えた肉ブーム

肉料理といえば、かつてはしゃぶしゃぶやステーキ、鉄板焼きのように、「大人がかしこまって食べる高級なもの」というイメージがあり、一人で気軽に入店するといったことは考えられないのが一般的でした。しかし、今では、思い立った時に、一人でも気軽にお肉を楽しめるお店が増えてきました。また、肉の好みについても、かつては霜降り肉のような口どけの良いお肉が人気でしたが、現在では、肉本来の味わいが楽しめるヘルシーな赤身が人気です。
このきっかけといわれるイベントの一つが、2014年から毎年全国各地で開催されている「肉フェス」。肉フェスとは、予約の取れない有名店、行列必死の人気店の肉料理がひとつの場所に集い、肉好きには堪らない国内最大規模のフードイベントです。開催以来、来場者累計720万人を超え、常に肉ブームを牽引してきました。そして、肉寿司、牛カツ、ローストビーフ丼など、それまで馴染みのなかった肉グルメの数々が知られるようになり、ブームを超えて新しい肉文化が定着してきたのです。
訪日外国人観光客が感じる日本の魅力
ユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食」
2014年に実施された観光庁の「訪日外国人の消費動向調査」によると、外国人観光客が訪日前に期待していたこと第一位は「日本食をたべること」でした。2013年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中に和食ブームが広がった今、日本に訪れる目的が食事という人も珍しくありません。
日本食人気の理由は、盛り付けの美しさ、食材の新鮮さ、外国にはない出汁などの繊細な旨みなどがあります。また食事メニューだけでなく、箸を使う文化や畳に座って食すというスタイル、着物スタッフが接客してくれるなども訪日外国人観光客にエキゾチックな魅力を感じさせるようです。
外国人観光客が注目している日本の食べ物は?
お寿司やラーメン、天ぷらなど、さまざまな日本特有の食べ物がありますが、特に日本の肉料理が外国人観光客に注目されているようです。
海外でも「WAGYU」という言葉は有名で、神戸ビーフや松阪牛などのブランド和牛を、本場の日本で楽しみたいという観光客も多くいます。「和牛」や「しゃぶしゃぶ」といった、日本人の繊細な感性が生んだ高級食の肉メニューだけでなく、焼肉や牛丼、とんかつ、焼き鳥、鳥の唐揚げといった日本のB級肉グルメにも根強い人気を集めています。
これからも期待の高まるインバウンド需要

インバウンド市場の移り変わり
近年、日本政府が注力している「インバウンド(訪日外国人旅行)」とは、少子高齢化が進み、国内市場が縮小していく日本で、急激な伸びを見せている数少ないビジネス分野です。
2013年9月に「東京オリンピック2020」の開催が決定した後から、インバウンド市場は急激な拡大をみせています。当時、日本政府は2020年の訪日観光客数の目標を2000万人、訪日外国人旅行消費額として4兆円を掲げていました。ところが2013年に1036万人であった訪日観光客数は、2016年の時点で目標を達成してしまうほどの勢いで増加し、2019年には3188万人の訪日観光客数を記録しました。
2020年に入ってからは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、飲食業を中心にインバウンド市場は明るい展望を見出しにくい状況ではありますが、そんな時こそ慎重に冷静に、今後のインバウンド需要を考えるチャンスと言えるでしょう。アフターコロナでインバウンド需要が戻った際にいち早く対応できるよう、どのような準備を行なうべきなのでしょうか。
インバウンド大国フランスに学ぶ
2019年は9000万人の外国人観光客が訪れているフランス。30年連続で世界1位のインバウンド大国であるフランスの成功事例から考察してみましょう。
首都パリには、世界でも有名な世界遺産や有名美術館などが多くあります。代表的なモン・サン・ミッシェルやヴェルサイユ宮殿を始め、世界遺産に登録されているのは42箇所で世界4位と、多くの観光スポットが集約していることが、人気を集めている理由の一つです。
さらに、国と国内企業が協力して外国人にとって利便性の高いインフラを整えてきたことも、インバウンド大国になった大きな要因です。パリの街の魅力に加え、多言語アナウンスに対応しているメトロや、外国人でも利用しやすい設置型のレンタルサイクル、町中にはWi-Fiも多く設置されていて、観光パンフレットも多言語に対応。そういった外国人観光客向けのインフラ整備が顧客満足度を高め、「フランスファン」を多く生み出しているのです。
フランスの例からもわかるように、潜在的に高度な文化を持ち合わせる日本は、インバウンド大国として成長する可能性を十分にち合わせていると言えるでしょう。
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インバウンド獲得のために大事なこと

日本食の魅力は、繊細な味付けや美しい見た目、ヘルシーさなどが挙げられますが、実際に訪れる外国人旅行客は食事の質だけではなく、レストランの評価も重要視しています。海外から訪れた外国人観光客が利用しやすいレストランには、どのような特徴があるのでしょうか。インバウンドを増やすために取り入れておきたい店づくりのポイントについてご紹介します。
ホームページやSNSで発信している

外国人観光客は、Wi-Fiなどの無料公衆無線LANへのニーズが高く、彼らの訪問時の情報収集はスマートフォンやPCによる検索が多いようです。そのため、レストランの雰囲気や予算、メニューなどを、ホームページやSNSの公式サイトで明記しておくとよいでしょう。言語が違っても雰囲気が伝わるように、InstagramやFacebookなどの写真投稿サービスを積極的に活用するのも効果的です。
多言語での接客をしている

いざレストランに入っても、言葉が通じなければスムーズに食事を楽しむことはできません。そのため、外国人旅行客は「そのレストランで自分の言語が通じるか」ということを知りたがる傾向にあります。
ホームページやSNSを多言語表記にしたり、多言語に対応できるスタッフをおく、などは効果的です。だたし、通訳者が少ないケースやいないという場合、タブレット型通訳サービスを活用するのも一つの手段です。
そして、メニューも多言語で表記しましょう。メニューは、その飲食店にどんな食事があるのかを表す重要なアイテムです。料理名はもちろん、その説明や使われている材料・食材なども多言語で表記し、外国人旅行者にも見やすいメニュー表を作りましょう。
ベジタリアンやムスリムへの対応
外国人観光客の中には、食事に制限のあるベジタリアンやムスリムと呼ばれる方たちがいます。ベジタリアンとは、肉や魚を食べない菜食主義者の人たちです。一方、ムスリムとは、世界三大宗教の一つであるイスラム教を信仰している人達で、世界人口の約4分の1を占めています。ムスリムは、豚肉を食べることを禁じられており、アルコール飲料も避けるべきという掟があります。 深刻なトラブルを防ぐ意味においても、このような方々への対応は、インバウンドを考える上で外せない要素です。
インバウンド対応を考えるならフランチャイズという選択も

外国人観光客は、「日本が感じられる」飲食を望んでいます。たとえば、新橋などに代表される焼肉やホッピーなど日本のビジネスマンが通うチェーンの居酒屋など、コストパフォーマンスの高い大衆メニューがあるお店はもちろん、日本の日常を感じられる穴場的なディープな場所にもエキゾチックな魅力を感じるようです。また、蕎麦打ち体験や餅つき、屋台食べ歩きなど、日本でしかできない体験を楽しみにされる方も増えています。
このようなインバウンド需要を獲得するためには、外国人観光客が何を求めているのかを正確に読み取り、飲食店のアピールポイントを明確に発信していくことが大切です。しかし、これらを一個人で適格に対応していくのは難しく、スピード感も劣ります。そこで、外国人観光客のニーズを理解し、インバウンド対応のノウハウを蓄積しているフランチャイズに加盟することで、事業展開の飛躍をはかるのもひとつの選択肢です。
フランチャイズなら、個人店とは異なり知名度も抜群です。深刻なトラブルになりがちなムスリムやベジタリアンの対応をはじめ、インバウンド向けのメニューの工夫がされていたり、アレルギー表示もきちんとされています。また時代に適したいろいろなスタイルでのPRも可能なことから、集客面においてもより大きな効果を期待できます。
現在のコロナショックが落ち着けば、コロナ自粛にくたびれた外国人観光客も舞い戻り、今まで以上に大きなインバウンド需要が復活することでしょう。飲食業の独立開業を考えておられる方はぜひ、「インバウンド需要に対応した飲食業のフランチャイズ」を検討してみてはいかがでしょうか。
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