今がラストチャンス!? 銀のさらが10年ぶりにフランチャイズ展開をスタートさせたワケ
コロナ禍の2020年10月、中食市場の需要拡大を背景に、じつに10年振りとなる「宅配寿司 銀のさら」のフランチャイズ募集を再開したライドオンエクスプレス。
この記事では、前回の「コロナ禍で成長を続ける、銀のさら」に引続き、同社の宅配事業で店舗指導者として活躍しているスーパーバイザー(以下、SV)に、銀のさらのフランチャイズについて伺いました。
宅配寿司 銀のさらのフランチャイズとは?
1998年に前身となる宅配寿司「寿司衛門」が誕生し、2000年に宅配寿司「銀のさら」に名称変更。その翌年からフランチャイズ募集を開始すると、またたく間に宅配寿司の市場を開拓。20周年を迎えた2020年現在、店舗数は350を超え、売上・店舗数ともに業界ナンバーワンと、全国の約110社のフランチャイズ加盟企業とともに業界をリードしてきた「銀のさら」。
そんな「銀のさら」が手掛ける、「宅配寿司」のシェアは、1.6兆円規模とされる寿司市場全体からすると僅か3パーセント程度とされており、コロナ禍や働き方の変化という社会背景を追い風に、今後さらなる拡大が見込めるビジネスといえます。
この記事では、引き続きライドオンエクスプレスでSV(スーパーバイザー)を務める井上崇氏と松本一成氏に、10年ぶりとなる「銀のさら」のフランチャイズ募集再開の理由、フランチャイズ加盟のメリットなどをお聞きしました。
「銀のさら」のフランチャイズ加盟店で10年の店長経験を経て、ライドオンエクスプレスに転籍。その後、直営店で4年の店長経験を積んだのち、現在は東京・神奈川エリア担当のSVとして従事。
「銀のさら」で2年のアルバイトを経験した後、ライドオンエクスプレスに入社。入社後は直営店で店長を4年ほど経験し、現在は東日本担当のSVとして従事。
約10年ぶりとなる、フランチャイズ募集の理由
コロナ禍になって「銀のさら」未出店エリアから、フランチャイズ加盟に関するお問い合わせが増えたのが大きなきっかけです。2020年5月以降「フランチャイズ加盟店の募集はしていませんか?」というお問い合わせが増えています。
銀のさらのフランチャイズ募集については、20年前に設定した出店エリアありきで進んできました。そのエリアというのは、一つの店舗を置いた時にバイクで20分走って配達できる範囲に最低5万世帯、多いところだと7万世帯をカバーできるという条件に合致した場所のことを指します。
当時、その条件を満たすエリアを400に設定したのですが、加盟募集開始初年度で200エリアをクリア、その後も順調に増店などでエリアを広げており、現在「銀のさら」が出店可能なエリアは40を割っています。
ですので、たとえば東北エリアだと秋田県の店舗が最北になりますが、新たに青森県に出店するとなると、物流やヒトの問題もあって、ライドオンエクスプレスとしては正直そこまで積極的ではありませんでした。
そうですね。その加盟のお問い合わせが増えている背景には、ここ数年のフードデリバリー市場の拡大と、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、需要の高まりがあります。
今後も従来通りに戻るのではなく、どんどん社会環境も変わってくるはずですので、フードデリバリー事業の強みと、銀のさらのノウハウを活用したいという方がいるなら提供しようと、2020年10月からフランチャイズ加盟店の募集を再開することにしました。
詳しくはお伝えできませんが、飲食チェーンのお店を2~3店舗ほど展開している企業さんなどとすでに打ち合わせを重ねている状況です。
いえ、とくに飲食事業を展開している企業に制限しているわけではありません。なので、飲食未経験でもとくに問題なく加盟いただけます。
ただ、銀のさらを1店舗作るのに3500万~4000万円ほどかかるので、その点はクリアして頂く必要がありますね。
ロイヤリティは売上の5パーセントに設定されています。あと加盟金についてはエリア・期間限定で半額になっていますので、気になっている方がいらっしゃいましたらお問い合せください。
そうですね。現在フランチャイズ店舗は260店舗ほどあり、加盟企業数は約110社。つまり、ほとんどの加盟企業が2店舗や3店舗などと複数展開しています。またなかには「銀のさら」を30店舗も展開している企業もいらっしゃいます。
人材の問題を考えても、複数展開していたほうが融通も効きやすいんですよね。たとえば、この日はこのエリアで祭りがあるから、人員を強化して売上を取りに行くぞ、みたいな。
介護・福祉系や保育園を経営している企業、そして建築系の企業が飲食未経験で銀のさらに加盟してご活躍いただいています。
北海道では野菜の卸しをやっている企業も加盟しているなど、本当にさまざまな業界の企業が新規事業を立ち上げて銀のさらに加盟いただいています。
[PR]2022年に注目を集めたブランド30選
飲食未経験でも開業可能な充実研修と職人不要のシステム
そうですね。店長研修の期間は36日間で、店舗を運営していくうえで必要なノウハウを完璧に手に入れていただくため、店舗と同等の環境を完備した研修センターで行います。
そこでは魚の切り方をはじめとしたお寿司の作り方、そしてシフト作成、クルーさんとの関わり方など、いちから丁寧にお伝えしております。
じつは、私も飲食未経験で包丁すらもまともに触ったことのない状態で15年前に「銀のさら」の研修を受けましたが、最初こそ苦労しましたが、36日間でみっちり教えていただいたので、その後問題なく店長業務をこなすことができました。
そこはこだわってやっています! でも高校生や大学生のクルーさんでもできるようになりますので安心してください。この間ヘルプで入った店舗では、アルバイトとして入って5日目のクルーさんがすでに魚の切り方をマスターしていました。もちろん習得には個人差はありますけど。
魚の切り方については、魚に見立てた練習用に粘土のようなものを使って、ひたすら切る練習を反復していただきます。その後、実際の魚を使って練習します。
そうですね、酢飯を作る工程などはほとんど自動化されていますし、シャリも専用の機械で、ある程度まで成形をしてくれます。あとはマシーンから出てきたシャリの形を整えたり、馴染ませたり、ネタを乗せたりするだけなんです。マニュアルもありますし、ポイントを抑えれば誰でも簡単にできますよ。
他のお店でもシャリマシーンを使用すること自体は珍しくありませんが、ネタがシャリに馴染んでいなかったり、ネタをシャリにただ乗せているだけ、ということも少なくありません。銀のさらではひと手間加えることで、写真と同じクオリティで満足いただけるお寿司を提供しています。
他にも生物の解凍に他の寿司宅配チェーンでは使用できない専用の機械を導入するなど、職人の技術がなくても全国のお店で均一の商品を提供できるような、再現性を高めるための仕組みをがあるので未経験の方でも安心です。
そうですね。開業直後は我々SVが実際にフォローとして厨房に入ったり、指導のお手伝いをさせていただきますし、その後も定期的にお店に伺ってサポートさせていただきますので、研修が終わって「あとは、よろしくお願いします!」みたいな関係ではなく、二人三脚で良いお店作りをしていきたいと考えています。
そうですね。私はもともと銀のさらの加盟店で10年ほど店長をしていて、その後、運営元の「ライドオンエクスプレス」に転籍しました。転籍してからも4年ほど店長として働いていたので、店長経験はトータル14年になります。
私も加盟店で2年ほどアルバイトとして働いていて、その後にライドオンエクスプレスに入社しました。入社後はだいたい5年くらい店長として働いていました。
そうですね。銀のさらでは、ほぼ全員が早い人でも3年以上は店長経験を経てSVになっているので、どんどん頼っていただきたいですね。
はい。「エクスプレスフォーラム」といって、年に1回、全国の加盟店オーナー様、店長、クルーが一堂に介するイベントを開催しています。次回の2021年2月開催はコロナの影響でオンライン開催になりますが、通常は500~600人、多いときで1000人ほどが参加するビッグイベントです。
「エクスプレスフォーラム」では、表彰式や各店舗の1年間の成果発表はもちろん、事前に各エリアの予選を勝ち抜いた精鋭たちが技を競い合う「匠甲子園」の決勝戦を行ないます。
「匠甲子園」の予選を北海道や東日本、首都圏、関西、中四国・九州などのエリアごとに行なうんですが、その際に勉強会も一緒に開催しています。
あとは、デリバリー業ということで、自動車教習所みたいな施設をお借りして、警察の方をお招きして「交通安全研修会」も開催しています。ほかにもオーナー様はもちろん店長同士が交流する機会も年に数回はありますよ。
複合化戦略で安定基盤を構築! もう1つのシェアNo.1「釜寅」
「釜寅」は銀のさらの加盟店に複合展開として提案しており、現在199店舗を展開しています。ですので、銀のさらの店舗内の2-3坪のスペースで導入できるように、設備も省スペースで設計されており、別々の店舗で展開するよりも物件取得費を抑えられるほか、店舗設備・物流インフラ・人財を共有できるなどのメリットがあります。
また、釜飯全自動炊飯器という専用設計の機械で、注文をうけてからお米を炊きますが、具材を入れて釜をセットした後は、ボタン1つで勝手に火がついて13分後に停止します。あとは蒸らしている間に配達するだけのシンプルオペレーションになっています。
はい。どちらもデリバリーなのでお客様が「来る」のではなく、お客様のところへ「行く」業種なので、1店舗で複数の業態の営業が可能です。「お寿司を食べたい」というニーズと「釜飯を食べたい」というニーズは異なりますので、それぞれ専門店の看板を扱うことで1拠点の集客を最大化できます。複合展開の提案には、銀のさらの姉妹ブランド「すし上等!」というブランドもあり、こちらも150店ほど展開しています。
そうですね。もちろんメインの売上は銀のさらで、1ヶ月の平均売上は1店舗あたり650万~660万円ほど。釜寅は平均200万円ほどなので、その分が売り上げに上乗せされるイメージです。
ただし、同時に2ブランド開業となると最初は混乱してしまうので、まずは「銀のさら」に集中していただき、半年や1年が経って売上が安定してきてから釜寅を提案するようにしています。その頃には顧客もついてきていますしね。
複合化は売り上げ底上げだけでなく、店舗運営の安定にも繋がります。銀のさらは、他の飲食と同様に繁忙期や閑散期があります。少し極端ですが、年末年始の1週間で1年間の利益の半分くらいを稼いでしまうぐらい波があります。波があるとはいえ、人の確保はしないといけないので、釜寅でその間を補うという感じですね。
銀のさら同様に、宅配釜飯の市場を開ライドオンエクスプレスがリードしています。富士経済の調査では、宅配釜飯の市場では「釜寅」が全シェアの8割以上を占めるなど、売上・店舗数ともにナンバーワンに位置しています。2019年度には初めて全店での売り上げが40億円を突破するなど手応えを感じています。
ほとんどの方が2ブランド以上で展開されています。ただ、銀のさらがスタートした20年前に加盟いただいた加盟店が多く、そういった加盟店は「銀のさら」だけを運営していくつもりで物件を探し、運営しているので、釜寅がいかに省スペースで複合化が可能とといえど、スペースの関係で展開していない加盟店もいらっしゃいます。
今後加盟いただく方には、釜寅のスペースも考慮した物件で開業いただき、複合店舗を運営していただくかたちになります。
[PR]法人の多角化に最適
コロナ禍のデリバリー市場、ライドオンエクスプレスの今後
コロナ前は確かに採用に関して厳しい側面もありましたが、今はコロナ前と比べて2~3倍に応募が増えています。
もちろん、コロナの収束とともにまた状況は変わると想定しているので、ライドオンエクスプレスとして何もしていないわけではなくて、2019年から「銀のさら」のテイクアウト併設店をスタートさせています。これまではデリバリー専門店として、お客さまのご自宅などに伺ってお届けするスタイルのみでしたが、テイクアウト併設店では従来のデリバリーはもちろん、お客さま自身に店舗にお越しいただく形になります。
そうですね。どこもそうだと思いますが、とくにデリバリースタッフの採用が厳しくなっているので、お届けするだけでなく、お越しいただくテイクアウトも強化していこう、と。まだ直営店だけの展開ですが、今後フランチャイズで加盟していただく店舗にはテイクアウトも踏まえた店舗設計も提案し、人手不足の問題を解決していこうと考えています。
基本はデリバリー業態なので、お客さまが目の前で食べている姿は見ることができないんです。だからこそ、お客さまが喜んでいる姿を想像しながら、「あーでもない、こーでもない」と、こだわってでもいい商品を出したいと思っていただける方に加盟していただきたいですね。
お寿司ってご飯の上にお魚が乗っているだけで、みなさんが思っているより意外と単純なんです。社内では「凡事徹底」が浸透しているのですが、単純なことに最大限こだわってご提供しているからこそ「銀のさら」が生き残り、業界で圧倒的ナンバーワンのシェア率と売上を誇っていると考えています。
これに共感していただき、同じように凡事徹底していただける方、そしてお客さまと従業員の幸せを一番に考えられる、情熱を持った方に加盟していただきたいですね。
「銀のさら」はデリバリー業態なので、どんなオペレーションをしているのかイメージできず、不安に思っている方もいらっしゃると思います。
でも、当社には20年間培ってきたメニュー開発やマーケティングなどのノウハウがあり、 スケールメリットによる安価な食材調達や安定供給が可能です。そして、現場経験も豊富な我々SVが二人三脚でしっかりフォローさせていただきますので、ご安心いただければと思います。
当社の理念は「ビジネスを通じ、相手の幸せが自らの喜びと感ずる境地を目指す」というものですが、この理念にのっとって我々SVが全力でサポートさせていただきますので、一緒に力を合わせて切磋琢磨していけたらと思います。お気軽にお問い合わせください。お待ちしております!
[PR]飲食店ビジネス特集