株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役川上 健一郎
2015-10-19 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

加盟店の味方になる!?スーパーバイザーとの付き合い方

 このコラムのポイント

フランチャイズに加盟して継続的に密接につきあうことになるスーパーバイザー。彼らとうまく付き合うコツをフランチャイズ研究家でありオーナーの立場でもある川上健一郎氏に解説してもらいました。

フランチャイズWEBリポート編集部


成功しているオーナーはスーパーバイザーとうまくつきあっている!?

仕事柄、私は色々な本部の加盟店オーナーと話すことがあります。

その際に

「スーパーバイザーから指導がない。」
「スーパーバイザーが来ない。」
「うちの担当のスーパーバイザーはダメだ。」

のようなことを言われるオーナーがいらっしゃる事があります。

そのとき私はこのオーナーは非常に損をしているなぁ~と思います。

それはなぜか?
それはオーナーが成功するにあたり必要になる情報はスーパーバイザーが持っていることが非常に多いからです。

私もフランチャイズに加盟していますが、非常に多くの情報をスーパーバイザーの皆さんから頂いています。
また成功されている加盟店オーナーの多くはスーパーバイザーとの関係性は良好です。スーパーバイザーの協力なしに大きく成功しているというオーナーは稀なのではないでしょうか?

スーパーバイザーは加盟店の師匠。アドバイスは素直に実践しよう

ではスーパーバイザーとの付き合うにあたっての考え方をお伝えして行ければと思います。
そもそもスーパーバイザーとは何ぞや?と言いますと、加盟店オーナーがフランチャイズ店を運営して行くにあたり様々な指導やアドバイスをするその業態のプロフェッショナルのことを言います。仕事の内容は、わかりやすくいうと加盟店の売上や利益をあげてもらう為のアドバイスをすることが彼らの仕事です。

したがって、本来加盟店にとってスーパーバイザーは師匠といいますか非常にありがたい存在です。
私もフランチャイズ加盟店として事業を行っておりますが、技術や営業面等経験に基づいたアドバイスというのは非常に助かっていますし、自社が目標の実現をして行く上での大切な協力者だと思っています。

ただ、スーパーバイザーとの関係性がうまくいっていないというオーナーもよく見かけます。
典型的に多いのは、各本部のスーパーバイザーの方々というのは比較的加盟店オーナーの年齢より若い方々が多いケースがよく見受けられます。

その為加盟店側がスーパーバイザーの指導、アドバイスを素直に聞かない事によって結果的に良い結果が出ないという事をよく見受けられます。そう言った部分では、いくら年齢的には先輩と言え、その業界においてはスーパーバイザーの方々の方が経験値としては上なのです。

結果を出すという事が経営においては最優先事項です。上記のようなケースだと何の為にフランチャイズに加盟したかわかりません。そう言った部分では見栄、プライドという部分は一旦隣に置いておいてスーパーバイザーのアドバイスを素直に実践してみてください。

売上を上げたくないスーパーバイザーなんていない

また、たまにお話を伺うのはこういう方です。

スーパーバイザーの方々に聞いてもあそこに行くといつもオーナーからガミガミ怒られたり、無茶な交渉をされるというようなことを聞きます。
皆さんがスーパーバイザーの立場ならどうでしょう。

「今の結果は自分の実力、売上を伸ばす為にどうしたら良いか?」と自身を見つめ直そうとするオーナーと「自分の結果を本部のせいにしたり、文句ばっかり言っている」オーナーとだったら、どちらが応援がしやすいですか?

それは当然前者だと思います。

後者のオーナーでも様々な努力をされて、それでも結果につながっているオーナーもいますので一概には言えませんが、基本的なスタンスとしてオーナーは経営者です。

フランチャイズに加盟する事もどこのエリアで開業するかも最終的には全てオーナーが決めているはずです。

結果を出す為に次の一手は何が打てるか?

これを相談出来るのがスーパーバイザーです。

ですので、後者のようなオーナーにはそういうときこそスーパーバイザーをうまく活用して、結果につなげて頂きたいと思います。スーパーバイザーは基本的に加盟店の売上向上が仕事であって、売上を上げたくないスーパーバイザーなんて人は基本的にいないのですから。

そう言った部分では、スーパーバイザーとの関係性をいかに良好にし、彼らが持っている情報で自身に必要な情報をどれだけ集められるか?
というのは、フランチャイズ加盟店としての特権であり、なおやらない手は無いと思います。

やってもらって当たり前ではない。自から積極的にスーパーバイザーに尋ねるべし

色んな成功事例も失敗事例も、彼らスーパーバイザーは知っています。
なので私の場合はこんな事例無いですかね?っとよく聞いています。

知らない場合は他のスーパーバイザーに聞いてでも情報収集を行ってもらったり、調べてもらう事もよくあります。
レスポンスが遅い場合はもちろんこちらから連絡して確認します。

スーパーバイザーのレスポンスが遅いから~、等と言っていても最終的に困るのは自分自身です。

ロイヤルティーを支払っているのでやってもらって当たり前という感覚をお持ちの方もいらっしゃいますが、そう言う感覚の方はあまり良好な関係を創るには至っていないように思います。あくまでも自社が目標の実現をして行く上での大切な協力者だということを忘れずに対応して頂ければ良いかと思います。

全ての結果の責任は経営者であるオーナーにあります。
良い結果を導く為の最大の協力者であるスーパーバイザーは、早期に結果を出すにあたってのキーマンだという事を知った上で対応してみて下さい。
必ず関係性は変わってくると思います。

株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

福岡県嘉麻市出身。久留米大学法律学部卒在学中、学費や生活費を全てアルバイト代で捻出するため、株式会社光通信関連企業にて営業職に従事し、そのまま就職。その後家業の造船業を経て、2001年長谷川興産入社。加盟店開発の統括責任者として入社当時の200店舗から800店舗までを牽引。退社後は、コンサルティング会社を経て「日本のフランチャイズビジネスの成功率を10%引き上げます!」をミッションに2008年にディライト・ジャパン設立。現在、全国様々なフランチャイズ本部の本部支援コンサルティングを実施。