株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役川上 健一郎
2015-12-10 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

生涯現役で働くなら「手に職」が吉?技術職で独立するメリットとデメリットまとめ

 このコラムのポイント

体力がある限りは、生涯現役で仕事ができる。これが醍醐味の一つともいえる「手に職」のビジネス。脱サラする方にも人気なお仕事のひとつといえますが、こうした技術職のトレンドとは?、開業するメリットとデメリットとは?ということを、実際に技術サービスを提供するフランチャイズに加盟している川上健一郎氏に解説してもらいました。

フランチャイズWEBリポート編集部


技術職で独立するなら「個人の脱サラ」が多い!?実態をお話します

こんにちは。(株)ディライト・ジャパンの川上です。

今回は技術職で独立する―ひいては、フランチャイズに加盟するメリットとデメリットについてという内容でお話させて頂ければと思います。

一般的に技術職のビジネス(いわゆる手に職ビジネス、ですね)と言うと、法人の新規事業というよりも個人の脱サラで参入される方が多い業界かと思います。

ちなみに私は元々技術系のフランチャイズ本部に在籍しておりましたので、そう言った部分では良い所も苦労をされている所も見て参りました。本日はそのような経験も含めてお話出来たらと思っております。

技術職(手に職)のビジネスとは?女性起業なら「家事代行」がトレンド

まず、技術職のビジネスというとどういうものがあるか?事例を挙げてみたいと思います。

ハウスクリーニング
便利屋や家事代行サービス
・車や襖障子網戸の張替、コーティングなどリペアビジネス

フランチャイズ起業でも、比較的低投資で開業しやすいビジネスのため人気を集めています。

サービスが成熟してきている日本においては非常に成長している分野の一つといっても良いかと思います。
特に家事代行などは、女性の社会進出や単身高齢者の増加等によりマーケットが今後更に大きくなってくると言われている業界です。また、仕事的にも女性が求められるビジネスといえるでしょう。女性起業をお考えの方はぜひアンテナを張ってみてください。

技術職で独立するメリットとデメリット

ここでは、技術職で独立するメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

技術職で独立するメリット8つ

1.原価が低いビジネスが多いので利益率が高い
2.初期投資コストが小額で参入できる
3.毎月のランニングコストが低い
4.自分一人での開業も可能
5.手に職をつける事ができる
6.自由な時間に仕事ができる
7.現金商売が多い
8.体力が続く限り生涯現役

技術職で独立するデメリット5つ

1.属人的なビジネスのため、店舗を構えてだと多店舗展開が難しい
2.育てた職人が独立するリスクがある
3.人材を育てるのに時間がかかる
4.即戦力の採用が難しい
5.無店舗ビジネスの場合は集客力が弱いため、営業力が必要になる

技術職で独立する人に多く見られる特徴3つ

技術職で独立する方は、脱サラが多いと先に挙げましたが、彼・彼女らの具体的な特徴・傾向についてまとめました。

1.自分一人、もしくは家族で事業を運営したいと考えている
2.小規模の投資でスタートしたいと考えている
3.やればやるだけ収入に直結するビジネスに魅力を感じている

フランチャイズ加盟し、技術職で独立するために検討したいポイント3つ

1.集客・営業面

技術職で独立するにあたって、最大限留意しなくてはいけないのが集客面でしょう。
まず、無店舗ビジネスの場合、有店舗ビジネスと違い集客力が弱いですので、チラシでの告知活動やターゲット先への営業活動が必要になります。

無店舗ビジネスの場合は、イニシャルの開業資金が低資金で開業出来るものもありますが、その分集客面での労力が必要になる事業だと言えます。

したがってその営業手法、例えば、チラシのポスティングならそのポスティング自体をどの程度継続して実施しなければ行けないのか?

また、フランチャイズで開業する場合、それを実行するのは加盟店オーナーなのか?それが実現可能なのか?という部分でも検討して頂く必要性があるでしょう。

また不動産事業者等に対しての営業活動が必要な場合は、営業活動自体がなかなか苦手な加盟店オーナーもいらっしゃいます。
自分自身にあう営業パターンとあわないパターンもあります。

そう言った面では、営業活動の内容とそれを現実的に実行できるのか?ということはまずしっかり検討された方が良いかと思います。

2.技術面

2つめは技術面です。

弊社も技術系のビジネスをフランチャイズに加盟してやっております。そのため、重要性は非常に感じています。
飲食店で言うとここは料理の味の部分ですから、技術サービス系の場合は非常に重要です。

参考になるかはわかりませんが、弊社の場合は量をこなすことで品質をあげてきました。お店をオープンする前に友人知人に協力してもらい約15件程度の現場をこなしました。この時はもちろん無料で行ったのですが、現場のスタッフは悪戦苦闘していましたが、今となれば非常に良い経験をつめたと思います。

品質をあげて行く為には量をこなして行かなければ質は上がりませんので是非実施してみてはいかがでしょうか?
技術面に関しては、量をこなせば出来るようになるものも多くありますのでそう言った部分では自分自身に出来そうな技術かどうかも含めて検討してみて下さい。

3.開業後の本部の支援体制

これはフランチャイズなら、どの本部にも言える事かとも言えますが、開業後の支援体制がどうなっているか?という事です。
営業面での支援、人員面での支援、技術面の指導、新サービスの開発フランチャイズ本部は様々な後方支援を行っています。

そう言う意味では、どれだけ手厚い支援を準備しているか?
その支援で自分自身は十分かも含めて検討する必要もあるかと思います。

商品開発、サービス開発に関しては、専門的な部門をおいて行っているか?どのくらいの頻度で新商品やサービスがリリースされているか等も事前に知っておくとよいでしょう。

マーケット的にも拡大見込みがあり、成長段階にあるフランチャイズ本部も多いので、将来性も期待できそうなので今後が楽しみですね。

株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役 川上 健一郎

福岡県嘉麻市出身。久留米大学法律学部卒在学中、学費や生活費を全てアルバイト代で捻出するため、株式会社光通信関連企業にて営業職に従事し、そのまま就職。その後家業の造船業を経て、2001年長谷川興産入社。加盟店開発の統括責任者として入社当時の200店舗から800店舗までを牽引。退社後は、コンサルティング会社を経て「日本のフランチャイズビジネスの成功率を10%引き上げます!」をミッションに2008年にディライト・ジャパン設立。現在、全国様々なフランチャイズ本部の本部支援コンサルティングを実施。