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2017-05-14 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役
松下 雅憲 |
失敗も肥やしに変える!部下が『チャレンジした結果』を大いに誉めよう
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このコラムのポイント
「仕事は、結果がすべて」と言うと… 厳しいことのように聞こえますが、まさにこの『結果』を将来の自らを育てる肥やしにしていけたら素晴らしいことです。今回のコラムでは、上司が「失敗した部下を誉める」という一見誰もが驚いてしまう方法で、部下のやる気をグッと引き出す術を知ることができます。
フランチャイズWEBリポート編集部
失敗を誉める?そもそも失敗とは何か
「よし!!よく失敗した!えらいぞ!」
あなたは、こんな風に「失敗を誉められたこと」はありますか?
私はこんな風に誉められた記憶はありません。
恐らく、多くの人はそんな経験などしていないと思います。
もしも、あなたが上司から『失敗して誉められる』という経験をしていたなら… あなたの上司はとても素敵な人ですね。素晴らしいです!
まあでも、多くの人の場合『失敗』を誉められることなんて、常識的には無いことの方が多いでしょう。
しかし、『失敗』を「チャレンジの結果」つまり、「勇気を持ってチャレンジした結果、残念ながら上手く行かなかった」と、少し見方を変えてみたらどうでしょうか?
『成功』するには、必ず「チャレンジ」が必要です。
しかし、「チャレンジ」には 必ず「リスク」がつきまといます。
『失敗』という「リスク」です。
つまり、「チャレンジ」をしない限り『失敗』することはないのです。
「失敗」するということは、間違いなく『チャレンジ』をしたことになるのです。
誰も『失敗』を目指してはいません。
『成功』を目指して「チャレンジ」し、そして『失敗』しているのです。
その「チャレンジ」には、一歩を踏み出す、リスクに立ち向かう『勇気』が必要なのです。
だったら、その『勇気あるチャレンジ』は、誉められるべきものなのではないでしょうか?
「チャレンジ」を誉められるから、再びチャレンジをする『勇気』や『やる気』が湧いてくるのです。
部下のチャレンジを、過去の自分と重ね合わせてみる
もしも、「チャレンジ」したことについて「叱られたら」もうチャレンジなんかしたくないですよね。
せっかくわき上がり始めた『勇気』『やる気』をくじくことになるのです。
私たちが、未だ見ぬ成果や、未だ達成していない目標に向かって、それを何とかして達成しようとすると、何かしらの壁を越えなくてはならなくなることが多いのです。
そんな時に必要なのは、「よし!やってみよう!」「この壁を乗り越えよう!」という『勇気あるチャレンジ』なのです。
もちろん、チャレンジをしたからといって、毎回成功するとは限りません。
むしろ、失敗の方がはるかに確率が高いのです。
イチローでさえ、失敗の方が多いのですからね。
ユニクロの柳井正さんも「一勝九敗」と言われています。
上司も、店長も、あなたも、その立場に立つまでは、連戦連勝ではなかったはずなのです。
なのに、自分の部下やスタッフの「チャレンジ」に対する『失敗』は誉めないのです。
なぜなのでしょうか?
その失敗を成功に導くのは、上司の仕事
恐らくは、「失敗にも色々ある」ので「ダメな失敗をほめたら勘違いする」と思っているからなのではないのでしょうか?
もしかしたら、部下の失敗は「自分のマイナス評価」に繋がるとでも考えているのかも知れませんね… 確かに失敗にも色々あります。なかなか素直に誉めがたい「失敗」もありますよね。
「チャレンジが中途半端な失敗」
「準備不足による失敗」
「注意不足による失敗」
「無計画な失敗」
「無謀なチャレンジによる失敗」
「アドバイスを無視した失敗」
恐らくは、これらの失敗を誉めることに対する抵抗があるのではないかと思うのです。
いえいえ、これらの失敗も誉めちゃえば良いのです。
どんな失敗も誉めるのです。
そして、その失敗から何を学んだかを聴けば良いのです。
聴けば、必ず「失敗から学んだ事」が何かを考えます。
すると、「失敗から学んだ」ということを誉めることが出来ます。
そして、次はそれを踏まえたチャレンジ、つまり一歩成長したチャレンジをするようになります。
要は、同じ失敗を何度も繰り返さなければ良いのです。
しかし、誉めずに叱っていたらどうでしょうか?
失敗はしないかも知れませんが、チャレンジもしなくなります。失敗を怖れるようになるからです。
すると、部下の成長はそこでストップしてしまいます。…もったいないですよね。
だから…「失敗を誉めちゃいましょう」
次回は「部下の小さな成長を毎日伝え気づかせよう」というテーマでお話しします。お楽しみに!
- 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)