2017-09-03 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役
松下 雅憲 |
イライラ→爆発はコントロールできる!私が実践する『共感思考』のテクニック
膨らむイライラは『赤い風船』のよう…
「本に書いてあるような、赤い風船が私には見えないんです… どうすれば見えるようになるのでしょうか?」
私の本を読んだというセミナー受講者が、こんな質問をしてくださいました。
※赤い風船の話は、拙著「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)を読んでくださいね。P203です。
本の中身を簡単に言うと、
自分のイライラが限界を超えて爆発するのを防ぐ為に、「イライラし始めた自分は、こんな状態だよ!」と、赤い風船のイメージ写真を見ながら自分の状態を重ね合わせて、爆発前にその赤い風船を思い出して冷静になるという方法を身につけることが大切だよ… という内容です。
このように、本には、私自身がいつも感情をコントロールができているようなことを書いておりますが、正直言うと… 私とて、そうはいつもいつもきれいに赤い風船をイメージできているわけではないのです。
イライラが限界を超えることもあるし、赤い風船を思い出す前に瞬時に爆発してしまうこともあります。
神様じゃあないんですから、当然なのです。
でもね、この『赤い風船イメージ作戦』のおかげで、私は感情の爆発回数を、数年前の10分の1以下に出来ているのは事実です。
最盛期からすれば、20分の1以下でしょう。
すごいでしょ?(というか、以前がムチャクチャ短気だっただけのことかも知れませんが… )
では、せっかくですから、今回のコラムでは、この本には書いていない、私が最近やっている「自分の気持ちのコントロールテクニック」をひとつご紹介しましょう。
相手に対する感情をコントロールできる『共感思考』
【イライラ+爆発】
自分の感情をうまくコントロールできない時に、到達してしまうこの状態は、当然のことながら目の前にいる「部下」や「スタッフ」などの『相手』がいることで、彼らに迷惑をかけてしまいます。
… 当たり前ですよね。
一人で黙々と作業している時には、なんだかうまく行かなくてイライラが高じ、ついに爆発をしたとしても、基本的に一人ですから、別に誰かに迷惑をかけるわけではありません。(物を壊したり、騒音を立てたりなどという間接的な迷惑はありますが…)なので、好きに爆発させれば良いのです。
しかし、『相手』がいる場合は、この感情の爆発はさらにパワーアップしてしまいます。自分自身に対してだけで無く、相手に対する感情がプラスされるわけですから…
私は、この「相手に対する感情」を冷静に分析させることで、自分を落ち着かせるように工夫をしています。
その方法、いわば「自分の気持ちのコントロール方法 6ステップ」は
ステップ1)相手の「人間」に興味を持つ
ステップ2)相手の「感情」を観察する
ステップ3)相手の「立場」を理解する
ステップ4)相手の「立場」に同情する
ステップ5)相手と「自分」を比較する
ステップ6)相手の「立場」になって話(=相手の想い)を聴く
この1)から3)は、このコラムでもよく書いていることと同じです。(つい先日も書きましたね)
『相手軸思考』の基本ですね。
そして、4)から6)が、自分をコントロール…というか、自分を落ち着かせるコツの部分です。
たとえば、
1)この人はどういう人なんだろう?
2)怒っているのに、なんだか悲しそうな目をしているな
3)この人も職場や家庭でいろいろ抱えているんだろうな
4)つらいんだろうな。かわいそうだな。
5)それに比べて自分は幸せだよな~
6)かわいそうな彼にいちいち反撃するのもかわいそうだから黙って聴いてあげよう
このように、「相手軸思考+共感思考」を持って相手と接すると、たとえば、取引先の担当者が、いつも上から目線で偉そうに無理難題を言ってきたり、上司がガミガミ怒ったり、奥さんにうるさく言われても、いちいち腹を立てるのではなく、相手の立場に立って、「課長だからきっと部長にきついこと言われているんだろうなあ」「ご近所で何か嫌な事あったのかな」などと想像して、勝手に同情もしくは共感してあげれば良いのです。
これって、見た目の態度は、相手より低い位置にいますが、心の態度は結構上位にいることになります。これを逆にしてしまうと、嫌な奴になってしまうか、ケンカになるので要注意ですよ。
さあ、この6ステップを使って、向かってくるストレスをさらりとかわしていきましょう~
ほら、相手の目を見てみましょう… なんだか悲しそうな目をしていませんか?
きっと、口には出せない辛いことがあるんですよ(笑)
次回は「部下の仕事の満足度を高めたいのならば、まずは自分の満足度を高めていこう」というテーマでお話しします。お楽しみに!
- 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)