焼肉フランチャイズは儲かる?開業に必要な費用や本部の選び方も解説!

幸谷 亮 |2024年09月10日 公開
焼肉屋のフランチャイズ|儲かるかや開業費用など解説

焼肉フランチャイズへの加盟を検討しているものの、「儲かるのかな……」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。結論として、焼肉店経営をした場合の年収は、1店舗あたり500万から1000万円ほどが目安になります。

この記事では、焼肉店経営が儲かる理由やフランチャイズ加盟して開業した場合のメリット・デメリット、焼肉フランチャイズの開業に必要な費用などを紹介します。焼肉フランチャイズを検討している人は最後までお読みください。

焼肉店経営が儲かる理由5つ

さまざまな飲食業態があるなかでも、焼肉店が儲かるといわれている理由を5つ紹介します。

客単価が高い

焼肉店が儲かる理由のひとつは客単価の高さです。たとえばラーメン店の客単価は1000円程度といわれているなか、焼肉店では業態にもよりますが3000円から5000円ほどが見込めます。1万円の客単価を超える焼肉店も珍しくなく、ほかの飲食よりも儲かる業態といえます。

回転率が高い

回転率が高いことも焼肉店が儲かる理由のひとつです。たとえば「0秒レモンサワー®」が名物の焼肉酒場「ときわ亭」では、時間制の飲み放題を導入しています。制限時間がきたらお客様は退店するため回転率が高くなる傾向にあるのです。

また「焼肉ライク」では、焼肉とご飯・わかめスープ・キムチのみとシンプルなメニュー構成なので、注文を受けてから3分以内の提供が可能です。お客様の平均滞在時間は25分と通常の焼肉店の約4分の1で、高回転による客数増が見込めます。

フードロスが出にくい

焼肉店経営の魅力はフードロスが出にくい点です。肉は冷凍保存できるため、売れ残っても必ずしも廃棄する必要はありません。フードロスが多いと、その分、原価率が高くなります。しかし焼肉店はフードロスが出にくく原価率も抑えられることから、儲けやすい業態といえます。

老若男女から人気

焼肉は老若男女から人気の傾向にあります。国民食のひとつとして認識されているので、1年を通して集客が期待できます。また、最近では訪日外国人からの需要も高くなっていて、「WAGYU(和牛)」を求めて焼肉店を訪れるなど、焼肉人気はインバウンドまで広がっています。

ワタミが手掛ける焼肉フランチャイズの「かみむら牧場」では、A4ランク以上の黒毛和牛をお手頃価格で食べ放題できる点が喜ばれています。インバウンド需要も取り込むなら和牛はキラーコンテンツになりうるでしょう。

少人数で運営できる

焼肉店経営が儲かるといわれる理由のひとつは、少人数で運営できる点です。肉や野菜をカットしたり皿に盛り付けたりする必要はありますが、焼くのは基本的にお客様自身です。ほかの飲食業態と比べると圧倒的に調理にかける手間が少なく、人件費を抑えられることから、儲かりやすい業態といわれています。

焼肉店経営は本当に儲かる?年収の目安

気になる年収ですが、焼肉店を経営した場合、1店舗あたり500万から1000万円ほどといわれています。1店舗あたりの年収なので、複数店舗を経営した場合はさらなる年収アップが見込めます。

もちろん、店舗の規模やエリア、立地などによっても年収は変わってきますので、目安としてお考えください。

焼肉フランチャイズのメリット

オリジナルの事業で焼肉店を経営する選択肢もありますが、フランチャイズに加盟して焼肉店を開業することで得られるメリットがたくさんあります。ここでは焼肉フランチャイズのメリットを3つ紹介します。

未経験でも開業できる

焼肉フランチャイズの最大のメリットは経験がなくとも開業できることでしょう。通常、焼肉店を開業する場合、どこかの焼肉店で経験を積むのが一般的です。

しかしフランチャイズなら開業まで全面的にサポートしてくれるので、未経験や異業種からの参入でも問題なく開業できます。

ブランド力を使って集客できる

オリジナルの事業で焼肉店をオープンする場合、認知度はゼロからのスタートになります。認知度を高めるには時間や費用がかかり、思うように集客ができずに経営危機に陥ることも珍しくありません。

フランチャイズならすでに認知度があるので、オープン当日からある程度の集客が見込めます。また、認知度を高めていくための業務はすべて本部が担ってくれるので、焼肉店経営に集中できる点もフランチャイズのメリットのひとつです。

本部のサポートを受けられる

新規で焼肉店をオープンするとなると、立地選定からメニュー開発、採用までさまざまなノウハウが必要になります。

フランチャイズなら開業までサポートしてくれるのはもちろん、開業後も継続的にサポートしてくれます。基本的には本部のSV(スーパーバイザー)が店舗を定期的に訪れて指導・管理します。訪問する頻度はフランチャイズによって異なるので、事前に確認しておきましょう。

良い立地に開業できることがある

“売上の7割は立地で決まる”といわれるくらい、飲食店において立地は重要です。立地選定を間違えてしまうと、どれだけ魅力的な焼肉店でも集客できずに閉店してしまうこともあります。

一方、フランチャイズの場合は経験に基づいて立地選定をサポートしてくれるだけでなく、それまで築いた信用などから、個人では出店できない立地を紹介してもらえるケースもあります。駅前の一等立地や人気のフードコートなどに出店できれば、多くの集客が見込めて繁盛店として成功できる可能性もあります。

カルビ丼と火山うどんが名物の「カルビ火山」では、数多くの飲食店を開業し、成功させた物件調査ノウハウをもとに、独自ルートを駆使して最良な物件を紹介してくれます。集客力のある物件・商品があるからこそ高売上を実現でき、最短1年半の投資回収も狙えます。

焼肉フランチャイズのデメリット

多くのメリットがある一方で、人によってはデメリットに感じることもあります。ここではフランチャイズに加盟して焼肉店を開業する場合のデメリットを3つ紹介します。

加盟金やロイヤリティを支払う必要がある

フランチャイズに加盟するには、加盟金や保証金などさまざまな費用が必要になるだけでなく、加盟後も継続的にロイヤリティを支払わなければなりません。

自身でオリジナルの焼肉店を開業するよりも多くの費用が発生することをデメリットに感じる人もいます。

経営の自由度が低い

多くの焼肉フランチャイズでは、メニューや価格はもちろん、内外装のデザイン、営業時間などが統一されていて、消費者の多くはその“均一性”にメリットを感じて足を運んでいます。

加盟店の裁量で新メニューを提供したり価格を変更したりすることは基本的に認められておらず、自由度の低さをデメリットに感じる人もいます。

契約終了後も同じ業態で開業できない場合がある

多くの焼肉フランチャイズでは、契約書に「競業避止義務」を定めた条項が規定されています。競業避止義務とは、フランチャイズ契約期間中および契約解除後に同種または類似の業態、いわゆる競合する業態での営業を禁止することをいいます。

なかには、フランチャイズに加盟して経験を積み、将来的にはオリジナルの事業で焼肉店を開業しようと検討している人もいるのではないでしょうか。しかし「競業避止義務」によって禁止されているケースが一般的です。

焼肉フランチャイズの開業に必要な資金

フランチャイズに加盟して焼肉店をオープンする場合にハードルとなるのが資金です。焼肉フランチャイズを開業するのに必要な初期費用としては、数千万円から1億5000万円ほどです。フランチャイズによって費用は異なるので、開業前にしっかり確認するようにしましょう。

ここでは焼肉フランチャイズの開業に必要な資金の内訳と相場をそれぞれ紹介します。

加盟金

フランチャイズに加盟するときに本部に支払うお金が加盟金です。焼肉フランチャイズの場合、加盟金の相場は200万から300万円ほどになります。

保証金

フランチャイズ本部に一時金として預けておくお金が保証金です。たとえば資金繰りが悪化してロイヤリティを期日までに本部に支払えないときなどは、この保証金から充当されます。

保証金はあくまでも一時金なので、フランチャイズ契約を解除するときに返金されるのが一般的です。焼肉フランチャイズの保証金の相場は100万から300万円ほどです。

研修費

焼肉フランチャイズに加盟すると、開業前に本部が用意する研修を受けます。研修の日数は本部によって異なりますが、多くのフランチャイズが2週間ほどのカリキュラムを用意しています。

なかには長期にわたる研修を受けられる焼肉フランチャイズもあります。たとえば米が主役の焼肉店「肉のよいち」では、オープン前1ヶ月間の店長研修に加え、オープン前後2週間も本部からスタッフを2~3名派遣されるなど、立ち上げ前後をしっかりサポート。安心して開業できるのが魅力です。

オープン前の研修は本部または直営店で実施されることがほとんどです。その際の交通費や宿泊費も頭に入れておくと良いでしょう。なお、研修費の相場は本部によってさまざまですが50万から200万円ほどです。

店舗取得費

焼肉店を開業するには店舗を契約する必要があります。その際にかかる費用を総称して店舗取得費といいます。保証金や礼金、仲介手数料、前家賃などが店舗取得費に含まれます。

店舗取得費は物件の規模やエリアによってさまざまですが、賃料の12ヵ月分が目安になります。

内外装費・設備費

開業費の多くを占めるのが内外装費と設備費です。フランチャイズに加盟すると、本部が指定するデザインなどに内外装を施工する必要があります。また、厨房設備やテーブル、イスなどを揃えるにも多額の費用が発生します。

内外装費、設備費ともに本部によってさまざまですが、数千万円は見ておくとよいでしょう。0秒レモンサワー®の「ときわ亭」の場合、内外装費や厨房機器などをリース活用すれば700万円からと低投資開業も可能です。

その他開業費

上記で紹介した費用以外にも、設計管理費や物件調査費、採用費などが必要になる場合もあります。焼肉フランチャイズによって必要な費用は異なるので、加盟前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

焼肉フランチャイズの開業に必要な資格・届け出

焼肉店を経営するのに必要な届け出や資格を紹介します。フランチャイズであればいつまでにどんな届け出を申請し、どの資格を取得するべきか本部から指示されるはずですが、自身でも覚えておくようにしましょう。

【届け出】飲食店営業許可

「飲食店営業許可」は飲食店を開業するのに必要な届け出です。所管する保健所に申請し、営業許可を取得することで、店舗で調理したフードはもちろん、(24時までの)アルコールの提供ができるようになります。

【資格】食品衛生責任者

「食品衛生責任者」とは、飲食店などにおいて施設の衛生管理を担う責任者のことをいいます。法令(食品衛生法施行規則)により、1店舗に最低1人は「食品衛生責任者」を設置することが義務付けられています。

【資格】防火管理者

「防火管理者」とは、多くの人が利用する建物などにおける「火災などによる被害」を防止するため、防火管理にかかる消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行なう責任者のことをいいます。

すべての飲食店で取得が義務付けられているわけではありませんが、店舗の収容人数が店舗スタッフを含めて30人以上になる場合は資格取得が必須になります。

焼肉フランチャイズの選び方

焼肉フランチャイズに加盟する際にはどのような基準で選べばいいのでしょうか。ポイントを4つに絞ってご紹介します。

ブランド力で選ぶ

飲食店探しをしているときに、「知っているお店だから」という理由で決めたことがある人も多いのではないでしょうか。意思決定の大きな要素になりうるのがブランド力です。ブランド力が高ければそれに比例して集客が期待できます。

一例として、「焼肉ライク」では1人焼肉というユニークなコンセプトによる話題性も手伝って、テレビや雑誌など多くのメディアに取り上げられています。お客様への認知度も抜群で、1号店のオープン初日には大行列ができるほどの注目度だったそうです。

サポート体制で選ぶ

フランチャイズに加盟して焼肉店を経営するメリットのひとつが本部によるサポートです。未経験や異業種から参入できるのは、本部によるサポートがあるからこそ。

しかしサポートはフランチャイズによってさまざまです。SVによる訪問がないフランチャイズもある一方、ワタミが手掛ける「かみむら牧場」では3ヶ月に1回のスーパーバイザーによる巡回指導によって、店舗の運営状況を定期的にチェックし、必要なアドバイスや改善提案を行ないます。

開業費用で選ぶ

焼肉店開業の大きなハードルとなるのが費用です。1億5000万円もの費用を必要とする焼肉フランチャイズもあれば、リースなどを利用して1000万円ほどで開業できる焼肉フランチャイズもあります。

0秒レモンサワー®の「ときわ亭」では融資サポートも実施しているので、資金面に不安がある人は選択肢のひとつになります。本部からサポートを受けながら融資を受けた先輩オーナーについては、「製鋼業から異色の飲食事業へ!『0秒レモンサワーときわ亭』に惚れ込んだ社長を取材」の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

業態で選ぶ

ひと口に焼肉店といってもさまざまな業態があります。たとえば「かみむら牧場」は和牛食べ放題が人気を博している一方、「焼肉ライク」では1人焼肉のニーズを満たして話題を呼んでいます。

業態によって戦略なども異なるので、自身のビジョンや目的に応じ、業態を軸に選んでみてはいかがでしょうか。

焼肉フランチャイズの開業の流れ

焼肉フランチャイズのメリットや選び方などを理解したところで、ここでは実際に開業する際の流れを紹介します。イメージしながらご覧ください。

資料請求する

気になる焼肉フランチャイズがあったら、まずは気軽に資料請求をしてみましょう。フランチャイズWEBリポートでは多くの焼肉フランチャイズの情報を掲載しています。

事業説明会に参加

さらに詳細を知りたい場合は、本部が主催する事業説明会に参加します。オフラインで開催されている説明会もありますが、コロナ禍以降はオンラインによる説明会も数多く開催されています。

なかには「説明会に参加したら加盟しないといけない……」と思い悩む人も少なくないでしょう。しかし事業説明会はあくまでも事業への理解を深めることを目的に開催するのが一般的です。気になる焼肉フランチャイズがある場合は、気軽に事業説明会に参加しましょう。

事業説明会に参加しても加盟を決めきれない場合は、先輩オーナーから直接話を聞いてイメージを膨らませるのもありです。ただし、アポなしで店舗を訪れると、タイミングによっては迷惑になってしまいます。先輩オーナーの負担を減らせるよう、本部を通してアポイントを取るのがおすすめです。

物件探し

焼肉フランチャイズの場合、加盟契約前に物件探しがスタートします。エリア制を採用している場合、希望のエリアに出店できないこともあるので事業説明会のときなどに確認しておきましょう。

加盟契約(物件契約)

物件が決まったら、あとは本部とフランチャイズ契約を結びます。とくに本部に支払う費用や契約期間、更新料などについては重点的にチェックするようにしましょう。

設計施工・開業前研修

店舗の工事と並行して開業前研修を受けます。おもな研修内容はブランドの理念、店舗運営の基本、スタッフの採用・教育などです。期間や場所は本部によってさまざまなので、加盟前に確認しておくと良いでしょう。スタッフの採用も研修と並行する場合があります。

開業

すべてが終わったらいよいよ焼肉店の開業です。本部はあくまでもパートナーで、加盟店は独立した事業者であることを忘れてはいけません。フランチャイズとはいえすべてを本部任せにするのではなく、すべてにおいて自責の心を持って繁盛店を作りあげていきましょう。

焼肉フランチャイズで儲かるためには本部選びが最重要

焼肉店経営が儲かる理由やフランチャイズに加盟して焼肉店経営をするメリット・デメリットなどを紹介しました。儲かるためには本部選びが重要になってきます。

焼肉フランチャイズ人気ランキングTOP10!選び方やメリット・デメリットも解説」の記事で焼肉フランチャイズランキングTOP10を紹介しています。それぞれを比較しながら、ぜひ選んでみてください。

フランチャイズWEBリポートの幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。

焼肉屋のフランチャイズ|儲かるかや開業費用など解説

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