雇用保険の被保険者番号とは?提示のタイミングと再発行の手続きまとめ

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年10月24日 公開 (2019年11月07日 最終更新)
失業保険書類

退職や転職する際に必要になる保険や年金などの書類。中でもあまり意識することのない雇用保険には、被保険者番号というものが付与されます。しかし、日ごろは目にする機会がない番号のため、同じ会社に長く勤めている人のなかにはどのようなものかも知らないという人もいるでしょう。

そこで今回は、雇用保険の被保険者番号とはどのようなものか、番号がわからないとき再発行手続きを行なう方法などを説明していきます。

離職・転職する前に知っておきたい!雇用保険とはどんな制度?

雇用保険とは、雇用の安定や就職促進を目的とする制度です。失職したときに失業手当と呼ばれる基本手当が受給できるほか、早期の再就職を目指して、厚生労働省が運営する交渉職業安定所(ハローワーク)で職業訓練を受けられたり、職業相談などの支援を受けることができます。雇用保険には、一定の条件を満たす労働者は必ず加入しなければなりません。加入手続きは最初に就職した会社が行い、その際に雇用保険被保険者証が交付されます。

交付された雇用保険被保険者証は会社が保管し、退職の際に本人に渡されることがほとんどです。雇用保険には企業を示す事業者番号と従業員を示す被保険者番号があり、雇用保険被保険者証には被保険者番号が記載されています。

雇用保険の被保険者番号とは

雇用保険被保険者番号とは、雇用保険に加入した際に付与される11桁の番号です。この番号は継続して使い続け、たとえ離職して別の会社に再就職したとしても変わることはありません。「保険者証」というと、一般的な健康保険被保険者証のようなカードタイプを想像される人がいるかもしれません。しかし、雇用保険被保険者証は細長いチケットのような形の白い紙です。被保険者番号のほかは、氏名や生年月日などが記載されているだけのシンプルな用紙ですので、誤って捨ててしまわないように注意が必要です。

雇用保険の被保険者番号はいつ必要?提示のタイミング

雇用保険被保険者番号は、基本的にずっと使い続ける大切なものです。会社から被保険者証を受け取ったら、うっかり紛失することがないよう大切に保管しなければなりません。それは、どのようなケースにおいて被保険者番号が必要とされるのでしょうか。必要となるケースについて詳しく見ていきましょう。

なお、勤めていた会社を辞めるときには、雇用保険被保険者のほかに雇用保険被保険者離職票も渡されます。離職票は単に離職したという事実を示すためのものですが、名称が似ているため混同されることがあるため、気を付けましょう。雇用保険被保険者番号は、雇用保険被保険者証のほかに離職票にも記載されています。

失業保険の受給手続きをするとき

失業したときは、ハローワークで手続きをして受給資格の確認を受ければ、雇用保険の基本手当を受給できます。雇用保険が、失業保険と呼ばれることもあるのは、この基本手当があるためです。失業給付を受けられる条件は、離職日より前の2年間で雇用保険に通算12カ月以上加入していることと、手続きの際に、雇用保険に加入していたことを示すための被保険者番号があることです。

再就職をするまでの職業訓練を受けるとき

被保険者証番号は、ハローワークが行なっている求人情報検索サービスに登録する際や、教育訓練給付制度を利用する際にも必要となります。教育訓練給付制度とは、厚生労働省が指定する教育訓練を受講してすべての課程を修了した際に、支払った教育訓練費用の一部金額を補助してもらえるというものです。

転職をするとき

会社を退職したあと、別の会社に再就職する場合には、就職先に雇用保険被保険者被保険者証を提出する必要があります。なぜなら、転職先の会社が雇用保険被保険者番号を引き継いで、ハローワークで雇用保険再開の手続きをしなければならないからです。保険再開の手続きには被保険者番号がわかればいいため、被保険者証は原本でなくコピーを提出しても構いません。必要なときすぐに提出できるように保管しておきましょう。

なお、基本的に一度発行された雇用保険被保険者番号は変わりませんが、退職して雇用保険に加入していない状態が7年以上続いた場合は別です。ハローワークから番号が抹消されてしまいますので、それ以後に再就職したときは新たな番号の発行を受けることになります。

雇用保険の被保険者番号がわからない!不明な場合の対処方法

通常、雇用保険被保険者証は退職の際に会社から渡されます。ところが、何らかの理由で渡されなかったり、受け取ったもののうっかり紛失してしまったりすることもあるでしょう。ここでは、「雇用保険被保険者証がない」「被保険者番号がわからない」といったときの対処方法について説明していきます。

以前勤めていた会社に被保険者番号を問い合わせる

手元に雇用保険被保険者証がないことがわかったら、まずは以前勤めていた会社に問い合わせてみましょう。担当者がうっかり渡すのを忘れていたというケースもあります。そのときは、郵送してもらうようお願いするか、無理であれば会社まで取りに行きましょう。

また、雇用保険被保険者証を受け取ったあとに紛失したときも、以前の会社にデータが残っていれば被保険者番号を教えてもらえる可能性があります。番号がわかれば、ハローワークで雇用保険被保険者証の再発行が可能です。ただし、退職してから年月が経過しすぎている場合はデータが残されていないこともあるため、そのときはハローワークで直接手続きをする必要があります。

ハローワークで雇用保険被保険者証を再発行してもらう

先に述べたように、雇用保険被保険者証には雇用保険被保険者番号が記載されています。そのため、ハローワークで手続きして再発行すれば、番号がわかります。再発行してもらうのに料金はかかりません。ハローワークには、マイナンバーカードなど本人確認ができる身分証明書のほか、以前勤めていた会社の正式名称や住所、電話番号などがわかるものも持っていくといいでしょう。ハローワークでは、雇用保険被保険者証再交付申請書に必要事項を記入して提出しますが、この用紙はハローワークのインターネットサービスからダウンロードして印刷することも可能です。

被保険番号は、離職票にも記載されています。被保険者証と同様に、離職票もハローワークで再発行可能です。ただし、通常数分で終わる雇用保険被保険者証の交付と比べ、離職票の再発行は多少時間がかかる傾向があります。番号が知りたいだけであれば、再発行するのは被保険者証でいいでしょう。

経営者・役員は雇用保険に加入できるのか

雇用保険は、雇用された労働者のための保険です。そのため、経営者や代表取締役などの役員、個人事業主などは加入できません。もし、仮に会社が倒産したり廃業したりしたとしても、失業保険の給付を受けることはできないわけです。

企業によっては、社員から社長になる人もいますが、このときは、雇用保険を抜けなければなりません。雇用保険から抜けるのを忘れ、倒産や廃業によって失業保険の給付を受けてしまうと、不正受給となりますので注意が必要です。

役員・個人事業主が失業に備えるためにできること

経営者や個人事業主は、雇用保険に入れないので、失業に備えて「小規模企業共済」を活用するのもいいでしょう。これは、会社を退職したときや廃業したときに備え、生活資金を積みたてておける共済制度です。節税効果もあるため、経営者のための雇用保険として覚えておきましょう。

雇用保険の被保険者番号は重要な番号!適切に保管しよう

会社で働いているときはあまり意識することのない雇用保険被保険者番号は、雇用保険に加入していたことを証明する大切な番号です。失業給付を受ける際にも必要となります。転職に関する手続きをスムーズに行うためにも、紛失しないようきちんと保管し、必要なときにいつでも提示できるようにしておきましょう。

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