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2016-10-09 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役
松下 雅憲 |
繁盛店がやっている「テーブルでのご挨拶」その効果とは?
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このコラムのポイント
今回のコラムでは、お客様に「また来よう♪」と思ってもらえるお店になるために、店長自らがお客様とコミュニケーションをとっていくことの重要性とその効果について知ることができます。
フランチャイズWEBリポート編集部
レストラン店長から『お客様へのご挨拶』
「いらっしゃいませ。本日は、ご利用 ありがとうございます。
お味の方は、いかがでしたでしょうか?お口に合いましたか?
わたくし、このお店の店長をしております松下と申します。
これからも是非、当店をご利用下さいませ。宜しくお願い致します。」
札幌に本社を置く、あるイタリアンレストランの店長達は、皆このようなテーブルでの「お客様へのご挨拶」を行っています。
『テーブルでのお客様へのご挨拶』なんて聞くと、「うちはそんな高級店ではない」とおっしゃる声が聞こえてきますが… 実は、このイタリアンレストランは、いわゆる高級ホテルなどに入っている何万円もするような高級レストランではありません。
ごくごく一般的な気軽でカジュアルなイタリアンレストランなのです。
そんな気軽なレストランの店長が、テーブルを回ってお客様にご挨拶をする… もちろんお客様はビックリします。しかし、全てのお客様は、その直後、ものすごく温かな笑顔を返してくれるのです。なかには、思わずご自分のお名刺を渡して下さるお客様もいます。ビジネスマンなら条件反射ですね。
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お客様と『顔見知り』になることの効果
このように、名刺をお渡ししてご挨拶をすると、お客様は顔と名前を覚えて下さいます。
店長も、お客様の顔をしっかり観ることになるので、名前はともかく顔はしっかり覚えます。
つまり、その瞬間『顔見知り』になるのです。
顔見知りになると、さらにたくさんの効果が出てきます。
ランチタイムなどは、満席のため入口でお待ちいただいているお客様も、店長から顔見知りのお客様は、「いいのよ、いくらでも待ってるからね。忙しいから大変ね。がんばってね」と、逆に応援をしてくれたりもするのです。
客席にご案内し、秋のフェアなどを最初にご紹介すると、「もちろんそれにするわ!店長がお薦めしてくれたんだもの、食べなきゃね~」と、嬉しそうに注文して下さいます。
また、デザートなどの追加オーダーなどの獲得確率も大幅にアップするのです。
このようなご挨拶は、確かに高級で客単価の高いレストランでは、当たり前のようにやっています。
なぜならば、お客様との親しい関係を構築し、何度も再来店をしていただくことが。高級店の売り上げを支えているからです。
高級店は、グルメサイトのクーポンなんてやっていません。
メルマガもやっていません。
もちろん、駅前でのチラシ配りもやっていないのです。
彼らは、高度な接客により客単価を高め、さらに自然と再来店を促すようにお客様に接しているのです。
だから、お客様は、お店に対しても信頼を寄せ、より高いメニューを注文して下さりながら、さらに何度も何度も足を運んでくださるようになるのです。
「また来よう」と思わせる お店になるために
では、このような接客を、なぜカジュアル店はやっていないのでしょうか?
その理由は、経営者や上司が「自分のお店の店長は、そんなことなんてできないと思っている」からです。と言うか… 本当は「自分自身が、そんなことやったことない」ので「やれば効果がある」ことを知らないからです。
店長や料理長による、お客様へのご挨拶は「高級店なら当たり前」です。
彼らは決して特殊な人たちではありません。普通の人たちなのです。ならば、それをカジュアル店でもやってみたら良いのです。
カジュアル店の店長たちも、普通の人たちなんですからね。必ず出来ます。
それをやってみると… きっとお客様は驚き「この店なんだかすごいわね」と思っていただけます。すると、「デザートも食べたくなる」し、「また来よう」とも思うのです。
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スタッフも変わる!成長するお店になる
自分がご挨拶をするだけではなく、料理長やスタッフリーダー達もやり始めているのです。そんなお店の売り上げは、さらにどんどんと伸び始めています。
クーポンではなく、ディスカウントではなく、「店長によるご挨拶」で売上を伸ばす。
嘘みたいかも知れませんが、本当の話です。ぜひあなたも、チャレンジしてみて下さい。お客様もスタッフも表情が変わりますよ。