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2016-12-18 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役
松下 雅憲 |
ビジョンに共感できるスタッフが育つ!勤務時間外にもスタッフが集まる店
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このコラムのポイント
「この仕事をしたい」と思う理由は何であってもいい!気の合う仲間・一緒に夢を追いたい店長がいる、この店で働いていることを家族や友達に自慢できる、自分が愛してやまない商品をもっと多くの人に知ってもらいたい…etc. このパワーをお店の力として生かさない手はありません。今回のコラムでは、お店で従業員を一つのチームと考え、そのチーム力の高める一つの考え方について知ることができます。
フランチャイズWEBリポート編集部
仕事以外で、スタッフが店に来ること
「バイトは、仕事さえしてくれれば良い。ここは遊び場じゃあないんだ。」
こう言うことを言う店長がいます。
そんな店長は、シフトに入っていないスタッフが事務所や店に遊びに来ると、とたんに嫌な顔をします。
そして「仕事以外では、店や事務所に来るな」と言います。
気持ちは良く分かります。
きっと、そう言う店長は、スタッフが遊びに来ることで何かしらの悪い影響が出ることを恐れているのでしょうね。
でも、私は、仕事以外でも、もっと気軽に自分の働く店を利用できる雰囲気があった方が良いんじゃあ無いかと思っています。
心配の種、その本質が何かを考えてみる
たしかに、店や事務所が、スタッフ達の「溜まり場」になって、非行の温床にでもなったとしたら、それはそれで大変なことです。もちろん、そんなことは、あってはなりません。
しかし、店長が目指す「ミッション・ビジョン」にスタッフが共感をしているのならば、そんな悪い意味での溜まり場にはなりません。大丈夫です。
もしかしたら、店長は、忙しいときにスタッフが連れ立って遊びに行くような計画をするんじゃあ無いか?と心配しているのかも知れません。
もしそうだとしても、そんな相談は、別に事務所に集まらなくてもできるのです。ファーストフードやファミレスがあるし、LINEもあるのです。事務所は関係ありません。
「その時間にお店で働いているスタッフに失礼だ」と言う人もいます。
事務所にいることがなぜ失礼になるのでしょうか?
別に邪魔をしているわけではありません。
「公私の区別が付かなくなる」と言う人もいます。
でも、私は逆に聞きたい。
「公私の区別を付けること」に何か意味があるのでしょうか?
仕事がスタッフの誇りになることの重要性
私は、むしろ公私を一緒にするくらい、スタッフ達が仕事場を自分の居場所、仲間と楽しく過ごす場所になってくれる方が、もっと良い別の効果があるように思っています。
例えば、友人に恋の悩みの相談をする。
例えば、大学生が高校生に勉強のアドバイスをする。
例えば、若いスタッフがパートのお姉さんに人生相談をする。
例えば、就活中の学生が店長に就職活動についての相談をする。などなど…
私はお店のスタッフが、自店舗をプライベートで利用することも大歓迎していました。
スタッフが、一番のご贔屓さんであっても良いのです。
スタッフが、親兄弟や旦那さんや子ども達をつれて来店することをとても楽しみにしていました。むしろ、スタッフが、プライベート利用しないお店の方が心配です。
自分達が働いているところを見せることが出来ないのかも知れないんですからね。
お店のスタッフは、学校や家族とは違い「この店で働いている」というチーム意識と店長が目指すミッション・ビジョンへの共感性を共有している「仲間」なのです。
そんな仲間とのたくさんのコミュニケーションは、お互いを深く知る助けとなり、それが仕事にも活かされます。
スタッフに選ばれる店を目指して
私の勝手な憶測かも知れませんが、仕事以外の関係に嫌悪感を持つ店長は、もしかしたら、スタッフをただの作業マシンのように思っているのかも知れません。
そんな気持ちでスタッフを見ていたら、スタッフも割り切った仕事しかしなくなります。それではせっかくのスタッフの力を十二分に活かせるわけがないのです。
店という場所は、「ミッション・ビジョン」を共感する仲間が集まっているところです。
公私の区別なくお互いに影響をしあうことで、若いスタッフは年長のスタッフのよい影響を受けることが出来ます。そして、それは、やがて、自分の後輩の入店の際に引き継がれることになるのです。
公私の区別がないくらい仲の良い人間関係を作ると、彼らはより結びつきの強いチームとなります。
拙著「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)にも書いたような、例えば「誕生日をお祝いすること」は、その一環です。
そう言うイベントをきっかけにして、より結びつきの強い濃いチームを作っていきましょう!店長の仕事がもっと楽しくなりますよ!
次回は、「新人の初期退職は3日目のオリエンテーションで防ごう」と言うテーマでお話しします。お楽しみに!
- 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)