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2017-02-05 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
株式会社PEOPLE&PLACE 代表取締役
松下 雅憲 |
部下の考えを引き出す!オープンクエスチョンを活用しよう
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このコラムのポイント
相手に投げかけた質問に対して、自分が求めていた答えや期待以上の答えが還ってくる。そんな信頼関係をビジネスでもプライベートでもしっかりと築けたなら、個々の能力を生かせたり、チームとしての推進力も高まるというものです。今回のコラムでは、質問者の意図を意識的に「伝える」、相手から自分が本当に求める答えを「引き出す」質問の発し方について知ることができます。
フランチャイズWEBリポート編集部
「相手の考えを引き出したいのならば、オープンクエスチョンで質問しましょう」
私が行うリーダーシップセミナーなどでは、積極的に『オープンクエスチョン』を使って部下に質問するようにしましょう、とおすすめしています。
欲しい答えを引き出す「質問」
『質問』には、大きく2つの種類があります。
『クローズドクエスチョン』と『オープンクエスチョン』です。
クローズドクエスチョンとは
「ハイ・イイエ」で答えられる質問のことを言います。
例えば「〇〇さんは、日本の首都はどこか知っていますか?」という聴き方です。
こう聴かれると「ハイ」と答えますよね。知っているか知らないかを尋ねているのですから「東京」という答えではなく、「ハイ・イイエ」で答えることになります。
オープンクエスチョンとは
「相手の考えを聴く質問」のことを言います。
例えば「〇〇さんは、日本の首都はどこだと思いますか?」と言う聴き方です。
こう聴かれると、東京と知っていれば「東京」と答えることになります。
聴き方はよく似ているのですが、オープンクエスチョンで聴くと、相手がどの様な考えや知識を持っているかを知ることができるのです。
相手に「瞬時の判断」を求める 質問
ところが、世の中の店長達の多くは、無意識に前者の『クローズドクエスチョン』を使って尋ねることが非常に多いのです。
「〇〇さん、できましたか?」
「〇〇さん、Bさんって今日は休みだっけ?」
「〇〇さん、いま忙しいですか?」
「〇〇さん、Sさんと話をしましたか?」
「〇〇さん、昨日は売上予算達成しましたか?」
「〇〇さん、今の話を聴いていましたか?」
これらは、すべて「ハイ・イイエ」の答えを求めている『クローズドクエスチョン』です。『クローズドクエスチョン』は、すぐに相手の「反応」を得ることができるので、急いでいる時には有効です。
しかし、相手に考えさせる余裕は与えません。また、聴き手の心理としては「ハイ」つまり「イエス」「賛成」「肯定」しか求めていない事が多いのです。怖いですね。
相手に「意見」を求める 質問
一方で、『オープンクエスチョン』の方は、相手がどう思っているのか?どういう風に理解しているのか?などを把握することができます。
それを確認した上で、次の対処をすれば良いのです。そうすることで、自分と相手の相互のマッチングをしやすくなるので、結果として一方的にはなりにくいのです。
しかし、この『オープンクエスチョン』でも、ひとつだけ注意をしておかなくてはならないことがあります。それは、「あなたが先に意見を言ってはいけない」という事です。
相手に「筋書き通りの答え」を求める 質問
上位職であるあなたが、先に意見を言ってから「どう思いますか?」と『オープンクエスチョン』で聴かれても、それは「同じ意見を言いなさい」に等しい質問になります。
つまり「ハイ・イイエ」で答えさせる『クローズドクエスチョン』と同じ効果なのです。
一見「オープンクエスチョン」を使って、相手の意見を聴いているように見えても、これは非常に巧妙な罠なのです。その罠の効果をよく知っている上司は、わざとこう言う方法を使います。
言い換えれば、一種の誘導尋問ですね。怖いでしょ。
何を聴きたいか? 相手に何を語らせたいか?
質問者の意図を明確にしよう
しかし、そんなこわい方法を使わなくても、先に部下の意見を聴くことで、あなた自身も「なるほどな」「そう感じているんだね」と、相手の気持ちを知ることができるのです。
結果的には、その方がより深く部下の信頼を得ることができます。
さて、あなたはどの様に部下への質問をしていますか?
自分でわかりにくかったら、周りの人に聴いてみましょう。意外と無意識に怖い聴き方をしているかも知れませんよ。
次回は「部下の上手な叱り方」というテーマでお話しします。お楽しみに!
- 参考「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」松下雅憲著(同文舘出版)
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