コロナ禍開催のフランチャイズ・ショーはどうだった？2021年のトレンドをチェック

153社が出展したフランチャイズ・ショー2021東京には飲食業をはじめ、福祉、教育、理美容・エステ、フィットネス、買取、清掃、コインランドリーなどさまざまな業種業態のビジネスが集結。今年充実しているように感じたのは、中食ビジネスと美容・エステ系の出展でした。そんな会場の様子を紹介していきます！

新型コロナウイルスの影響による、テイクアウトやデリバリーといった中食需要の高まりを背景に、身近で中食ビジネスに参入する店舗が増えていないでしょうか？

実際に今回のフランチャイズ・ショーでも、中食で人気のからあげ専門店ブランドから「からあげの匠」や「から揚げの天才」など、からあげだけで5ブランドが出展しており、加盟検討者で賑わいを見せていました！

からあげ専門店に対する注目の高さが伺えたのは、会期初日の2021年3月9日に開催された「からあげの天才」の本部ワークショップ。コロナ禍にもかかわらず80名の定員をオーバーし、立ち見が続出。

それもそのはず！なんとこの「からあげの天才」は複数の外食や宅食を手掛けるワタミグループとテリー伊藤氏がコラボした唐揚げブランドで、ワタミ会長の渡邉美樹氏とテリー伊藤氏のトークショーが行われていました。

その他にもからあげブランドといえば、TBSの「坂上＆指原のつぶれない店」などの各種メディアで取り上げられ、注目を集めている「鶏笑」など、フランチャイズ・ショーに出展していませんでしたが、注目されているからあげブランドも数多くあります。

同じ「からあげ」でもブランドによってそれぞれ味や揚げ方に特徴があるので、実際にフランチャイズ加盟を検討する際は、自身で食べ比べてみるといいですね！

からあげ専門店業態はもちろん、その他のブランドも多数出展していた飲食ビジネス。

2020年10月に1号店を白金にオープンした「OUR KITCHEN」は、コロナ禍で増えてきている、実店舗を持たずデリバリーのみで料理を販売するクラウドキッチン（ゴーストレストラン、バーチャルレストラン）です。今回フランチャイズ・ショー初出店ということで本部に話を伺ったところ、テナント内に入る飲食ブランド募集時に2週間で70組から応募があったとのこと。

「OUR KITCHEN」には、オリジナルブランドの飲食店を開業したいけど初期投資をかけれないと悩んでいるシェフが、通常の1/10程度の出店費用で自身の飲食店を持つことができるため、飲食店経営に参入しやすい仕組みが整っています。もちろん手持ちの物件が空いている不動産屋などがクラウドキッチンのオーナーになることもできたりと、2方面での募集を行なっているようです。今後実店舗を持たずに、デリバリーを専門とするクラウドキッチンやゴーストレストランが増えると考えられるため、ますます募集も増えそうです。

その他にも、様々な有名ブランドとコラボする催事販売・キッチンカーのフランチャイズを手掛ける「MIGホールディングス」や、相席屋がプロデュースする1対1の相席ラウンジ「THE SINGLE」など、目を引くブランドの出展もありました。

また、今年は例年あったフードコートはありませんでしたが、飲食チェーンのブースでは試食も実施しているブースもありました。試食のあるブースは今年も盛り上がりをみせ、行列ができていました。味を知ることはもちろん、展示会中の息抜きとして試食を楽しみにしている人もいるのではないでしょうか！

フランチャイズWEBリポートでも、昨年対比でみた2020年の各業種業態への問い合わせの成長率は、中食ビジネスが140％を超えていました。

「コロナ禍で中食の利用傾向」を聞いたアンケートでも、コロナ収束後もテイクアウトやデリバリーを引き続き利用していきたいと回答した方が全体の90％を超えるなど、今後も引き続き利用者に求められる業種と思われるので、ビジネス検討をしてもよいのではないでしょうか？

さらに今年はエステ系のビジネスも揃っていました。コロナ禍で外出する機会が減り、その分のお金などを「自分磨き」に使っている女性も多く、自己投資先として需要が高まっているエステ・理美容。

物販をメインとしたサロン「ミスエステ」の本部に話を伺ったところ、美容関係ビジネスはコロナショックの影響も少なく、人口や立地に関係なく集客できるため異業種からも参入しやすいとのこと。特に1度使うと使い続けることの多い基礎化粧品などの化粧品販売は、売上が下がりにくいのだとか。

その他にも、ホストのROLANDが経営する男性専用脱毛サロン「ROLAND Beauty Lounge」をプロデュースしている「エストラボ」や、カラーリング以外のブローといった一部工程をセルフにすることで【美容師の技術】と【ホームカラーの手軽さ・安さ】を融合させた「スマートカラーKirei」などが出展していました。

ここまで中食やエステを中心にご紹介してきましたが、展示会場ではもちろんその他に数多くの業種業態からさまざまなブランドが出展していました。一部ですが写真でご紹介していきましょう。

テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」で、コロナ禍の飲食チェーン新しい挑戦として特集されていた「テガルデリバリー」。実店舗を持たず、デリバリーのみを専門として営業する今注目のバーチャルレストランを、コロナ以前からフランチャイズ展開しているブランドです。

中食を取り入れたい外食店や、バーチャルレストランを運営したい経営者などで常にブースが賑わっていました。

観光客向けでは？と思われるようなレンタカービジネスや、時短営業の影響を大きく受けた外食ブランド、その他コロナ禍での売上が気になるブランドに直撃インタビューもしています。こちらの内容については後日記事を公開するのでお楽しみに！

フランチャイズ・ショーでは出展しているブースをまわる以外に、来場者向けに開催されているセミナーやワークショップでさまざまな学びを得ることができます。

先程ご紹介した「からあげの天才」の本部ワークショップだけでなく、会期2日目の3月10日には、コロナ禍での注目ビジネスである「ブルースターバーガー」のセミナーも開催。ブルースターバーガーは、焼肉ライクを手掛けるダイニングイノベーショングループの新たな飲食ブランドで、フードテックを駆使したIT活用×完全非接触のテイクアウト専門ハンバーガー店です。

こちらのセミナーももちろん満員御礼！立ち見するスペースすら埋まってしまい、来場者もその場でオンライン視聴を勧められるほど大注目のセミナーとなりました。

牛角の創業者であり「外食の神様」とも呼ばれる西山知義氏が登壇したこちらのセミナーは、4月末までオンラインで見逃し配信されているので、ぜひチェックしてみてください！※オンラインでの見逃し配信を視聴するには別途「フランチャイズ・ショーOnline」への参加登録が必要です。

今回のフランチャイズ・ショー2021に行かなかった、という方にとって会場の様子は気になるところだと思いますが、実際に展示会に行った人がどのようなことを思って来場したのか、というのも気になるのでは！？特に今回はコロナ禍というだけでなく緊急事態宣言中ということで、来場を断念したという方もいるでしょう。

そこでウェブリポ編集部は、実際にコロナ禍でどのような方が来場しているのか？という疑問を解決するため、来場者の方々にフランチャイズ・ショーへの来場目的や、フランチャイズ加盟で重要視するポイントについてインタビューを実施しました。

フランチャイズ・ショーの来場者の中には法人個人問わず経営者も多く、既存ビジネス以外の新たな収益を探しているという方もいます。そういった方々がコロナ禍でフランチャイズに求めていることや、フランチャイズを選ぶ際に重要視するポイントについて伺っています。

最初にお話を伺ったのは、ダーツマシンやカラオケ機器などアミューズメント機器のリース事業を経営しているというこちらの男性。フランチャイズ加盟で重要視するポイントは「サポート力」でした。

新規事業に飲食事業を検討しているということで、今回のフランチャイズ・ショーでは、一人焼肉のファストフード「焼肉ライク」やナポリタン専門店「スパゲッティーのパンチョ」など尖ったコンテンツのあるブランドが気になったとのこと。

フランチャイズ加盟検討で重要視するポイントとして「事業が成り立つこと！！」とお答えいただいたのは、ショッピングモールのテナントリーシング事業を担当しているという法人のおふたり。

事業が成り立つことというのはビジネスとして基本のような気がしますが、どういうことなのでしょうか……？

その他にお話を伺ったのは、フランチャイズ・ショーに初めて来場したという男性。現在建築業を経営しており、新しいビジネスとして在庫を抱えないサービス業を検討しているということでした。

こちらの方以外にも、フランチャイズ加盟の経験が無いからリスクを抑えるために初期投資を抑えたいというアパレル関係者や、脱サラを考えているからイニシャルコストは抑えたいという意見もありました。

やはりコロナ禍であっても立ち止まらず、引き続きビジネスを検討している方は多くいるようです。展示会場ではコロナ禍でのビジネス検討に関するインタビューとなりましたが、ウェブリポではすでに加盟して活躍中のオーナーにも取材しています。

コロナ禍で開業したり、運営を続けているフランチャイズ加盟オーナーに「この状況下でなぜ？どのように？」といったことを聞いていますので、こちらもチェックしてみてください。

インタビュー内容に取り上げてはいませんが、取材中にはいままで気にしたこともなかったブランドと出会えたり、会場の全体感や人の集まりを見ることでビジネスのトレンドをつかめたという意見もありました。

フランチャイズ・ショーは「日経メッセ」の一つとして開催されており、同ビッグサイト内では同時開催で、「JAPAN SHOP」や「建築・建材展」、「リテールテック」など人気の展示会も併設されています。

今回来場者に取材を通じてお話を聞いていると、併設の「JAPAN SHOP」や「建築・建材展」を見たついでに、なにか良いビジネスがないかと思ってフランチャイズ・ショーを覗きに来たという声も多く寄せられました。逆にフランチャイズ・ショーをメインで見に来て、他の展示会も気になって見に行ったという声もありました。

そういったフランチャイズ・ショーが主目的ではなかったという来場者の方々からも、昨今の情勢を鑑みて、思ったより飲食ブランドの出展が多かったという声や、在庫を抱えずに異業種でも参入しやすい美容系の検討はありかも、という意見も上がっていました。

このような、ふとした出会いや気付きというのは、展示会ならではの魅力ではないでしょうか？

2021年6月10日（木）～11日（金）には、インテックス大阪で「フランチャイズ・ショー2021大阪」も開催されます。これまで開催会場が遠い、などの理由で来場を見送っていた方は、大阪で開催されるこの機会に足を運んでみてください！

ビジネスを検討するなら情報収集として最新情報を見逃さないようにすることも重要です。新着のフランチャイズ募集だけでなく、加盟オーナーや本部へ取材した記事などを定期的に公開していますので、こちらも情報収集としてご活用ください！

フランチャイズWEBリポートでは、フランチャイズビジネスの紹介だけでなく、加盟オーナーへの取材記事、開業に必要な情報を紹介しています。スマホからの手軽な情報収集に活用いただけます。