キッチンカーを使った移動販売は儲かる?失敗の理由から成功のポイントを学ぶ

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年10月19日 公開 (2020年03月27日 最終更新)
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店舗を構える飲食店と比較して、キッチンカーを利用する移動販売は初期投資が少ないため開業しやすいという特徴があります。そのため、飲食ビジネスをやりたいと考える方の中には、移動販売から始めようという方も多いのではないでしょうか。そこで、移動販売を開業するうえで、必要な開業費用や成功のポイントについて解説します。

店舗型より開業しやすい! 移動販売で開業するメリット

家賃がかからない

通常の飲食店よりもランニングコストや運営経費を抑えられることが移動販売のメリットとして挙げられます。車で移動しながらの営業となるため、店舗を構える必要がなく、家賃がかからないことが特徴です。物件取得費がないので、初期費用を安く抑えられます。

客のいる場所に移動できる

移動販売の場合、数年・数十年と長期間にわたり特定の場所で営業をする必要はなく、自由に移動できます。車で移動できることで、オーナー自らお客さんが集まる場所に出向くことが可能です。通常の飲食店を開業した場合、立地選びに失敗したとしても簡単に移動できません。しかし、移動販売であれば集客効果が低いと判断した際、スムーズに場所を変えて営業できます。

営業時間が調整しやすい

移動販売で営業していると、営業時間を自分の都合や出店した場所の客層などに合わせて調整がしやすいこともメリットとして考えられます。通常の飲食店を営業する際、基本的には営業時間を変えずにお店を開けておく必要がありますが、移動販売であれば時間の調整がしやすく、イベント期間中などは集中して効率的に販売できます。

いくらあれば始められる?移動販売の開業費用

移動販売は、販売する商品と車だけを用意すれば良いと考えている人もいますが、実際にはもっと多くの項目に費用がかかります。

移動販売で開業する場合、通常の店舗型と比較すると費用は抑えられますが、300〜500万円程の費用がかかります。内訳は、車両代、駐車場、調理機器、許可取得と開業資金です。規模によって差があるものの、カフェの開業費用が1000万程度の相場であることを考えると、移動販売は比較的少ない資金で始められるといえるでしょう。

移動販売の平均年収

移動販売の平均年収は700万円程度といわれています。しかし、平均年収は一部の高額を稼いでいる人たちによって引き上げられているので、年収400万~500万円程度というのが一般的な数字でしょう。 収入を予測するためには、必要経費と販売目標数から想定される収入を逆算する必要があります。

たとえば、1個350円の商品を1日に100個売るという目標を設定した場合、1カ月に20日間出店するとすれば、想定される売り上げは月に70万円です。年間を通しての売り上げは840万円となりますが、ここから必要経費を差し引いて年収を計算しなくてはなりません。

このように、どれくらいの収入が期待できるのかということを事前に把握しておけば、経営がうまくいかないといったリスクにも備えることができます。

どんなものを販売できる?移動販売の種類について

移動販売で主に販売する種類は、本格的な食事や軽食、飲料のみ、スイーツのみなど多岐にわたります。 本格的な食事であれば、タコライスやオムライス、お弁当やカレー、うどんやパスタなどが挙げられます。軽食はおにぎりやサンドイッチ、焼き立てパンなどが良いでしょう。手軽に楽しめることで人気があるのは、フランクフルトや唐揚げ、焼き鳥やフライドポテト、たこ焼きなどです。 ドリンクやスイーツ専門店にするのであれば、タピオカドリンクやスムージー、アイスクリームやクレープ、ソフトクリームなどがあります。季節によって取り扱う商品の種類を変えるのもいいでしょう。

移動販売の開業に必要な資格や申請を解説!

移動販売の開業をする際には、必要な資格や、申請を行わなければならない内容もあります。まず、開業届を提出することから始めましょう。

移動販売も飲食店であることに変わりはないので、食品衛生責任者の設置と管轄の保健所へ営業許可を申請しなければなりません。食材の仕込みが必要な場合、作業は営業場所のみで許可されているため、自宅での仕込みは行わないように注意が必要です。

また、道路で営業をする際には、すぐに移動できない状態の場合のみ警察署の許可が必要です。

移動販売の営業許可は2種類!「調理営業」「販売業」の違い

移動販売車の中で調理を行う場合は「調理営業」としての営業許可を受ける必要があります。一方、移動販売車の中では調理をせずに、調理済みの商品の販売のみを行う場合は「販売業」としての営業許可が必要となります。

なお、「調理営業」の営業許可では生ものを取り扱うことができず、必ず加熱処理を行わなければなりません。しかし、「販売業」の営業許可を受けていれば、保管設備などの規定を満たすことで生食用の魚介類なども取り扱うことができます。

このように、2種類の営業許可のうち、どちらが適しているのかは販売スタイルによって異なります。そのため、自分のスタイルに合った営業許可の種類を選ぶことが大切だといえるでしょう。

保健所のチェック項目

移動販売の営業許可を申請すると保健所のチェックを受けることになりますが、このとき使用する営業車は構造や設備に関する一定の基準をクリアしていなければなりません。

先述の2種類の営業許可の取得に必要な共通のチェック項目としては、まず「耐久性や耐水性が十分な構造である」という点が挙げられます。また、「使用目的に応じて車内が区画されている」「床や内壁、天井などが掃除しやすい構造になっている」「十分な明るさが確保できている」といった点も重要なチェック項目です。その他に、手洗い用設備や廃棄物容器の設置などについてもクリアしなければならない条件が定められているので、事前に確認しておく必要があるでしょう。

移動販売の開業前にチェック!出店できる場所

移動販売で出店できる場所はいくつかありますが、特にマルシェやフェスなどのイベント会場は人気があります。イベント会場付近では、自分だけで集客できないほどの人数が集まるため、知名度と売上をあげるためには非常に重要な場所です。イベント出店は1年間の出店回数自体は少なく、休日が中心となります。 フェスやマルシェといった大型イベントへ出店するためには、イベントそのものへの出店者を募集しているページから応募をしましょう。全国的に有名なイベントでは抽選になることも珍しくありません。しかし、一度出店して人気があった場合、再出店の声掛けがある可能性も高いです。

ほかにも、スーパーなどの商業施設や、お祭り、企業のイベントなどで移動販売を募集していることもあるため、情報をこまめにチェックしましょう。

移動販売開業で想定できるトラブルとは?

移動販売の開業で起こることが多いトラブルについて確認し、事前に対策をとることも大切です。

まず、移動販売の準備が整ったとしても、出店場所は簡単には見つからない場合があります。出店場所を見つけたとしても、近くにライバル店が増えることがあるため、独自性が重要です。 また、全国的に有名なイベントでの出店ではない限り、天気が悪いときはお客さんが集まらないことが予想されるため、収入が安定しないでしょう。

ほかにも、ガスの契約は移動販売の車を完成させる前に済ませておく必要があります。調理に必須となるガスの契約は意外にも取りにくく、断られるケースも多いです。そのため、移動販売の車を作る前に、業者へ相談するようにしましょう。

廃業しないために知っておこう!移動販売の開業で失敗する理由

移動販売で開業したものの、さまざまな理由から営業を続けられなくなるというオーナーも少なくありません。そのため、あらかじめ失敗する可能性のある内容を確認しておくことが回避しましょう。

客単価が低い

移動販売の開業で失敗する理由として、客単価が低いことが挙げられます。移動販売では、客単価が1000円以下の場合が多いです。多く販売しなければ利益が出ないため、集客が追いつかなくなると経営を続けられない可能性があります。

イベントの出店だと収入が安定しない

移動販売で、イベント中心に出店を検討している場合、収入が安定せず経営を続けられなくなる可能性があります。イベントの出店は土日がメインであり、常に開催されているわけではありません。平日の出店先が見つからないと、収入が安定しないでしょう。

明らかな準備不足

個人事業主として収入を得た経験がないにもかかわらず、いきなり移動販売を開業すると、先の見通しが立てられずに失敗する可能性が高いです。

現在の確実な収入源を断ち、思いつきで開業するのは無謀なので、まずは必要な資金や資格、手続き、稼働時間などについて具体的なイメージを構築しましょう。そのうえで、しっかりと準備をしておくことで廃業に陥るリスクを避けることができます。また、利益が出るまでの期間や赤字月に備えて、開業前に運転資金を準備しておくことも大切なポイントです。

キッチンカーの設備に費用をかけ過ぎた

最初から見た目や設備にこだわりすぎたために、キッチンカーの製作に費用をかけすぎてお金が足りなくなり、開業に失敗するという例も数多くあります。キッチンカー製作において重要なのは「保健所の許可を受けられること」「開業後に利益を上げられること」の2点です。この2点を意識しながら、必要最小限の改造にとどめるようにしましょう。

また、必要以上の改造をすすめてくる車屋も存在するので、複数の車屋に見積もりを取ることが重要です。そのうえで、必要となる設備を自分でも確認し、とにかく費用をかけすぎないことを心がけましょう。

移動販売の開業は集客が大事!成功するためのポイントとは?

移動販売では、集客するための方法を検討し、実践することが大切です。そこで、移動販売を成功させるためのポイントについて紹介します。

選ばれるメニュー開発

移動販売を成功させるためには、他店に負けないメニュー開発が重要です。移動販売は、多数の競合店が並ぶイベント会場で販売すると、知名度も売上もあがります。そのため、近くにいる競合店に負けない、独自性のあるメニュー開発が集客することがポイントです。独自性と同時に、一般受けする味や見た目、興味をひくメニュー名やキャッチコピーにすることも忘れないようにしましょう。

販売場所の確保や集客・宣伝

移動販売は、移動することで、より広いエリアで販売できることがメリットです。出店場所やイベントの情報はネットで検索できるため、可能な限り範囲を広げて人の集まる場所で出店すると良いでしょう。イベント情報や移動販売を募集している企業や施設など、情報収集を欠かさないことがポイントです。

稼働率を上げて効果をデータ化

移動販売においては、出店しなければ当然売上にはつながりません。そのため、稼働率を意識して営業を行なっていくことが重要なポイントになります。稼働率が上がれば自然と認知度も高まり、相乗効果による売上アップも期待できます。このとき、稼働率や売上、出店先などをデータ化して分析すれば、実施した戦略の効果や実績が把握しやすくなるでしょう。

売上目標・販売目標数を決める

1カ月あたりにどれくらいの売上があれば商売を続けられるのかということを数字で理解しておくのも大切なポイントです。 売上の目標となる金額は、1カ月の必要経費と手元に残しておきたい金額を足すことで算出できます。そして、算出した売上目標額を商品1個あたりの価格で割って販売目標数を求め、具体的に何個売ればいいのか意識しながら営業を行うとよいでしょう。

移動販売は多売で勝負!集客できる場所を選定して利益をあげよう

移動販売は客単価が低いことが特徴であるため、たくさん売る必要があり、集客が重要なポイントです。しかし、人が集まる場所を見つけたり、知名度をあげることは容易ではありません。 フランチャイズに加盟すれば、すでに知名度があるブランドをつかえたり、人気のメニュー提供できるため、開業当初から軌道にのせやすく失敗する確率をさげられます。初めての開業であれば、フランチャイズも検討してみましょう。

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